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猫をワンと鳴かせたい  作者: シタノ・サソリン
3/5

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猫神さん騒動(俺にとっては)からかれこれ1ヶ月以上達クラスにも馴染めだした頃

「はぁー」

「なんだよ健!ため息なんてついて」

「今忙しんだ。少し待っててくれ」

「またかよー、で?汚川洗濯だっけ、また新曲出したのか」

親友の質問を無視して聞き続ける事2分

「あぁそうだよ。今回は『持参の理想論』だってさ、こう芯に来る皮肉さがまたねー」

2分も無視した奴と仲良くできる陽介は立派な人格者だと思う。

「すげぇな。前回は確か『押し付け完璧自論』だろ?」

「しかも噂だと俺らと同じ年代らしい」

「まぁアイドル追っかけるのはいいがもう少し現実見ろよ?彼女欲しいんだろ」

「いや、オガセンの歌聞いてたらなんか馬鹿らしくなった。歌詞でもあったぜ?無駄に努力したって意味が無い。なら意味はどう見出す?お前の心次第だって」

「なら見い出せよ!」

「結論を出した。結果!偶像崇拝(アイドルの追っかけ )の方が素晴らしいことに気付いた」

「ハイハイ、どーせ明日には『やっぱ好きな子出来たわ(キリッ)』だろ」

「かもしれない……だが!明日の僕は今日の僕とは違う!!」

「それもなんかの歌詞だろ?」

「持ち前の自論です」

「そうか、ってそうだよ。お前に話そうともってて声掛けたんだよ」

「ん?惚気かぁ~」

「ご名答。天川さんとついに」

「よし、予言をしよう。明日お前は『聞いてくれー振られたんだが』で、開口。理由は『やっぱその、パリピ?のノリについていけないわ』だな」

「いや、早くね!!絶対頑張るよ。見た目の通り天川さん家庭的なんだよ!ほら、俺ってなんだかんだ自分と似た者ばっかと付き合ってきたじゃん?だからそのなんだろ」

「ギャップが必要なんだろ?」

「なんか違う気もするがそれだよ!」

「まぁ応援してるよ」

「任せとけ!」


やはり。とは言えなかったが夜の内に聴いた曲のせいで僕は思考が変わっていた。

「やっぱ彼女作って青春を謳歌したい」

「ほらなぁ~。お前の事1番知ってんのは誰だって話だよ」

「ぐっ、ってか珍しいじゃないか陽介だっていっつも別れたーって言うのに」

「それがよ、なんと言うかご主人さ、いや。なんでもない」

「お前敷かれたな」

「でもなんか悪くはないと思ったんだ」

「変態だったか……近寄るな!」

「待てよ!落ち着け、ステイステイ。俺はなんだろ」

「いや、そこまで来て迷うな」

「デー、お前はなんかいい感じの子見つけたのか?」

「無理やり話を変えるな」

「えぇー、ほら俺は痛い目見たろ?今度は健が暴露して話す番だぜ」

「そうだな、月岩さんかな」

「その路線に行くとは」

「なんと言うか最近さ、ちょくちょく後ろの方見てくるの。授業中とか少し目が合うっていうか?」

「臭いんじゃね?お前最近遅刻ギリギリで来るから」

「いや、そんな感じの目じゃない」

「じゃぁどんな感じの目だよ!」

「まるで全てを見透かしてる様な」

「ごめん俺じゃそれでどう好きに繋がるか想定不可なんだが」

「自分にも分からないけどなんと言うか惹かれた」

「一目惚れの時間経過タイプか?あ、何とか効果!相手に意識してると認識させる必殺技みたいな」

「でも体育会系な女子と違ってあーゆー系は本気だと思うから」

「で、告るのか?」

「それがまだ決心はついてない」

「ずごー、親友からの助言だ。善は急げ!確かいい事は早く行う程いいって意味だ」

「そうか。なら今日意を決してみる。もうすぐ来るでしょ?」

「だね、って噂をすれば」

「よし、今日の帰り残ってくれる?話があるんだでいいよね?」

「あぁ、それで相手がOKくれたら帰りまでに特訓だ」

「お、おう」

そうこうしている内に月岩さんが迫っていた。

「おっす!月岩さん」

「お、おはよう月岩さん」

「ん?あ、あぁおはよう。どうしたの?やけにどもって」

「ほら、健言えよ」

「あ、あの月岩さん帰りに話したい事がありゅから残っててくれますか」

くっ、肝心な所で噛むなよ!

「そう、折角だけどごめんね。今日の帰りは用事があるの。でも明日ならいいわ」

「あ、ありがとう」

「じゃ、私行くから。今野くんも席戻っていいよ」

「お前噛んでやんのー」

「う、うるさい!恥ずかしいんだよ」

「まぁ耳まで真っ赤だもんな」

「そ、それで明日って言われたけどこれは脈アリ?なし?」

「向こうも覚悟決めたいのかもな」

「うっし」

「あとは健。お前が何を持って彼女を好きとするかが落しのコツだ」

「すまんな陽介。日本語で頼む」

「つまりだ、どこに惹かれて、憧れて好きになったかを伝えるんだ。いいか?わが弟子よ」

「了解っす!所で師匠。具体的にどんな感じで言えば」

「そうだなぁ、『君の瞳に僕以外を映したくない』とか?」

「うわ、それはくさいわ」

「そうか?コレで俺の親父は母さん落としたって言ってたぞ」

「あのハッピー夫婦と同じにされたら困るわ!」

「あとは『好きです!付き合ってください!』のシンプル攻めかな」

「『私のどこが好きなの?』ってきたらどうするん」

「そたら健。お前が好きなった理由をそこで言うんだ」

「頑張るよ、頑張る。別に女子と話した事はあるけど……なんだろこういう時の緊張感は」

「まぁ落ち着け。終わったら慰め会でも開いてやるよ」

「いや、振られる前提かい!」

「ジョークだよ。まぁ気楽にしろ。固まってちゃいみない」

「そうだけど、陽介程経験はないから」

「いや、ゼロだろZERO!!」

「い、いや5回くらいはあるかも」

「何回でもいいけど、俺だって緊張はするよ」

「う、うがァァ!!よしっ。これでいい」

「よーし。明日まで時間はあるんだし特訓だ」

「だなー、頼むわ」


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