第2話
駿は昨日2時までゲームをやっていたので今とても眠たい。ましてや駿はテスト前に教科書を見れば良い点数が取れるので授業を受ける意味がないと思っている。簡潔に言うと授業中に寝ている。
「おい‼︎起きろ‼︎」
「おはようございます。おやすみなさい」
「おい。もう一回寝ようとするな。起きろ」
目の前には駿の担任であり数学の先生でもある木下先生がいる。
「私の授業で寝ようとするのはお前ぐらいだぞ」
木下先生は既婚者だが綺麗だし授業が面白いので生徒からは人気がある。
「もう授業が終わるのだからもう少し我慢しろ」
そして何より注意することはあっても怒らないので木下先生の授業は毎回寝ている。残りの5分ぐらいを適当に過ごした後、昼休みに入った。そして自分の弁当箱を開ける。特に好き嫌いはないので肉の他にも野菜が彩りよく並べられている。
「お前の弁当いつもうまそうだよな」
「それ毎日自分で作ってるのよね。よくやるわ」
昼飯はぼっちの俺を考えてか毎日龍二と梨花の二人と一緒に取る。
「昨日の晩飯の余り入れてるだけだし学食よりも栄養が取れる」
「それ小橋君が作ってるの。美味しそう」
何気に俺の席の隣は立川なのだ。席替えの時の男子達の目が怖かった。別に授業中はほとんど寝てるし休み時間もイヤフォンをつけて音楽を聴いているので接点は向こうから話しかけられる時ぐらいしかない。強いて言えば家が隣なだけだ。これはバレたら面倒なので龍二にも梨花にも言っていない。別に家が隣でも登下校は別だしお隣として会話した事もないのでわざわざ言わなくてもいいだろう。
「昨日晩飯の残りだから時間も経ってるしあんまり美味しくないと思うよ」
「じゃあ一口頂戴」
そう言って唐揚げを一個取っていった。男子達の恨みの目線がきつい。
「わぁ。すっごく美味しい。料理うまいんだね」
「対してうまくないよ。かろうじて一人暮らし出来る程度だよ」
「そうかな?」
「こいつ結構料理うまいぞ。前出来立て食ったけど店に出してもいいレベルだと思う」
「へぇ。そうなんだ」
「買い被りすぎだよ」
本当にこいつは俺をなんだと思っているんだ?ちょっとかじった程度だぞ。それと男子達の目線がどんどん怖くなっていく。会話しただけで怒るんだったら、告白したらいいのに。振られると思うけど。
「あ、そうそう。数学の教科書忘れたから次の時間貸してくれ」
「10円で手を打ってやろう」
「ほんとそう言うとこせこいよな」
「一人暮らしなんだから稼げるとこで稼いどかないと」
「バイトしてるだろ」
「それだけじゃ足りないって」
「はい、10円」
「さんきゅ」
「そろそろ教室帰るわ。じゃあな」
龍二がいなくなると梨花もいなくなる為残ったのは俺と立川とその取り巻き達だけになる。
(はぁとりあえず寝よ)
男子達の目が怖い為現実逃避も兼ねて夢の世界へと旅立った。
次回玲奈視点です。