鬼畜変態呼ばわりされた最強の魔術師1
ノザラノムに生を受けた我は、幼少時、体が弱かった。
ある偶然から体調が良くなったのだが、あのような悲劇が起こるなら、そのまま死ねばよかったと何度となく思った。
死にたいと思う我の苦悩は、魔術師には理解されなかった。
力がない我は無力だった。
必死で強くなり、最強の魔術師という称号も権力も得た。
しかし、足りぬ。
毛人達を助けるには圧倒的に力ある者の数が足り無かった。
そんな時、我が命の終わりに気付いた。
まだ成していない。まだ償えていない。
我を治癒する、只その為だけに血を絞り取られ、儚くなった彼女にどんな顔向けが出来ようや。
延命の為、我は更なる決断によって他者の命の最後を集める事とした。
この世界に生きる命の最後の少し、もう助からない命を全て吸い上げていたが、いつしかそれでも時間が、命が足り無くなった。
寿命を越えて生きる我の魂は磨耗するばかり。日々の魔力すら枯渇する有り様だった。
ここで我は、他の世界からも命を吸い上げる事を決める。
慎重に路を創り、異界へ干渉する。
そうして繋げた界でも最後の命を集める。
それでも不足し、我は数多の異界へと干渉した。