表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジーメモリーズストーリー  作者: がとーしょこら
1/1

メモリーズ0

みなさんはじめまして。がとーしょこらです。この作品は、~☆Wi☆~【ID:1218079】との共作です。はじめてなので、なにかおかしいところがあれば遠慮なく言って頂いて構いません。では、ファンタジーメモリーズストーリーの世界をお楽しみください。

その日は、やけに夕日が綺麗だった。夕日が照らす公園には学校の制服を着た2人の少年少女の向き合っている影だけが長く伸びていた。

「俺と付き合ってください!」

その影のひとつが意を決したように口を開く。その声は震えていたが、きちんと少女に届いていた。少女は

「よ、よろしく……お願いします……!でも、あたし……オタクだけどいいの?」

少し高い、可愛らしい声が響く。少し照れながらも、少女は勇気を振り絞って答えた。二人の間に重い時間が流れる。返事を聞いた少年は、直ぐ笑顔になった後、ショックを受けた顔で

「……美月……お前がオタクだったなんて……」

と言った。

「え……?別に……隠してた訳じゃ……」

「はぁ? っせぇな!結果的に隠してたじゃねーか!」

誰もいない公園に、2人の口論の声だけが響く。

「な……?! あんたから告白してきたくせに何抜かした事言ってんのよ!」

「あぁ、もう冷めたわ。俺はな、オタクという人種が大っ嫌いなんだよ!」

少年が言うと少女は自分の趣味を真っ向から全否定され驚いた。

「人……種……? あんた最低っ!もうあたしの前に現れないで。」

少女は少年にくるりと背を向け、足早に公園から出ていく。

「俺だってお前の顔なんか一生見たくねーよ!」

と、徐々に小さくなっていく少女の背中に言い放ち、少年もまた少女に背を向けて足早に公園から出ていく。

公園は水を打ったように静かになった。




「あああぁもう!何あれ?!人種って何?オタクは化け物とでも言いたいの?!」

遠くで僅かに輝く夕日と一番星。徐々に夜の色に染まっていく住宅街に、ぼんやりと光る街灯が優しく辺りを照らしている。ほんの少しだけ夏の香りを残した暖かい秋風の中を切り裂くような速さで、綺麗な長い黒髪を靡かせ、髪が乱れるのも厭わないままあたしは家へと歩いている。夕日が沈みかけて、うっすらと後ろに星も見えている空。まだ僅かに残っている夕日の光と、所々にある街灯がふわりと照らす住宅街の間を緩い向かい風が吹く中、穏やかな空気を切り裂くような速さで、綺麗な長い黒髪を靡かせ、髪型が乱れるのも厭わないままあたしは家へと歩いている。あいつに対して少し言いすぎたと普通は後悔する所だが、今回ばかりは違う。

言いたいことをはっきり言えて清々した。未練なんかない。


バン!

まるで人形のような綺麗な顔立ちの少女が、八つ当たりをするように強く部屋のドアを閉めた。

部屋中にビッシリ敷き詰められたフィギュアとポスター。 つかつかと部屋の奥に入り、おもむろにカレンダーを見る。

今日から二日後の所に大きな丸が書いてある。あいつとのデートでも誰かの誕生日でも無い。その日は待ちに待った新型ゲーム機の先行発売日だ。 あたしは幸運にも先行者に当選し、通常よりも早く手に入れる事が出来る楽しみを思い出した。だが不覚にも先程の出来事を思い出してしまった。楽しい気持ちが台無しだ。

暗い気持ちで夕食とお風呂を済ませ、自分の部屋に戻ると、溜息をつきながらベットに入る。久しぶりに本気で怒ったからかすぐに眠りにつけた。なぜか夢にはあいつが出てきた。そしてその次の日の夢にもあいつが出てきた。





「くっそ……あいつがオタクだったなんて!」

先に公園を出た少年は、沈みかけた夕日を背に、少年にしては可愛らしい顔を歪め、緩い追い風に身を任せイライラしながら家へと向かって歩いていた。


バタン!

子犬のようなくりっとした目と愛らしい顔立ちの少年がドアが壊れるのではないかというくらいの強さで投げやりにドアを閉めた。

部屋には昔からやっているFPSの大会で取った賞状や写真にメダル、優勝トロフィーなどがずらりと並べられていた。

あいつがあの某RPGに出てくるスライムだったら、一撃で粉々にしてやるのに……って、例えがまるであいつみたいじゃねぇか!俺はあいつと同じような考え方をしてる事に腹を立てながらベッドに入った。自分が忌み嫌うオタクが、自分の好きな相手だったこと、それを見抜けなかった自分にも酷く腹が立った。女の子相手に本気になって怒ったことに後悔するところだが、違った。オタクだった彼女と離れてとても清々しい気持ちだった。が、なぜかその日はなかなか眠れなかった。




最悪の気分で目を覚まし、眠い目を擦ると、少し目が腫れているような気がした。不思議に思いながらリビングへ行くと、ママが朝食を作り、パパはソファーでコーヒーを飲んでいた。

「おはよう美月。昨日はよく眠れた?一昨日はとてもうなされていたようだったから、少し心配で……今日は冷えるから、何か暖かいものでも飲んでいきなさい。ココアと紅茶、どっちがいい?」

2日連続で嫌な夢を見てうなされていた私を心配してくれていたママの優しさに胸が熱くなる。

「おはようママ……じゃなくて、お母さん。そんなにうなされてたんだ……ココアにしようかな。」

夢の中にあいつが出てきたのは覚えているが、正確な夢の内容は覚えていない。でも、とても悲しかった気がする。そっか、泣いてたんだ。だから少し目が腫れていたんだなと納得した。呼び方は、高校生にもなってママは高校生らしくないと最近は訂正をさせられる。パパ……もといお父さんも同じだ。出されたココアをひとくち飲むと、甘さと温かさにまた胸が熱くなった。ココアのおかげで今、あの辛いことを忘れられたような気がした。少し元気になった私を見てお父さんは

「おはよう美月。元気になったようで良かった。今日はあれ、買いに行くのか?」お父さんにも心配をかけていたらしい。少し罪悪感が残る中、コーヒーを飲んでいたお父さんはあたしを一目見るとテレビを指さした。

「今日は全世界が注目する、新型VRの発売日です!このVR、なんと脳波を読み取りゲームの世界に入ることができ、自分の考えた通りの行動が出来るので、実際に仮想世界で生活できるようなリアリティを体感することが出来るのです!」

そこでハッと目が覚める。夢の事ですっかり忘れていたが、テレビから聞こえるナレーションの声で今日が何の日かを思い出したのだ。ファンストの先行発売日だ。なんとも冒険心をくすぐられるナレーションを聞くと、あたしは明るい声で返した。

「おはようお父さん!ファンスト、今日が発売日なんだ!」

興奮しながら話すあたしにお父さんは

「そうか。気をつけて行ってこいよ。」

と言った。

「うん!」

あたしは元気よく答える。

ファンストとは、ファンタジーメモリーズストーリーの略称である。ファンメモや、メモストとも呼ばれる。

朝食を急いで食べ終えて、少しながらオシャレもした。ゲームを買いに行くだけだが、それでも街中に行くのでナチュラルメイクもした。最寄りの駅までの距離とそこから出る電車時刻表を確認し、あたしは未だファンストの特集をしているテレビを横目に

「いってきまーす!」

と勢いよく家を飛び出した。

電車を乗り継ぎ一時間。休日ということもあり、車内は少し混んでいた。人混みを掻き分けゲームを購入。

内心、鼻歌でも歌いながらスキップしたい気持ちを抑えながら即帰宅。

ゲーム開始は午後十二時。寒くない程度に弱い暖房をかけ、ラフな格好に着替えた。何か精神状態に異常があれば、ゲームが異常を感知し意識を現実に戻してくれるが、それだけは絶対に避けたいのでトイレと少しばかり食事も済ませた。時間に少々余裕を持ってベッドに入るが、一分がとても長く感じる。混んだ電車に揺られた上に、急いで買って帰ってきたのでとても疲れた。少しでも気を抜くと眠ってしまいそうだった。だが十一時五十九分になった時、先程眠りかけていたとは思えないほど胸がドキドキしていた。やがて、サービス開始時間になった。

「よし、行こう!」

「コネクション・スタート!」

数字が変わると同時にゲームの世界に入る合言葉を唱えると、私の意識ははすぐさまゲームの世界へ入っていく。






だけどあたしはこの後自分の身に起こる様々なハプニングの事なんて、知るよしもなかった……

この度は、ファンタジーメモリーズストーリーを読んでいただき、本当にありがとうございます!前置きにも書きましたが、この作品は~☆Wi☆~【ID:1218079】との共作です。変な文や言い回しがあるかと思いますので、なにか誤字脱字やご不明な点がありましたら遠慮なく言って頂いて構いません。感想なども送って頂けるとうれしいです!この作品はVRゲームを舞台としているので、「あれ?なんかこれあのアニメに似てるな。」なんてこともあったかと思いますが、そこは大目に見ていただけたら幸いです。

最後に、がとーしょこらはTwitterもやっていますので、もしよろしければフォローよろしくお願いします!

(本垢)がとーしょこらʚ(*´꒳`*)ɞ【@Jewelrychocolat】

(小説垢)チョコレート【@Chocolat_novel】


協力してくれた方のTwitter

Wiチャンネル 動画制作ファクトリー【@Wi67581931】

~☆Wi☆~@なろう&カクヨム【@Wi32528076】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ