地獄での真実
ん、ここは・・・ってなんか痛い・・・ふぁ!?
俺は針(半径50センチほど)が胸のあたりに刺さっていたのだった・・・痛くないけど。
俺はひとまず立ち上がって(何故か体は無傷だけど)周囲を見渡した。
そこは、針が立ち並ぶ針山の中で、何人かの人が意識を失っているのが見られた。
「俺は何を・・・あ、確かコンビニ前の交差点で遠藤に刃渡り30センチほどの銅製果物ナイフで刺されたんだ」
そして俺は自分が死んだことに気づき、そしてここがどこかを知った。
そう、ここは地獄の入り口なのだと。
「は!!!!!!ふっざけんなよ!あの鋼鉄オタクBBA!何!急に刃渡り30センチの銅製果物ナイフ刺してきやがってさ!うまい棒が100円になるって発表されるより驚いたわ!」
そうすると後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
「あの瞬間でナイフの性能を見てるって、あなた本当にバカなの?」
その瞬間、マッハ100ぐらいの速さで奴の胸倉をつかみ上げた。(いつもはこんなことしないからね、僕って紳士だから)
「何してくれとんじゃワレ!なんだよ!俺がなんかしたかよ!」
そしたら彼女は俺よりもさらに怒って言った。
「あなたのせいよ!あなたが、あなたがお父さんに私の趣味を言ってしまうから!」
俺が首をかしげると彼女はまくしたてるように、
「私の父親は堅実な人なの、だから読む本だって伝記やら有名な歴史小説ばっか!でも私が本屋に行ったときに偶然ラノベにあったの、それで私は今まで教育のためだけに作られているものだと思ってい本から娯楽のためでもあるのだと初めて知ったわ。でもそれを父に言ったら何をされるかわからないそう思いながら読んでいた」
それからさらに強く言うように
「なのにあなたは何も知らずに言ったのよ!私が隠していることも知らず!君は勝手に言ってしまった!」
それから少しトーンを低くして。
「あの日私は生徒会の仕事が終わって帰ると父が門の前で待っていたのよ、そしてカバンの中を調べられて・・・そのあとはひどかったわ、早速家族会議になって、私は持っていた全てのラノベを燃やされたわ・・・さらに学校にも行くなと言われて、寺にでも修行に出させると言っていたから」
そうすると彼女は吐き捨てるように最後に言った。
「そして、頭を冷やしてこいと言われてぶらついていたらあなたを見かけたの、私はすぐに家に帰って凶器を使うことを決心したわ」
そこまで言われて俺は自分に対する罪悪感でいっぱいだったがふと、きずいたのだ。
「なら地獄に落ちるのは遠藤だけでいいじゃん、なんで俺まで?」
そうすると彼女はあきれたような怒っているような顔をして
「あなたのせいよ、私が刺殺した後、逃げようとしたらあなたが私の手をつかんで離さなかったわ。そのせいでちょうど来たトラックに私もろともひかれたの」
ようは全責任は俺にあるということらしい。
その後、両者ともしゃべらずにそこに突っ立っていると、地獄の警備員(バイト、時給は1000円ほど)が俺たちをエンマ大王のところで裁くと言って連れていかれた。
□■□■□
「(咳払い)ワシが閻魔である、そなたたちの罪を読み上げる」
閻魔はとても大きく迫力もすごかった、こいつは絵や物語では到底言い表せないだろう・・・体の一部分にちょっと液体がチビっていた。
「反虎達人!貴様は隣にいる遠藤凛の隠し事をバラシ、挙句の果てに人を殺し、到底許されることではない!よって貴様にはGランクをつけさせてもらう!」
この地獄はつけられたランクによって罪が重くなったりするそうだAからZまであり、Zがが一番ヤバいのだという。まずは軽そうでよかった。
「次に、遠藤凛!貴様は隣にいる反虎なんとかというやつを殺した!よって貴様にはDをつける!」
「以上だ、下がれ」
俺たちはその後罪を決める部屋に連れていかれた。
「ここでこの板を読みそれに従って罪を決めろ」
とバイトのやつに言われた。
バイトのやつが消えると俺たちはやっと話し始めた。
「おい、遠藤、俺の分までお前が決めてくれ」
「いいわよ、少し考えてくる」
しかし、少しなどという時間などなかった、彼女はすぐに決めたらしく戻ってきた。
「何にしたんだ?毎日熱湯風呂1ヶ月とかか?」
「いえ、そんな面白くないもの選ばないわよ」
「じゃあ何にしたんだ?」
そうすると彼女は、他人の恋愛話をしつこく聞いてくる女子と同じ目をして、とてもうれしそうに
「異世界転生よ」と言った。
その瞬間その場所が黒く光りだし、時空が動き出した。
「閻魔様!遂に、212年ぶりとなる異世界転生をしたものが出ました!」
2人が転生してすぐにバイトのやつが報告に来た。
「なに!本当か!毎年212年周期で転生する奴がおるから、今年はだれかと思っていたが・・・そいつは誰だ?1000人殺しのあいつか?それとも・・・」
そうすると、バイトのやつは焦りながら言った。
「違います!そんなW級ではありません!先ほどの高校生の男女です!」
「なに?それでは異世界転生は刑が重すぎる・・・仕方あるまい、救済措置として少しだけ強くしてやるしかあるまい」
「ええええええ!!閻魔様やさしい・・・」
「そのぐらいはやるのは当然であろう」
「でも、それだと罪の償いにはならないのでは・・・」
そうすると閻魔はにやりと笑って、
「安心しろ、あの女の方は自分を殺した奴と旅をしなければならない罪を・・・」
そして閻魔はさらに笑みを浮かべて、
「そして男の方は・・・陰キャ、コミュ障、根暗、オタク、で皆に嫌われていたやつのくせに、きれいな女の子と異世界転生することは、ワシと世の中の陰キャからしてみれば最高の罪であろう!!!!!!!」
ハイ、陰キャの皆さんならお分かりだと思います(私が言える立場ないない)