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戦闘~1~

活動報告にあげましたが、ジャンル変更を行いました。

恋愛色が薄く、畑違いな気が拭えなかったので、ハイファンタジーにしました。

 放たれた弓が向かってくる。もしあれがこちらの奪われた魔法具だとすれば、まずい! 今私たちが矢を打ち返しても、先に向こうの魔法が炸裂し、相打ちにならない! 

 ならば、これを使って……! 私は短剣を取り出し、構える。


「伏せて!」


 仲間に向け叫び、タイミングを見て石を割る。普段はちっとも割れる気配がない、硬い石が、確かにいとも簡単に割れた。

 やはり魔法具の矢を、敵に奪われていたのか……。

 矢から火柱が横向きに上がり、こちらに迫ってくる。しかし見えない壁が、そこに存在しているようで、火は防がれる。


「魔法を防いだ⁉」

「あの短剣に、魔法具が仕込まれていたに違いない!」


 火が霧散するよう、消えていく。見えない壁がその役目を果たしてくれた中、私はすぐさま光の矢を放つ!

 壁も消えたのか、矢はなににも阻まれることなく狙い通り進み、数人の敵の眼前で、閃光を炸裂する。


「眩しい! 目が! 見えん!」


 真っ向から強い光を目に浴びた敵は、少し背を曲げたりしつつ、目を手で覆う。目をくらますことに成功した私は、駆けだす。目標は一番手前にいる、視界を奪われた敵!






「次に同じ状況に陥り、人を斬れなかったら……。兵団入りは諦めろ、ジャスティー」






 オードルさんの声が蘇る。

 私は人を殺したい訳じゃない。本当は、誰の命も奪いたくない。だけど兵団に入るということは、嫌でも敵を斬る場面に直面する。

 まさに今がそう! 国が狙われ、皆を守るには……。

 覚悟を決めるんだ、ジャスティー。相手を気絶させる術なんて、今の私は持っていないのだから。

 この道しかない!

 短剣を握る手に力を込める。


「あああああ!」


 私は明確に意思を持ち叫びつつ、短剣の刃を敵の喉元に当て引く。相手が崩れるなり、すぐに跳ねるようにしながら後退し、元の場所に戻る。

 体は熱く、心臓は大きく脈打っている。


「……はあっ、はあっ」


 乱れた呼吸を整えようと、大きく息を繰り返す。


 ……ついに、やった。この手で……。


 どくどくと、脈打つ音が全身に鳴り響く。

 体は熱いまま。なのに頭は冷えているのか、周囲を見やることを怠らない。緊張しているのか、興奮しているのか、冷静なのか。分からない。不思議な感覚だ。


「くそ! 小娘が!」


 剣を振り走り出した敵の前に、馬に乗った彼の仲間が立ちふさがる。


「待て! この娘かもしれない! こんな場所にいる女なんて、そうはいないからな」


 不満そうに唾を吐くと、剣を持った男は下がる。

 こちらの剣部隊の三人は、多少傷を負ったものの勝利しており、敵の様子に視線を左右に動かしながら、訝しむ。


「……なんだ?」

「様子がおかしいな」


 仲間を止めた男が馬から降りると、よく通る大きな声をあげる。


「私はホーベル王国、第五軍四班、班長、ディランだ! 宗主国である、インバーション帝国のさらなる発展、及び、領土拡大のため、この地にやって来た!」


 これを受け、我が団員の一人、ロッシさんが前に出る。


「アボッカセ兵団所属、ロッシだ! ディランよ! 知らせなく他国に入り、攻撃を仕掛けることは、世界連合の取決めに違反する行為! その違反は、侵略と言えるだろう! 過ちを正し、すぐに兵を連れ、引き上げろ!」

「それは無理な相談だ! 我々には勅命がある! それを投げ国に帰ることなど、許されない!

 大体、違反したから、なんだという! 取決めなど破っても、お咎めを受けるだけ! そんなものを、なぜ遵守する道理がある! それに珍しいことではあるまい! 帝国にすれば、いつものことよ!」


 開き直りにも取れる物言いに、他の団員が声を上げかけるが、ロッシさんが腕を伸ばし止める。不承不承な態度を隠しはしないが、ロッシさんに逆らわず、声を上げることなく彼は下がる。

 それを見届け、再びロッシさんも呼びかける。


「取決めの主旨を理解していないのか⁉ 世界連合の名のもと、各国が取決めを守るのは、侵略行為を勝手に始め、無意味な殺生を起こさないためだ! 世界の人々を守り、平和を作るための取決めを、それでも無視するのか、ディランよ!」


 ロッシさんの言葉に同意するよう、私も何度も頷きながら、ディランを強い目で睨むよう、見つめる。だが彼は、己を曲げることはない。


「我々軍人は、勅命を遂行するのみ! 主君が取決めを無視しろと言えば、それに従うのみ! ところで、こんな戦場に娘とは珍しいじゃないか! お前、名をなんという?」


 急に私に視線を移動させると、ディランが名を尋ねてきた。

 慌ててこの場の指揮を任されているロッシさんを見れば、頷かれる。

 戦いの場で、互いに名を名乗ることは、珍しい話ではない。形式的な時もあれば、相手に敬意を払う場面もある。女だてらに一人倒したこと私へ、敬意を示しているのだろうか……。


 そう思いながらも、先ほど馬から降りる前のディランの言葉が、引っかかる。

 まるで彼は、誰かを探している様子だった。そう、女性を……。

 相手がなにか企んでいる気がするが、今は素直に名乗ると決める。そして相手の出方を見よう。

 短剣の先を地面に向け、大きな声で答える。


「私はアボッカセ兵団、団長、アローン様と副団長、アコッセ様の弟子! ジャスティーです!」


 その瞬間、ディランたちが息を呑む。


「……おい、やっぱりなにか妙だぞ」


 目を鋭くし、慌てた様子で団員が弓を構える。


「そうか、やはりお前が……。ジャスティー、ホーベル王国女王陛下の命により、お前の命をいただく」

お読み下さり、ありがとうございます。


はい、やっぱりジャンルをハイファンタジーにして良かったー。な内容です。

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