クソ野郎がつくったゲームはクソゲーだ
俺が、<ドラゴンズ・サガ>をプレイしたことない、って言うと、たいていみんな驚くんだ。
たいてい高校のみんなは呆れた顔して。
「えーまじかよ! あの名作やってないとか、人生の半分、いや16分の15は損してるわ」とか。
「お前ンチ貧乏なんだな、恥ずかしがらずに言えば貸してやるのに、宿題代わりにやってくれるなら」
とか言われる。
まぁ、そうだよな。ポケモンとかFFとかモンハンとかくらい、有名なゲームだもんな。
俺だってゲームが嫌いなわけじゃないからさ、それがどれくらい変わってるかってわかるよ。
メロンパンとかカレーパンはくったことあるのに、あんぱん食ったことないやつみたいな感じ?
まぁ、別に俺はゲームは嫌いっていうか、むしろすごい好きだ。一生やってたいくらい。
でも、<ドラゴンズ・サガ>だけはやらねー。
……なぜかって?
大嫌いな奴がつくったゲームだからな。
っていうか、俺の父親なんだけどさ。もう死んでるけど。何年か前に。
俺が小学生だった頃、ぜんぜん家に帰って来ねーで、馬鹿なガキみてーにげーむくりえいたー気取って。
俺は父親が大っっ嫌いだった。母さんはいつも、寂しくて、俺に隠れて台所で泣いてた。
結局、体壊して父親は死んで。
母さんを泣かせてまでゲーム作るなんて、ただのクズだ。それかサイコパス。
俺はそういう気持ち悪いゲームはやらない。どんだけ有名で面白かろうが、クソ野郎がつくったゲームはクソゲーだ。