11月の感傷
流れるもの
たましい
こぼれては
また明日
ね
少しだけ
遠回り
頼んでも
ほんとはね
どこにもいきたくない
猫の子
さよなら
野の花
笹の葉
山の上から
走ってくる
紅葉
なんでもないって
言おうとした
さみしい
嘘
さみしい
松明
燃やして
大きな
明かり
灯り
明るければ
明るいほど
さみしい
そう
さみしい
汚れた布
捨てようね
思い出さないように
言葉が
足りない
投げても
泳いでも
暗い夜道だ
月を探してる
はぐれて
寄り添って
また明日
ね
泣きそうで
揺らめいてた
ふにゃふにゃの顔
誰を踏みにじって
許されたいの
傷付けてもいいものを
探している
寄り添って
引き離して
頼られたいの
なにもしたくない
少しずつ毎日
すり減らして
手をつなぎながら
呪っている
ふたつもみっつも
欲しがっていた
さそり
くるぶし
毒
悪い人なんていないわ
ほんとはね
欠けた
たましい
本の虫
知識の水たまり
暇つぶしのふりして
それがないと生きていけないんだ
黄金色の
秋はすぐに去るわ
垂れた穂から
刈られていく
戸惑い
罪
波の音
胸騒ぎ
知らない虫の声
もいで
もいで
ねこじゃらし
揺れてた
聞こえない
なくさないで
離れても
そこにいるね
やまもも
ぶどう
くりのとげ
白いふわふわ
冬の足音
透明な息
まだ生きててもいいか
誰かに聞きたくて
揺らめいてた
壊れてしまった
遠く
そうだね
ほんとはね
誰かに見つけてほしい
小さい秋くらいには
転げて
ふらついて
そんなふうに
偽物でも笑ってくれる子は
優しすぎて
投げ出したい
ぜんぶ
だからね、少しわかるんだ
自殺サイトに書き込んだり
知らない人に委ねてしまいたくなる
気持ち
誰かに殺されてしまいたくなる
気持ち




