分裂錯綜
「なんだ! 何が襲ってきた!?」
駆け出した望月は開かない扉に出鼻を挫かれる。ハンドルを力任せに捻ること三度目、扉の持ち手は不吉な音をたてて折れてしまった。
「ちょ、てめえ、何やってんだ!?」
望月は拳を握り大きく股を開く。
「衝撃で歪んでいたらしいな。向こう側には多少危険かもしれんが致し方ない。聞こえていたら扉付近から離れてくれ!!」
巨漢から繰り出される蹴りが内開きの鉄扉を外向きに開かせて蝶番が弾け飛ぶ。これが駅務室の住人達に爆発よりも動揺を与えたらしく、悲鳴を上げて部屋から複数の人影が飛び出して行った。
砂埃が断続的に天井から降り注ぐ。
雑多な声が入り混じる中で、布引が振り返って耳をすませる。
「声がする」
青白く光るモニターは相変わらず動きの無い死んだ風景を映していたが、突然左端の画面だけが地面を映してヒビを入れた。
「なんだ!?」
カメラが人の手によって向きを変える。地面に転がったまま画面に映ったのは桐島だった。必死に口を動かして何か呼びかけているが音はこちらに届かない。
「クソが!! 音声のスイッチは」
仲前が操作盤に飛びついて複雑な機械を眺め回す。布引は目を細めて桐島の口元を読み上げる。
「間違い。騙されるな。蝙蝠は」
映像が乱れて真っ白に塗り潰される。苛立つ仲前が機械を殴りつけて罵声を飛ばす。
丸金は追いつかない思考のまま言葉を繰り返した。
「……騙されるな?」
望月は駅務室から飛び出していく。壁にヒビが入ったのを見てとり、布引が丸金の手をつかむ。駅務室から構内へと手を引かれながら周囲を見渡すと、やはり荒妻の姿はない。それが爆発の後か、前かは知る由もないが。
暗闇の中は焼けた土の臭いが充満して目に異物を吹き付ける。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
強烈な雄叫びが奥から届いた。懐中電灯の白く丸い光が、白い埃、望月の背中、改札機を浮かび上がらせて通路の奥の人影を捉える。土煙が薄まって露わになった襲撃者の姿は二メートルにも届きそうな身の丈に膨張した四肢を持ち、眉間から頭部を包むように六本の黒い筋が放射状に伸びた怒りの形相を湛える死神。
「なんで!?」
丸金は悲鳴を上げる。
その姿は見間違えようもない。唯一、撃破できたはずの死神。ヘリに吊るして海に沈めたはずのタイタンだった。
銃声が駅務室から響く。仲前が声を張り上げて民間人を追い立てた。
「ここは直に崩れるぞ! 地上への階段は爆破されたと思え。護衛してやるから生き埋めになりたくなきゃ線路を突っ切って逃げろ!!」
我先にと人が駅務室から更に地下へと逃げ込んでいく。
タイタンの足元に一人の男が倒れていた。改札機の間から見える男の口は頬が大きく裂けてしまっている。流血しながら頭を持ち上げ、見開いた目がこちらを見る。
「うああうあ!!」
言葉を紡げない口から絞り出された助けを求める声に、応える間もなくタイタンが拳を振り下ろす。
「駄目だ! 止めろおおおお!?」
望月は到底間に合わない距離から駆け出して手を伸ばす。
確実に、助からないはずだった。何故か大槌のような黒い拳が頭を潰す寸前で動きを止めた。助けに向かおうとした望月も改札機に手をついて足を止めてしまう。
倒れていた男の口が赤い泡を噴き出しながら裂けめを広げて花開くように外へと反り返っていた。口内や喉が外に露出していき、体は裏返しにめくれあがり、骨や肉が不快な音を上げながら上半身を包んでいく。
望月は横顔を見せて切り出す。
「住人を避難誘導できるのは、多少なりとも彼らを理解している仲前君だけだろう。布引君は菅原君を守りながら退路確保に協力を」
タイタンは床でビチビチと跳ねる変貌者から身を引いて、改札機を挟んで立つ望月に標的を変えた。
「自分は命に代えてでも奴を食い止める!」
「一人で戦うなんて!」
丸金が首を振って進み出たところを、布引によって強引に抱え上げられる。
「ごめん、羽秋さん。絶対に後で加勢に戻るから」
「嫌です!!」
抵抗も虚しく、仲前、布引は階段を駆け下りる。息を潜めてやり過ごそうとしている民間人を力任せに蹴り上げ怒鳴りつけながら。
ホームに踏み入った途端に目の前を人影が塞ぐ。荒妻だった。一度視線を上に向け、淡々と情報を落とす。
「線路を徘徊している殺戮者を確認してきた。普段はホームドアの影に隠れて住み分けていたようだが、騒ぎに惹きつけられて集まってきている。数はせいぜい数十体」
命令を違えて偵察に動いていたことに触れる余裕もなく、仲前は苛立たしげに銃口を横に振る。
「雑魚のがマシだ。すぐそこにタイタンがいる。足止めには望月が残った。地上への階段はおそらく蝙蝠に爆破されて閉じ込められている。まずは民間人の安全を優先させて地上に繋がっている駅まで護衛だ」
丸金が体を捻って腕の中で暴れだす。
「死神の前に望月さんを一人で残すなんて、一人なんて駄目です! 私は、私は、ちゃんと一緒に戦うって、決めてるから!! お願いです、離、して、ください! 離、して、ください!」
「よーしよし。晋作君も戻ってきてくれたことだし、羽秋さんの所には戦闘要員の私が戻るよ」
仲前から「堂々と独断宣言してんじゃねえぞ!」のヤジが飛ぶ。布引は丸金と額を合わせて笑みを浮かべた。
「なんとかしてあげるから、泣かないで」
レンズ越しに丸アーモンド型の目と見つめ合い、丸金が少しずつ大人しくなる。
「なーんて言ってるのに」
加勢に向かうと宣言した布引の横を荒妻がすり抜けて階段に足をかける。片眉を上げて、困った様に布引は問いかける。
「晋作君は何処に行こうとしてるのかな?」
立ち止まって振り返った荒妻の表情は、暗闇と相まって少しも読みとれやしない。棒手裏剣が天井に向けられる仕草に釣られて、丸金は口を開いたまま刃先を追視する。
「モニタールームに入った時、無線が備え付けられているのを確認した。地下での襲撃を警戒している自衛隊員が設備の有無を知らないはずがない。にも関わらずタイタンが地下まで踏み込み、あまつさえ蝙蝠が出口を爆破したかもしれない程度の情報しか入っていない。見張りが機能しなかった証拠だ」
天井にヒビが入る。階段の前をタイタンが咆哮を上げながら走り抜けていった。下手をすれば、今にもタイタンは階段を飛び降りて生存者を叩き潰し始めるだろう。
視界が上階で「こっちだ!」と望月が叫びながら遠ざかっていく。
ホームの端では悲鳴が上がり、殺戮者が触手を生存者の腕に巻きつけながら姿を現わした。
「分析してる場合じゃねえんだよ! 呑気にお喋りタイムかまして民間人を殺す気か、てめえら!!」
荒妻は線路に視線を向けて言い放つ。
「あの程度の殺戮者なら退路の確保は布引さんで事足りる。スラムの連中が変貌しても仲前さんが対処すれば良い。地上を突破された理由が奇襲による全滅なら、脱出先でも蝙蝠は待ち構えているはずだ。俺は地上の不確定要素を潰しに行く」
「全滅?」
丸金の呆然とした呟きに、布引は慌てて丸金の頭を胸に押し付ける。
「いや、死神二体で手が回らなかっただけだと私は思うなあ!」
舌打ちをした仲前は、小銃を構えてホームに足を踏み入れようとした殺戮者の頭を撃ち抜いた。悲鳴に混じって集まってくる殺戮者の呻き声を聞きながら、仲前は静かに告げる。
「だったとしても通路は埋まってんだよ。希望的観測で大丈夫な方には賭けねえ。相手が蝙蝠なら俺はいつだって悪い方で予測を立てる」
「隙間があれば十分だ。通路が駄目でも望月さんの加勢につくなら無駄にはならない。上手く蝙蝠が片付けば増援も見込める。俺が戦う理由は一つしかない。マルの望みは死人を出さないこと」
荒妻は真っ直ぐに丸金を見下ろした。
「無理かどうかは俺が決める」
砂煙の巻き上がる階段の中に、荒妻は音も無く飛び込んだ。
仲前は大きく長い溜息を吐き出すと、ホームの生存者に言い放つ。
「助けてほしけりゃ耳かっぽじって聞きやがれ!! 上にいる殺戮者は不死身の化け物だ。ここが崩れる前に線路沿いに開通してる別の駅から脱出を図る。殺戮者を突破するまでは自衛隊が護衛してやる。従わねえ奴は勝手に死ね!」
乱暴だが、やり過ごす事を良しとするスラムの住人には危機感こそが助けとなる。仲前は足元にあるくたびれたダンボールハウスを蹴り上げて布引を睨みつけた。
「それで? 前から襲ってくる殺戮者を排除して道を切り開く役目をてめえがやらねえなら、代わりを務めるのは俺だ。何人かは見殺しにするしかねえし、ガキの安全は一切保証しねえが、良いんだな?」
苦笑して布引は肩をすくめる。
「これは、私が嘘つきになるしかない感じだね」
仲前の視線は丸金にも向けられる。
「お前はどうするんだ。気絶させられて荷物になるか、もたついてるビリッけつの地底人を追い立てる牧羊犬になるか」
仲前は片手の関節を鳴らしながら近づいてきた。
両腕に懐中電灯を縛りつけた布引は、ホームドアを飛び越えて殺戮者の前で不完全な刀を抜刀する。
「超特急で片付けるから、丸金も蓮君から離れず良い子でいてちょうだいな!」
暗闇に溶けている様な黒い影が膨れながら伸び上がる。交錯はしたのは一瞬のこと。走り抜けざまに一刀両断にした布引は、後ろから現れた複数の前に取って返して三振りで三体を刻む。
先陣を切って殺戮者を一掃する役目を布引が、しんがりに迫る殺戮者を仕留める役目を仲前が担う。
「時期にここは崩れるぞ! 殺戮者と仲良く生き埋めになりたくなきゃ、女の後に続け!!」
銃声で危機感を煽りながら線路に降りる階段から人を追い込んでいく。布引が進路を進むと、仲前はホームドアを乗り越えて逆方向から現れる殺戮者を撃ち殺していく。
恐怖に足がすくんで線路を降りない男の背中を押すと悲鳴を上げて振り返った。
「だ、大丈夫だから、早く、頑張ってください」
列車が走らなくなって久しい駅が一体の化け物によって振動している事態でも、そうそう覚悟など決まるはずもない。長らく地下で息を潜めていたであろう彼らからしても、殺戮者の蠢く線路の領域は未知の世界だ。恐怖と混乱の中で頼る相手は自衛隊を名乗る男女一組。
「早く!」
そこらの殺戮者なら圧倒してしまう布引の強さを知るわけではない。
「暗闇で隠れていればやり過ごせるかもしれない」
「化け物の巣穴に足を、無理だ、踏み入れるなんて、無理だ無理無理無理」
ざわめくホームで躊躇う人達は一人や二人ではない。急かしたところで動くわけもなく、さりとて丸金は人を動かすだけの雄弁さを持ち合わせない。
硬いものが衝突する振動。
聞こえてくる咆哮。
興奮すれば相手がなくとも暴れ回る死神だ。今も望月が無事とは限らない。荒妻はどうしているのか。地上はどうなっているのか。
情報の無さが丸金の不安を膨らませて涙が溢れる。
暗いトンネルで二柱の光が踊っては獣じみた断末魔が上がる。直後に明るい声が暗闇の奥から朗々と響いた。
「苦労する程の数はいないなあ。これなら倍に増えたって討ち漏らすこともなさそうだ。私の後ろは安全だから、どんどん来ちゃってー」
恐怖とは程遠い呑気で力強い声に、縋るものを探す人達は顔を上げた。
「さあ、私は強いぞ、真っ二つだ!」
布引の戦い方は常に敵ではなく護る相手を見ている。安心を与えて笑顔で強さを信じさせる。
苦しそうに胸を押さえて震える足で一人が線路に降りていく。先頭が出来れば人は釣られて後に続き、流れが出来れば群れは動く。
丸金は強張っていた肩から力を抜いて、最後尾につくべく周囲に光を振って人を見渡す。そこで一人の老女がしゃがみ込んだのを見つけ、慌てて駆けつける。
「怪我、してるんですか? ど、どうすれば」
「ひああああっ!?」
振り払われて尻を強かに床に打ち付ける。
「あうっ!?」
老女は持っている瓶を振り回して丸金を睨みつけながら奇声を上げながら拒絶した。血走った目と恐怖に歪む顔に震えながら光を向ける。変貌の片鱗はどこにも見られず、聞き取れる単語はあくまで人間の言葉だ。
仲前が声を張り上げる。
「守られる気が無い奴は放っておけ! 線路でオロオロ足踏みしてる連中を急がせろ!」
「でででで、でも」
「桐島にやったみたいな正義気取りの押し付けかますなよ。生き方が選べねえご時世でもなあ、死に方だけは万人に与えられた最後の自由なんだよ!」
立ち上がって敵意を向ける老女を見下ろす。仲前と交互に見比べ、唇を噛んで「ご、ごめんなさい」と言葉を残して線路へ駆け出す。
線路へ降りても動けなくなる人がちらほらしていた。足が震えるのか、地下生活での筋力低下か、つまずきながら遅れがちな人もいる。役目をまっとうすべく丸金は恐る恐る服を引っ張り「進んでください」と走り回る。迷っているだけなら追い立てれば進んでくれた。
そうこうして人を奥に追いやっていくと、最後尾には足を引きずっている腰の曲がった背の低い人影が残る。歩いてはいるが前との距離が少しずつ開いていく。長い裾を引きずりながら頭を前後に揺らす姿は安定していない。
「ああ、苦しい。背負ってくれ。恐ろしくて足が絡まるんだ。背負ってくれ」
助けが必要だろうかと近づきながら、踏んでしまえば転びかねない、やたらと長い裾を見下ろした。動きを妨げているのは恐怖よりも裾ではないかと思いながら。
光を当てた長い裾はジーンズの生地だった。子供が無理やり大人用を履いて歩いているようでいて、胴体が大人の体格をしていた。足を失っているだけなら珍しくはないが、違和感の中で無意識に引き摺られている裾の先に光を向けた。
そこにあったのは運動靴だ。
ズボンに足を通して靴を履いているなら何もおかしくはないが、裾には布の厚みしかなく、歩く足元から靴までの距離はゆうに一mを越えていた。膝歩きであっても歪過ぎる。左右の靴はズボンに繋がっているように離れず、地面を跳ねると裾が捻り関節が存在していないようだった。
衣擦れの音を聞きながら丸金は立ち止まってしまった。
「ああ……背負ってくれ」
誰もかれもが不幸に夢中で、訴えは誰の耳にも届いていそうもない。あの鈍足では誰に追いつくこともないだろう。
丸金はその場でクルクルと行動に迷い、随分離れた距離にいる仲前の所まで駆け戻る。
「あの、あの、仲前さん」
壁際で片膝をついて作業をしていた仲前は、立ち上がって反対側の壁に走っていく。背中を追いかけながら来た道に光を向ければ駅のホームがここから見えていた。こちらでも作業をする仲前の手元を覗けば、四角い板上の物と繋がったコードに細工をしているらしかった。
「何の用だ」
「あの、子泣き爺っぽい人がいたので」
「グズグズ喋るな、端的に言え。変貌者か」
「た、多分。でも動きが遅いから近づかなかったら無害っぽくて」
「民間人を混乱させるのは悪手だ。作業が済めば俺が始末する。グズ丸はそいつを監視してろ」
「え、で、でも、しゃ、喋ってたから途中で変貌が止まってるかも」
「でもが多い! 絶望は感染する。変貌者が一匹出るだけで何人連鎖で人間辞めるか解ってんのか。下手すりゃ全員地下鉄の地底人に仲間入りだ。口答えすんなよ。いい加減にブチ切れそうだ」
一歩身を引いて言葉を詰まらせる。仲前の言う事は望月と方向性こそ違うが大体がごもっともなのだ。それに子供の感情がついていかないだけで。
丸金が言いつけ通り行動を起こす前に仲前の方が作業を終えて立ち上がる。残されているのは見た事のない謎の仕掛けだ。壁の反対側にも同じ物がある。子泣き爺に気をとられていたが、酷くこの仕掛けが気になった。多くの生存者を生かすべく、せっかく見つけた死神を前に迷わず撤退を決めた男だ。
そんな仲前が足を止めてまでコレを残そうとしていく理由はなんなのか。
「それ、何ですか?」
「C4」
「……しいふぉ」
「講義する気はねえよ。監視も牧羊犬もやる気がねえなら、せめて自分のアンヨでついてこい」
弾倉を詰め替えて仲前が丸金の手をつかんで歩きだす。歩幅の違いで駆け足になりながら丸金は違和感を強くした。
後ろからホームに残っていた老女が泣き叫びながら空気を泳ぐ様に手をかいて走り抜けていった。
丸金は下を向き、唇を噛んで老女の背中に光を当てた。
「お、お婆ちゃん、落ち着かせないと、みんなパニックになるんじゃないですか。私、ちゃんと、自分で走れるので」
仲前の手が離される。
「転ぶんじゃねえぞ」
長い大人の足が老女の背中を追いかける。足の遅い丸金はそれを全力で追いかけた。
最後尾にいる足腰の弱った生存者達の悲壮な声に耳をすませ、鍛え上げられた大きな背中を見上げながら、丸金は懐から罫線が印刷された短冊切りの紙切れを出して両手に持った。
紙の端へ静かに青白い火が灯る。手を離せば紙を燃やし尽くしながら暗い炎が前方に飛んで、薄暗がりで大きく膨れ上がって小さな人の形へと収束した。この暗がりでは、少女の人影と見間違えてしまいかねない産物だった。
仲前に付き従うように走る小さな人影を見て、丸金は静かに立ち止まった。ざわめきの中で足音が入れ替わったことに彼は気づかないまま線路の奥へと離れていく。
見送ったのはほんの一時。丸金は、踵を返して脱兎の如く駅へと逆走した。
地下に入る前に仲前は問題があれば階段を爆破すると言った。
タイタンは殺す手立てのない不死身の化け物だ。追いつかれ交戦する事にでもなれば、大勢の生存者を危険に晒してしまう。そして、逃げ惑う生存者の中で絶望は満遍なく伝染して、地下には殺戮者の群れだけが残るだろう。
仲前は公平な情報提供者ではない。望月と荒妻ごとタイタンを地下に閉じ込めるつもりだとは明確に宣言しない。
あれは、爆弾だ。
推測通り地下鉄の入口が爆破されていて、逃走とは逆方向の駅も封鎖されていたとしたら、望月と荒妻はタイタンを前に逃げ場を失ってしまう。




