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境界線上のリコリス  作者: 逆さま兎
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somnambulist

無意識なのか、酔っているのか、病気なのか、

私は目を覚まさなければならない。

私は目を覚まさなければならない。

硝子の街を歩いている。観光都市だ。何処もかしこも水晶で出来ているみたいだった。桜の木が色付きの水晶で出来ていることには驚いた。特に、枝垂れ桜の花弁が光を反射して、キラリと輝く様が好きだった。私が目で見て知っているそれとはまた違った魅力だと思ったのだった。この街の名物でもあった。無色透明、僅かに有色。平均気温10度のやや寒い街。濁りのない建造物と道路、植物や虫の数々。そして誰も住んでいないのは、此処の空気は殆どがガスだったから。赤字で街の入り口にそのことへの注意を勧告する掲示板があったような気もする。私もそのガスを吸い込んで、今、苦し紛れに嘘を吐いている。メガホンを持って、硝子の街中に声が響いている。この毒ガスは如何して発生してしまったのか。この街はどうやって造られているんだろう。歴史の絶えた街よ。全てを嘘に返した街よ。

私は目を覚まさなければならない。

私は目を覚まさなければならない。

私はその日から、嘘で出来たケーキを食べます。マカロンが食べたい日もあります。嘘で全てを着飾っています。建前という嘘、本音という嘘、嘘みたいに美味しい食事をしています。林檎飴の嘘、リコリスの嘘、嘘、負け惜しみの今日もただの嘘です。何かのパロディを繰り返して楽しんでいます。胸があるのに、その内側は空っぽです。片足でクルクル回って死にたい。アラベスクのポーズをとるには筋力が足りなくて諦めている。舞台上の光は熱すぎるて、水分は何処にだってない。

私は目を覚まさなければならない。

私は目を覚まさなければ…


somnambulist=夢遊病

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