春の襲撃編 リスタート
■■■
「どうして?」
「何が?」
入学式当日。
蒼翔は緋里に問い詰められていた。
それはそうだ。先月まで全国全学年1位だった男が定員100名中50位と、体調が悪かったんではないかと思う程低い順位だった。
その理由を問い詰めようとしている彼女に対しそれを察した彼は。
「……これは国からの命令だ」
「あっそ!ふーんだ」
「な、なんで拗ねてるんだ……」
彼女は口を膨らませてそっぽを向いてしまった。
■■■
入学式直前、某ヤンキー達に絡まれ瞬殺した蒼翔。
そのヤンキー達のリーダーが松田家のご子息松田光喜だったことに驚いたが、入学式が始まり姉の緋里の挨拶が始まった時には既に忘れていた。
そしてその日学校が終わったあと、生徒会室に来るように言われていた為そちらに向かう。
「──刈星蒼翔君、刈星緋里さん──明日私達生徒会役員全員と、模擬戦をしてくれないかしら?」
出会って数分、彼女達に挑戦状を叩き付けられた。
理由は双子が揃って不正をしていたんじゃないか、ということ。
確かに《与えられし名》以外が全国全学年1位と3位なんてありえるわけが無い。
その不正を暴くために模擬戦をするのであろう。
めんどくさいな、と思いながらもそれを承諾して家に帰る。
■■■
何事も無く家に着き、ニュースを見ながらくつろいでいたところにインターホンが鳴る。
現れたのは当学校の保健師犬界ミイナだった。
要件はただのストーカーであった。学校から尾行して来て家をつきとめ、我慢できなくなってインターホンを押したとのこと。ちなみにストーカー理由は、双子同士で不純性行為をしているのではないか、と興味を持っただけだそうだ。
その後警察を呼んでお帰り願った。
■■■
翌日。挑戦状を受け生徒会と模擬戦をした。
蒼翔1人で生徒会全員に勝った。
■■■
その帰り道。突如として現れた因縁の相手《消える暗殺者》と対決。倒し損ね、最愛の姉緋里と何故か犬界ミイナを拉致された。
「く、くっ、くっそおおおおおおおおおおお!!!」
理性を失い情緒不安定になった蒼翔は、辺り一帯を焼け野原にしてしまった。
死傷者約1万人。
遼光達が駆けつけ、なんとか落ち着き元へと戻った蒼翔は途方に暮れていた。
そんな中彼の元に1人の人物が訪れた。
その者は天童光優と名乗った。
彼は遼光の古い友人と言い、《消える暗殺者》の打倒と緋里達の救出を手伝うと言った。
その後防衛省の中村大臣から《消える暗殺者》の居場所を教えて貰い、急遽参加した包帯グルグル巻きの光喜と共に3人で向かうことにした。
色々あったが《消える暗殺者》の元へ辿り着けた。
「やぁ蒼翔。よく来たね」
「貴様を殺すために来た。さぁ緋里を返してもらおうか」
「へぇー?犬界ミイナの方はいいのかな」
「別に構わん」
「いいのか兄貴!?」
「まぁその緋里ちゃんって子はもう死んじゃってるけどね」
「なっ──!?」
蒼翔の瞳には山積みになったぐちゃぐちゃの肉がうつっていた。
直感でわかる。これは緋里だ──
彼は殺したのだ。
緋里を。
大切な姉を。
家族をまた──
「き、き、き──」
「蒼翔殿落ち着いて!」
「兄貴気持ちはわかるが落ち着け!」
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
瞬間、蒼翔から光が発せられると共に暴風が辺りを襲う。
「キタキタキタキタキタ!これぞ僕の望んだ覚醒する蒼翔!ちょっと色々すっ飛ばして、僕の楽しむ時間があまりなかったけど、まぁいいとしよう!この世界をどれだけ弄り、巻き戻してきたことか……あぁ!蒼翔!さぁ!蒼翔!真の覚醒をしたまえ──!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁァァァァ!」
──蒼翔。
直後彼の脳内に響く女の声。それと同時に我に返る。この声の力だろうか。
──落ち着いて蒼翔。
──これは別世界。
(何を言って──)
──私があの人の元へ連れていく。
──だから落ち着いて。
世界が光に包まれた──




