クリスマス特別編~在りし日の記憶~
うおおおぉぉぉ!受験勉強が!忙しすぎるッ!
どうも、変人作者こと、初雪です。
今回の作品は多分鬱展開です。
一応扱いは特別編ですが・・・まったくもって本編と関係ないわけではありません!
視点は花音ちゃんオンリーです。
まあ、半分ノリで作ったものなので、そこそこ楽しんでいただければ幸いですね!
町はネオンに彩られ、行きかう人々は皆、隣り合う人と笑いあう。
降り積もる雪も、鮮やかなツリーも、今の私には、灰色に見える。
お兄ちゃんのいなくなった今、私は何を生きる意味とするのだろう。
「あのビルから飛び降りたら、楽に死ねるのかなあ。」
視界に入ったビルを見て、ふと呟く。
(そういえば、あのビル・・・)
何の気なしに考えていたが、そのビルには大切な思い出があった。
それは大切な人を失ってしまう前の、極彩色に彩られた記憶だった。
「お~い、花音、こっちだ、こっち。」
人ごみの中で大手を振り、こちらに声をかける兄、天地海人。
「海人兄ぃ~。」
人ごみから抜け出し、自分の、私の唯一の居場所である人に思いきり抱き着く。
「んぅ~、海人兄の匂い~。」
いとしい人の香りを胸いっぱいに吸い込む。
「おいおい、花音、なんか言ってることが変態みたいだぞ。」
「いいの、海人兄だからいいの。」
「訳が分からんぞ。」
私も自分で何を言ってるのかわからない、でもそんなのは関係ない、ただ、海人兄と一緒に居られることがうれしかった。
「じゃあ行くか。」
「うん!」
今日は一年に一度の楽しみ。
毎年恒例になったクリスマスのお出かけ。
海人兄と一緒に散歩して、買い物して、晩御飯を外で食べる。
いつもはあんまり一緒に居られない、だから一年に一度のこの日はとても楽しみだった。
なのに・・・
「テメエらぁ、死にたくなかったら手ぇ上げて俺らの言うこと聴きやがれぇ!」
酷くしわがれた聞くに堪えないガラガラ声。
この日をとても楽しみにしていた私には、二重の意味で耐えられなかった。
「な、なんなんだ、こいつら・・・」
「ちょっと、触らないでよッ!」
突然のことに、あたりから戸惑いの声が上がる。
「海人兄、大丈夫、だよね?」
「ああ、大丈夫・・・だよ、勿論。」
海人兄は少し口ごもり、何かを隠すように取り繕う。
海人兄が何を思ってるかはわかってる。
海人兄も不安なんだ。
きっと、海人兄だけだったら、何の問題もないだろう、でも今は私がいる。
足手まといの私が。
そう思ったから、私はこういった。
「海人兄、あのね・・・」
気が付けば、私は泣いていた。
大勢の人でごった返す街中で。
海人兄と過ごした日々はもう、二度と帰ってはこない。
そんなことを考えているうちに、また一つ、昔のことを思い出す。
『この世界は、残酷だから美しいのか。美しいから、残酷なのか。と。』
今あらためて考えてみれば、くだらなさすぎる。
この世界に、美しさなどない。
ただただ、ひたすらに、残酷なだけなのだと。
医者の話によれば、海人兄は、死んではいない。
ドラマなどで良くある、『植物状態』らしい。
所謂、生きた屍に、海人兄はなったのだ。
考え事をしているうちに、私の足は、自然とビルの屋上へと向かっていた。
眼下に広がる街並みを眺めながら、そっとつぶやく。
「ごめんね、海人兄ぃ・・・」
こうして、一人の少女の人生が、幕を閉じた。
どうだったでしょうか。
わけがわからん!なんてコメントくだされば直させていただきます!
にしても死んじゃいましたね。花音ちゃん。
まあ今後も出てく・・・ゲフンゲフン、カイソウトカデデルカモネ~(棒)
まだまだ本編は続く予定なのでよろしくでェーす。