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人生楽しく異世界転生  作者: 初雪
第二章三年前へ
12/15

蒼黒のスキル

すいません、毎回投稿遅くてすみません。←(そう思うんだったらとっとと作品仕上げろ、馬鹿作者!)

今回でようやく12話目です、余計なこと書きすぎて、全然学園編にたどり着けない。orz

クストレ国~とある古城~


「俺の名前はルシウス・アンタレス。あなた達を俺の国で保護したい。」

そういって俺は、纏っていた闘気を解除する。

あたりに蒼色のオーラが霧散し、俺の黒髪が僅かな風に弄ばれる。

「ッ!君のその髪は。」

女騎士がそういって驚いたような表情を、俺に向ける。

「俺のこの髪が、何よりも俺がルシウス・アンタレスだという証拠になる筈だ。」

少し間があき、女騎士が急に膝をつき、焦り始める。

「も、申し訳ありません!貴方がクストレ国、第二皇子ルシウス様であるとはつゆ知らず・・・はっ!申し遅れました、私はエルダス公国、第六皇女ミネルバ様の護衛騎士を務めております、エルダーと申しましてからに・・・」

俺のカミングアウトにあたふたしながら自己紹介をするエルダーさん。

Oh!なんか、色々と残念な人だな。

「まあまあ、落ち着いて。ほら、深呼吸。吸って~、吐いて~。」

声に合わせ深呼吸をし、少し落ち着いた様子のエルダーさん。

「それでですね、俺の国で保護するって言った件についてですね・・・」

「それは困ります!」

俺の言葉を中で遮り、大声で叫ぶ。

「私達エルダス公国は今、クストレ王国と敵対しています。ルシウス様のことを信用していないわけではありませんが、その。」

口ごもるエルダーさん。

にしても困った、ただでさえもう今は夜だ、()()()()どうにかできるけど・・・

『なら私の力を使えばいいではないか、主よ。』

おお、そうだ、お前の力が・・・・・・ゑ?

『どうした主?何か問題があるのか?」

いや、問題とかそんなんじゃなくてお前・・・・・・

『ああ、紹介が遅れたな、私の名は蒼黒、先ほど主に拾われたものだ。』

いやまあ、お前の名前とかじゃなくて・・・・・・

『ぬ?何が問題だ?」

ソコだよ!お前なんでしゃべってんだよ。

『違うぞ主よ、これは会話ではなく、念話であってだな―』

関係ねーよ!

突然しゃべりだした蒼黒を名乗る刀と念話?で会話していると、心配したようにエルダーさんが問いかけてくる。

「あの、ルシウス様?どうかしましたか?」

「えひっ?い、いや、何でもないですよッ!」

しまった、あからさまにテンパってる!

『主よ、テンパりすぎだぞ。どこのドジッ娘ヒロインだ。』

やかましい、この阿呆が――!

兎に角、一時離脱を図らなくては!

「あ、そうだ!すいませんエルダーさん。ちょっとおなかの調子が悪くて。」

「そうなんですか?すみません気が付かなくて、どうぞ、お手洗いに。」

「・・・・・・ハイ。」

この時の俺の背中にはこの上ない哀愁が漂っていたはずだ。




クストレ国~とある森の中~






「で?お前はなんなんだ?」

『それはさっき説明したではないか、私の名前は―」

「いや、ソコじゃねえから」

エルダーさん達から離れ言葉を使う俺。

・・・なんか、これ傍から見たら俺完璧独り言言ってる変人じゃ。

『大丈夫だ主、私は主のことを理解しているぞ。』

「うるせえよ!もとはといえばお前が原因だよ!もうお前なんなんだよホント!」

多少キレ気味に問い詰めると、ようやく俺の欲しい答えが返ってきた。

『そうだな、ならば改めて自己紹介しようか、私の名は蒼黒。約百年前に活躍していた≪勇者≫によって作られた。』




俺の欲しい答えが返ってきてから、しばらく蒼黒から話を聞いていた。

まあお決まりの要約がこれだ。

・蒼黒を作ったのは先代勇者。

・蒼黒と会話できたのは作った勇者以外俺が初めてらしい。

まあこんな感じで。

「で?お前の力ってなんだ?」

『ああ、そのことなんだが。主よ、エリナのところへ行ってくれ。』

蒼黒にそう言われてはっとした。

「わ、忘れてたぁ~~!」

『ひどい話だ』

やかましいわ!

そこで俺はふと違和感を覚える。

「そういや俺、お前にエリナのこと言ったか?」

『いや言ってないが。私は所有者の記憶をある程度探れるのだ、まあ見られたくない記憶があるんだったら、自分でブロックができるが』

・・・なんか、こいつ色々とハイスペックすぎるような気が。





クストレ国~とある古城~




「ルシウス様、その子はいったい?」

連れてきたエリナを見て、エルダーさんが聞いてくる。

「こいつはエリナって言うんです、今日森で知り合ったんですけど、自分の主人とはぐれらしいです。」

「そうなの!私はルシウスの()()なの!」

若干ニュアンスに違和感を覚えるとこがあったがまあ…大丈夫だ、問題ない。

「な、な。ルシウス様は違うと思っていたのに、残念だ。」

戸惑いの表情から、まるで穢れたものを見るような目で俺を見るエルダーさん。

「え、なんですか?」

なんだろう、ものすごく勘違いされているような・・・

いや、こんな場合は気にしたら負けだ。

「で?蒼黒、お前の力ってなんだ。」

気を取り直して蒼黒に問いかける。

そんな俺を、エリナとかエルダーさんが、心配そうな目で見てくる。

そりゃそうだ、傍から見れば俺は独り言を言ってるただの変質者。

ヤバい、なんか、心折れそう。

『大丈夫だ主、私との念話は主以外でも可能だからな。』

「先にそれ言えよ!!」

思わず叫んでしまった俺を見て、たまらずエリナが声をかける。

「ど、どうしたのルーシィ!?」

だがその言葉には答えず、蒼黒の念話をエルダーさんとエリナにもできるようにする。

「あ~あ、どうすんだ蒼黒、お前のせいで、みんなから寂しい奴を見る目で見られた。」

『まあいいではないか。』

蒼黒が念話でそう発した瞬間、二人の視線が俺の腰元にある、蒼黒に向けられる。

「ルーシィ、そんなの持ってた?てかそれ以前にそれ、しゃべ?え?」

訳がわからず戸惑うエリナ。

「ルシウス様、その刀はいったい?」

冷静さを保とうとする努力が見られるものの、口元をひくひくさせ、変な汗をかいているエルダーさん。

ここは、そうだな。いい感じに場がカオスになってきたところで。

秘!奥義!

≪閑話休題≫







てなわけで。

色々と二人に説明したので。

「改めて、お前の力ってなんだ?蒼黒?」

一つ咳払いをし、話題をきりだす。

『ああ、そのことなんだがな、ちょっとエリナに私を握らせてみてくれ。』

「?わかった。エリナ、ほら。」

蒼黒の片方をエリナに手渡す。

「で?どうしたらいいの、蒼黒ちゃん。」

蒼黒のつかを握ったまま、首をかしげるエリナ。

ってか蒼黒ちゃんってなんだよ。

『このまま少し待ってくれ。』

しばらくすると、淡い蒼色の光が、蒼黒を包み込む。

「なんだこりゃ。」

「わわっ。」

「これは、いったい?」

俺もエリナもエルダーさんも、突然の出来事に驚きを隠せない。

『よし、もういいぞ、すまなかったな。』

蒼黒の言葉に、エリナは刀を俺に返す。

『主よ、私に鑑定をかけてみてくれ。』

「おう。でもなんでだ?」

『いいからいいから。』

なんか適当にあしらわれた気もするが、まあ人助けのためだしいいか。と、自分に言い聞かせる。

≪鑑定≫



蒼黒


age:105

lv:9


武器種類:刀(日本刀)


スキル

技能吸収(スキル・ドレイン)喰殺(しょくさつ)、切れ味上昇


称号

聖遺物、古の鋼黒神金(黒オリハルコン)



・・・すごい、反応に困る、ステータスだ…。

よくマンガとかで突っ込みどころが多すぎて突っ込めない、とか言ってるの見て、あきらめんなよ!とか言ってたけど・・・

よし、ここはあえて。

「スルーの方向で。」

こんな感じにキリッとした顔で言えば、許してもら・・・

「なんで、何がどうなってたの?」

「私、気になります!」

『主よ、ここはきっちりと突っ込んでほしかったぞ。』

・・・えなーい!

ですよネー、なんかもうあいつらの突込みにキレが出てきたよ。

「ああ、もうわかったよ、説明すればいいんだろ。」

本当にメンド・・・ゲフンゲフン、ややこし・・・ゲフンゲフン、突込みが大変だな。

「「『逆切れだな』」」

返す言葉もございません。

まあ閑話休題して・・・



『で、赫赫云々で、ここがこうで、どうたらこうたらで・・・』

「「「ふんふん」」」

『なんチャラかんチャラで、こういうわけなのだ。』

「「「な~るほど」」」

二人と、一振りからの精神攻撃を華麗に避けた後、きっと俺よりも上手に説明してくれるであろう蒼黒にバトンタッチし、説明を受けていた。

「ってことは、今蒼黒は自分のスキルである技能吸収(スキル・ドレイン)を使って、エリナのスキルを一時的に借りている状態だと、そういうことか?」

『ああ、そういうことだ。』

「一時的ってことは私のスキルはきちんと帰ってくるの?」

『もちろんだ。』

「黒神金・・・聞いたこともない名前の金属だ。」

とまあ、こんな感じに、ひとしきりの確認が終わり、いざ本題に。

「で?今日何回も聞いてるけど、俺はどうすればいいんだ?」

『主の仕事は簡単だ、私に闘気を流してくれ。」

確かに俺は簡単だな。

「わかった。」

少し前までは結構苦労していた、物体にのみ闘気を纏わせる。

物体纏闘(ぶったいてんとう)、今では何の苦労もなくできるんだが。

それを蒼黒に施すと、蒼黒の刀身に、蒼のラインが走り、漆黒の刀身と相まって、非常に美しいものになる。

それを見たエルダーさんが、驚きの声を上げる。

「なっ!それは物体纏闘、そんなものまで使えるのか・・・」

まあ苦労したからね。

「ここからどうすんだ?」

『なに、そう気張ることはないぞ、主よ。何せエリナのスキルはとても上等なものだったからな、このままその姫様を切ればいい。』

「なるほど、それは単純明快だな、じゃあさっそく・・・ってできるか!」

一瞬どころか普通に疑ってしまう、コイツ(蒼黒)、頭がおかしいんじゃないかと。

「どうしたんですか、ルシウス様?何か問題が・・・」

心配そうな顔をして近寄ってくるエルダーさんに事の顛末を話す。

すると、エルダーさんはさっき意識を取り戻した、もう一人の騎士の方に行き、何かを相談しこちらに帰ってきた。

「いいです、その刀の言うとおりに、姫を切ってあげてください。」

「は?」

怒ってその刀をこちらに渡してくださいとか言い出すのかと思いきや、肯定され、戸惑ってしまう。

「どのみち、ゴブリンに犯されたものはたちどころに、奴らの子を孕んでしまいます、そのことで苦しむ姫など見ていられません。」

真剣そのものの表情に、俺はみっともなくたじろぐ。

(な~んで今日はこんなにも俺の苦手なことが起きるのかねえ。全く。)

溜息を一つ吐き、名前も知らない姫様と向き合う。

本当に切っていいんだろうな、蒼黒。

『もちろんだ、主。』

(これで失敗したら恨むぜ、ああクソ、男は度胸!)

ゴブリンなどは、殺されても仕方がないことをした。

そんな認識を持っていたからこそ、何の気兼ねもなく、先ほどの惨殺を行っていたわけだが、今回は違う。

(この姫様は何もしてねーかもしんねーのにな)

そう思ってしまうが故に、迷いが生じていた。

自分自身を勇気づけ、蒼黒を振るう。

振るわれた刀身は、確実に少女の柔らかな肉を切り裂く軌道を描いていた。

しかし、ルシウスの手には、その感覚は伝わることはなく、もっと別の何かを切り裂いていた。

そのナニカを切り裂くと、少女の体を暖かな光が包み込む。

「お、おお。おい蒼黒、これ成功なのか?」

『大丈夫だ、すぐにわかる。』

なんでそんなもったいぶるんだろうか。

やがて光が収まると、落ち着いた印象を持たせる華やかなドレスに身を包んだ少女がそこにいた。

「成功、だよな?」

『ああ、もちろんだ。』

「だってさ、よかったですね、エルダー・・・さん?」

ふとエルダーさんの方を見ると、なぜか号泣していた。

「ヒっ、グっ、グス、よがった、ひべが、もどに戻ってよがったよぉ~。」

姫さんが元に戻ったのがよほどうれしかったのか、折角の端正な顔を盛大にゆがめて泣いている。

(ふう、まあしょうがねえよな。)

こころの中でそう呟き、エリナに声をかける。

「エリナ、ちょっとついてきてくれるか。」

「うん、わかった。」

そういって二人で古城の中に戻っていく。

「で?どこ行くの。」

「ああ、この城の最下層にな、まだいるんだよ。」

その言葉に顔を引きつらせるエリナ。

「ああ違う違う、ゴブリンじゃなくて人だよ。ゴブリンどもに連れてこられた女性たちだよ。」

「あ・・・」

なにかに気が付いたように声を漏らすエリナ。

「さすがにそんなところ俺が見るのはな・・・ちょっと、厳しいもんがあるだろ。」

そういって俺は力なく笑う。

「そうだね、じゃあ行こっか。」

俺の手を引きながら、エリナは古城の奥へと進んでいった。

その後見つかったのは5人の女性で、その全員が気絶していた。

「いくぞ、蒼黒。」

『了解した。』

一度成功すれば、もう躊躇う必要はない。

一気に5人の体から、ゴブリンに犯されたという事象そのものを()()()

『主よ、今夜は野営をしていった方がいい。』

「それは無理だろ、俺が一日帰らなかったら周りがどんな反応すると思ってんだ。」

あまりにも無謀な提案に、否定するしかない。

『大丈夫だ、主よ。今少女たちにしたように、゛一日が過ぎた゛という事実を喰らってしまえばいい。』

「なるほど、頭いいな、おまえ。」

まったくもって気が付かなかった事実に、少し驚くルシウス。

「そうと決まれば野営の準備だな。」





クストレ国~とある森~




赤々と燃える火を囲み、数人の男女が笑い合っている。

「にしても驚きっす、ルシウス様ってまだ10歳っすよね、いやー信じらんないっすわ―。」

ついさっきから体育会系のノリで話しかけてきてるのは、姫様の護衛騎士のガウストだ。

「10歳でゴブリンの巣を壊滅させるとか、これ今クストレ王国に宣戦布告なんてしたら、余裕でエルダス滅ぶんじゃないっすか。」

「まったくだな。」

和気藹々と怖い話をしているけど気にしない。

「で?明日どうするんですか、みなさん。」

なんかこの人たちと絡んでたら、絶対に本題に入れない。

「そうっすね、どうしまっしょか、エルダーさん?」

「そうだな、ここはやはり・・・」

開始早々、行き詰る。

「いいじゃないですか、クストレによっていったら。」

「いや、そういうわけにも・・・」

口ごもるエルダーさん。

「大丈夫ですよ、あなた達を人質にしようなんて考えてないですし、そもそもそうしようって考えてたら、助けないでしょう。」

「うむむ、しかしですね・・・」

「それに野営じゃ疲れも取れませんし、一度俺の国でしっかりと休んでいった方がいいですよ。」

その言葉にとうとう折れるエルダーさん。

「・・・そう、ですね。ならそうしましょう。」

「じゃあ明日に向けて、今日はもう休みましょうか。」

「そうっすね。」

こうして、新たな出会い。

衝撃の出来事のあった一日は幕を閉じた。






最後まで読んでくださってありがとうございますです。

えーとですね、前回も載せてたんですが・・・

是非!是非とも!!

登場人物の名前で、今なのだしてくれってのがあったら、よろしくです。

能力、性格等の特徴などもあればよろしくです。

まだまだ続く予定なので、楽しんでいただければ幸いです。

目標は、目指せ100話!

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