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2やること極端じゃ


 それからもフェリオ様の姿を一目でも見たくて待ち伏せしてこっそり姿を見た。

 (ああ…今日も素敵なお姿。フェリオ様って剣術もすごいって聞いたけど…今度の剣術大会にも出るのかな?

 そう言えば剣と言えばうちの領地で取れる鉱石で作る剣は最高ランクだってお父様がおっしゃってたわ。フェリオ様に素晴らしい剣を送ったら少しは私に振り向いてくれるかな…)

 この熾烈な戦いの中で何とか目立つため、いや、気に入られるためにはどうすればいいか。

 フェリオ様の虜になったシルベスタの脳内にあるのはそんな事ばかりで。


 「シルベスタ元気ないわね。どうしたの?」

 クリスタは最近食欲のないシルベスタを心配する。

 「クリスタ。シルベスタは恋の病なんだから…でもねぇ…フェリオはやめた方がいいと思うわ。あの人女の子から騒がれるからっていい気になる過ぎなのよ」

 リオナがクリスタにそう言いながら「そう言えば今度の剣術大会にはレックスも出るのよ」

 「あら、アルナンドも出るわよ。彼、結構剣には自信があるみたい」

 「アルナンドもすごいかも知れないけどレックスにはかなわないわよ。だって彼、アルナンドの護衛もしてるんだもの」

 ちなみにアルナンドはこの国の第2王子でクリスタの婚約者だ。レックス公爵令息はリオナの婚約者だ。

 シルベスタが気軽に付き合える相手ではないが、そんな事を気にするようなふたりではなかった。

 シルベスタはふたりに相談する機会を失った。例え相談したとしてもきっと反対されるだろうと思った。


 数日後の放課後。体育館で男子生徒が剣術の練習をしていた。

 もうすぐ大会があると言う事で度の生徒も気合が入っているらしい。

 練習は曜日ごとに学年が決まっており、女子生徒は出入り禁止だったため馬車どまりにはフェリオ様待ちの女生徒がたくさんいた。

 シルベスタも彼を一目見ようと意気込んでいた。

 汗で少し濡れた髪で制服のボタンを外し更にシャツのボタンもいくつか外したフェリオ様。胸元が見えて色香さえ漂って来そうなその様に女生徒が熱狂した。

 


 数日後の休日。シルベスタはこっそり宅配人の服を着てマーカス邸を訪れた。

 シルベスタは今は王都のタウンハウスに住んでいてマーカス邸とはあまり距離が離れていなかった。

 「ピンポ~ン」

 使用人が出る。

 「フェリオ令息様にお届け物です」

 「はい、ご苦労様」

 「失礼します」

 シルベスタはガッツポーズした。

 彼に短剣を送った。最初は長剣を送ろうと思っていたがそれはあまりにも図々しいのではと思った。長剣を送るのはかなり親しい間柄だとされている。

 だから友人でもないただの顔見知り程度の自分が遅れるのは短剣までだと判断した。

 それでも短剣は最高級の鋼で出来ていてグリップの部分にはフェリオ様と同じ瞳の色のエメラルドがはめ込んである。

 どうしてシルベスタがこのような剣を手に入れることが出来たのかと言えば、彼女の領地で剣を作っているからだ。

 彼女の領地では様々は鉱石が取れるし宝石が出る鉱山もある。

 シルベスタが一言頼めばすぐに品物が届くと言う運送業も経営しているので何でも手に入るのだ。

 ちなみに今まで何回か有名菓子店のお菓子や最高級茶葉、フルーツなどもお取り寄せしてマーカス侯爵家にお届けもしていた。

 短剣は直接送ろうかとも思ったが、万が一にもフェリオ様に会えるかもしれないと期待してしまったのだ。

 もし侯爵邸にフェリオ様がいたら直接手渡しが出来るかもと‥いや、宅配人の姿でどうすることも出来ないのだが…


 まったくフェリオ様の事となるとシルベスタはポンコツだった。

 それにシルベスタの家は大金持ちだったので金銭感覚が他の同年代の子たちとずれていたし、伯爵家と言う家柄のせいで両親がやたら格上の貴族に贈り物をするのを見知っていたことで贈り物をすれば仲良くなれるという思っている所があった。






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