幕間 ~女神のお仕事~ その1
世界の狭間。
見上げれば、どこまでも続く青い空。一つの世界に繋がっている。
見下ろしても、どこまでも続く青い空。もう一つの世界に繋がっている。
その間の、水面のような場所。
通常世界と異世界テラスペラズを繋ぐこの地で、女神セイクリッド・チカは。
「……『第一の試練』はクリアしたようですね。これにより基礎を習得したみたいで……何よりでございます」
オフィスのような空間を生成し、持ち場のデスクでカタカタとパソコンに打ち込み。
もちろん格好はスーツ姿。豊かに膨らんだ双丘はワイシャツからはじけそうだ。ストッキングで明瞭になったしなやかな美脚は実に艶めかしい。
「次は勇者たちと上手くやっていけるかどうか……まぁ、彼女の人格なら問題ないでしょう」
コーヒーを一口、啜る。唇から漏れる吐息はどこまでも大人びている。
「さて、チェックしましょう」
瑠璃色の長髪を揺らし、凛として立ち上がる。
ペンを取ってホワイトボードの一行目に書き込み。
書かれているのは、四つの段階。計画書のようなものだろうか。
「ふむ。発展途上ですね。まだまだ、ここからでございます」
ペンを置き、ヘアゴムで髪を纏める。
「次は『第二の試練』でございます。基礎の反復は心労になるでしょうが、気張ってくださいね。小鳥遊有希様」
再びデスクに向かって作業を始めた。