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海の女王  作者: 和泉 兎
1/9

プロローグ

 その鯨は言った。


「レンこそこの海の女王にふさわしい」


 その海ガメは言った。


「何を言う。ラピスが我らの王となるのだ」


 その鴎は言った。


「お前たちの目は節穴か。イヴの他に誰がいる」


 そこへジンベイザメがやって来て、彼はこう言った。


「黙れ、浅はかな者たちよ。王はもう決まっている」


 鯨と海ガメと鴎は問うた。


「「「ではジンベイザメよ。一体誰が、我らが王となるというのか」」」


 ジンベイザメは悠然と泳ぎながら、その名を告げた。

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