第九話 魔物
僕は依頼人の場所へと向かった。
出てきたのは、お年寄りのおじいさん。
どうやら、畑仕事をしていたら魔物が出てきて困っているそうだ。
そして、魔物の中に今回の討伐魔物トロールが居るのだとか。
「君たちがトロールを倒してくれる冒険者かい?」
おじいさんは僕に向かって聞いてきた。
「はい、ユウトと言います。トロールは僕にまかせてください」
僕はおじいさんに向かって言った。
トロール、動きは鈍いけど確かハンマーだっけ?棍棒?まぁ、それで殴りつけられたら即死だ。
おじいさんと共に畑へと向かう。
僕は辺りを警戒しながら見回っていた。
すると
「ねぇ、トロールっ強い?」
アズサが聞いてくる。
「強いか弱いかで言われたら強いと思う。
まぁ、今は能力が解放されているから直ぐに倒せると思うよ」
僕はそう答える。
そして時間はゆっくりと過ぎていき何も起こらないと僕は判断し、気を抜いたその時!
しゅん!
グサ!
くっ!矢が!
突然ユウト肩に矢が刺さる。
「ユウト!大丈夫?!」
アズサが駆け寄る。
「敵が来たんだ!アズサはおじいさんを連れて安全な場所に!
僕は魔物を倒す!」
僕は肩に刺さる矢を取り武器を構える。
まさか、矢を放つ敵が来るなんてゴブリンか?
「でも!ユウト怪我してる、私も戦うよ」
アズサが言う。
「駄目だ!まずは依頼者の安全が最優先だ!
僕の事は気にしなくていい。
だから、いけ!アズサ!」
僕はアズサに向かって言う。
「うん!必ず戻るから!」
アズサはそう言いおじいさんを連れて安全な場所へと向かった。
・・・、一人でもやらなきゃな。
「こい!魔物共よ!僕を倒したければ姿を見せろ!」
僕がそう言うと草むらからぞろぞろと現れる。
やっぱりゴブリンか。
それに奥いるのは、トロール。
来た!
でもこれくらいの魔物は!
僕はゴブリンの矢を避けて敵を次から次へと倒した。
そして残るはトロールのみ。
勝てる!
僕はトロールに向かって走る!
その時!
うわ!
なにかに足をつまずいた。
一体何が!
こ、これは!?
草結びか。魔物のくせにここまで考えているのか?
?!
あぶね!
トロールの攻撃がかする。
まさかトロールに苦戦するなんて。
仕方ない、これで終わらせる!
「抜刀!水の力よ我が剣へと混ざれ!」
僕は剣を掲げる!
するとどこからともなく水の塊が飛んできて剣にすーと溶け込む。
「行くぞトロール。これが僕の力だ!水流波!」
僕は剣を地面に突き刺す!すると!
トロールの下から水の渦が現れトロールを飲み込んだ!
「おまけにこれだ!ブレイクサンダー」
空から雷が落ちトロールに直撃、水を浴びて居たので雷魔法は効果は絶大。
トロールは真っ黒に焦げて倒れた。
「よっしゃ!倒せた!」
僕は剣を抜き自分の鞘に収める。
強い敵だった。まぁ、本音を言うならもう少し強くても良かったけどね。