第四十一話 平和の後継者とは
そう言えば呪縛剣に精霊が居るのならこのダークエンドランスにも精霊が居るのかな?
僕は三人と共にゲルドの街に戻ってきた。
そして、僕は街の光景にあ然とした。
建物はボロボロになっていて、ギルドの建物も崩壊している。
それに、これは血だろうか。
「くそ!」
僕はそうつぶやく。
「ユウト、悔しい気持ちは分かるけど悪いのはあの後継者だからね。
ユウトはなんにも悪くないんだよ」
アズサはそう答える。
分かってる、分かってるけど、それでも辛いのだ。
すると、近くでがれきをどかしている街の人が居た。
「あ、あの」
僕が声をかけると男性は振り向き怖がる顔をした。
「ひぃ!な、何でこんなところに!ま、まさか!またこの街を破壊するつもりか!」
男性は護身用の剣をこちらに向けた。
「あの!僕は街を破壊したユウトではありません」
僕はそう答えるが
「ありえん!お前の顔あのニュースに載っていたあの顔だ!
テメーだけは殺してやる」
男は怒りを込めて僕に向かって言った。
「分かりました、ならあなたの一思いに殺ってください。
それであなたの気が晴れるならそれなら僕は嬉しいのですから」
僕は膝を付き目を瞑る。
「ゆ、ユウト!何してるの!あなたは悪い人じゃないのよ!
そんなことしなくていいわ」
ミレイが立たそうとする。
「いいんだミレイ。
僕は災厄の後継者と言う呪いをかけられた平和の後継者なんだから」
僕はそう答えると男性が
「お、お前さん平和の後継者って言ったのか?」
男性が聞いてきた。
「は、はい。
先程知りまして」
僕はそう答える。
すると男性は剣をしまい
「すみません!まさか、平和の後継者様でしたとは知らず。
どうかお許しください」
男性が謝ってきたのだ。
ど、どういうことだ?
「あの、平和の後継者って知ってるんですか?
もし、知ってるなら教えてください」
僕は男性に向かって言う。
「分かった、俺はロン・ハルバードだよろしくな。
平和の後継者っていうのは勇者と似ているなのだが平和の維持の為に動いた者の家系の人のことを言うのだ。
君はその家系の一人と言う事だ。
君のご先祖や父親や母親が平和の為に動いていた。
勇者と共にな。
そして、先祖代々勇者は勇者の剣を平和の後継者に託したのだ。
そして君が持っているその剣は勇者の剣だよね」
「そうです。
勇者の剣です」
僕はそう答える。
「その剣は災厄の後継者を倒せる剣だ、先祖代々も多分だがこの剣でこちらの世界に現れた災厄の後継者を倒したのだろう。
って言う感じだ、分かりやすかっただろ?」
ロンは自信満々に言った。
なるほどね、でもどうして僕は災厄の後継者の呪いをかけられたのだろう。
何か理由があるのかな。
「凄いね、ユウトはやっぱり凄い人じゃん」
アズサが言った。
「そうね、勇者ユウトここに誕生ってね」
ミレイはそう答える。
元々僕は平和の後継者として産まれて、何故か災厄の後継者として育てられたんだ、ルーシィやアルスは平和の後継者って知らなかったのだろうか。
あれ?
僕は何かに気づく。
それはなんと半透明だった僕の体が半透明になっていないのだ。
あれ?いつからだ?勇者の剣を取ったときか?
だが、あのいつものような感じがする。
「あのさ、アズサやミレイは体が半透明なっていないの気づいた?」
僕は二人に向かって聞いた。
すると二人は目を丸くさせ
「あ、ホントだ」
二人同時に答えたのだった。