第三話 最強の代償
アズサがSランクなんて驚きだよ。
でも、少し気になることがある。
「アズサ、最強を教えて?」
僕がアズサに聞く。
「な、なんのこと?最強だよ、ユウトは」
アズサは僕に向かって少し焦るように言った。
何か隠している、能力、最強。これの内容が常に発動しているだけしか言わなかったし。
「能力の最強だよ、何か隠しているんでしょ?教えてよ」
僕がアズサに頼み込む。
すると、アズサ真顔になり
「後悔しないって言える?」
後悔?何かデメリットがあるのか?
「言えるよ」
僕は静かに言った。
「最強はね、とてつもなく強い、それはメリットなんだけど、その力はどんどん強くなって最悪、その力に体が耐えられなくなって死ぬの」
死ぬ?!
「だから、言いたくなかったの。ユウトは何も知らずに」
アズサは悲しそうな顔で言う。
「アズサ、僕はこの能力を知らずに死ぬよりは知って死ぬ方が僕は好きだよ」
僕はアズサに向かって言った。
「何で?怖くないの?力に蝕まれるの、苦しくてもがいてそして何もできずに死ぬんだよ。
辛くないの?」
アズサが聞いてきた。
「アズサ、死ぬって怖いことだけど誰しもそれはやってくるんだよ。
エルフ族でも獣人族でもそして僕たち人間でもね」
僕は優しく答える。
「でも、苦しんでるユウトを見たくないよ」
アズサは僕に向かって言う。
アズサはとっても優しんだな。
「ありがとうアズサ。その気持ちだけでも嬉しいよ。
僕はこの力でみんなのために脅威を潰す。僕の体が壊れるまで」
僕は立ち上がりそう答える。
すると、一人の老人が声をかけてきた。
「今、最強といったな。その力を抑える方法がある。
そうすればこやつは死なない」
?!
「それは本当ですか?!」
アズサが老人の手を握る。
「こら、若いの。静かにせい、周りが驚いているだろう?」
老人に言われアズサは周りを見てしゅん縮む。
「その力を抑えるには、力の宝石と言う物が必要だ。
それを持っていれば力はその宝石に流れ体が壊れる事は無い。
確か、それはグレート火山にあると聞いた。
それじゃあわしは散歩の続きでもするかの」
そう言い老人はトコトコと歩いていった。
ギルドは散歩道ではないでしょ。
僕はそう思った。
グレート火山、火属性の魔物がうろついている場所。
確か、依頼で火山で採取なんてものもあったような。
「アズサ、行こうグレート火山に」
僕は立ち上がりアズサの方を見る。
「そうだね。それされ手に入れればユウトは本当の最強になれる。
そしたら今よりも無双出来るし、のびのびと動けそうだもんね」
アズサも僕に向かって言う。
そして僕たちはグレート火山にむけて出発した。
この力がどれだけ僕の体を蝕もうとも僕は最後まで諦めない。
それを教えてくれたよね、おじいちゃん。
僕たちは着々と足を進め火山の入り口まで着いた。
グレート火山、入り口に来たのだが遠くを見るとうようよと魔物が歩いている。
冒険者は居ないようだ。