第三十八話 再動
「ユウト、ミレイが」
マホはミレイの方を指差す。
ミレイの方に近づき、
「助ける方法はある」
僕はそっとミレイの体に触れ
「再動」
すると、ミレイの傷はゆっくりと消えていきそして
「うっ!あ、あれ?」
目を覚ますミレイ。
「ミレイ!」
マホは涙ながらミレイに抱きついた。
「マホ、私は一体?
・・・?!」
ミレイは僕の方を見た。
「ユウト・アルペン!!貴様!マホ!離れて
私がこいつを倒す!」
ミレイは立ち上がり杖を構える。
「待って!このユウトは悪いユウトじゃない!
悪いユウトはどこかに行ったよ!
それにミレイを生き返させてくれたのはこのユウトだよ」
マホは僕の前に立ちミレイに向かって言う。
「え?本当に普通のユウトなの?」
ミレイが聞いてきた。
「そうだよ、僕はユウト・アルペン。
普通の冒険者さ」
僕はそう答える。
するとミレイは杖を収め
「その顔、嘘は言ってなさそうね。
分かった信用してあげる、それよりもあっちから少し見ている人が居るんだけど」
ミレイは木の方を向く。
そこにはアズサが。
き、気づかれた。
にげ
しゅん。
?!
「どうしたのアズサ?どうして逃げようとしたの?」
僕はテレポートを使いアズサの前に。
「だって、二人と仲良くしててその、なんていうか羨ましくて」
アズサはもぞもぞし始める。
僕は優しくぽんとアズサの頭に手を起き
「アズサ、僕はアズサが居てくれたらそれでいい。
ミレイとマホは元パーティメンバーだからさ。
だからさ、アズサ。
その何ていうか、僕とまた冒険してくれる?」
僕はアズサに向かって言った。
?!
アズサが急に抱きつき
「ユウトのバカ。
当たり前じゃん」
アズサはそう答えた。
その後僕は兵士の人を生き返させた。
起きたとき僕に向かって驚いていたけど、話をすれば僕の事を理解してくれた。
僕は始まりの街へと入る。
あ、あいつ!ユウト・アルペンだ!
お、おい!街に入ってきているぞ!
人々はこちらを見ながらざわざわ言っている。
すると
「おい!街を破壊したユウト・アルペンだな!ここがお前の墓場だ!」
突然筋肉男が斬りかかろうとする。
「ちょ!何をするんですか!僕は別のユウトです」
僕はそう答える。
「そんなアホな嘘にだまされるか!
ゲルドの街には俺の妹が暮らしていたんだぞ!
俺は妹の元に向かったら無惨な姿の妹を見つけたんだ!
許せねぇんだよ!」
筋肉男は怒りを込めて斬りかかる。
カン!
僕は呪縛剣で攻撃を防ぎ
「その妹に会わせて、生き返させてあげるから」
僕はそう答える。
「は?お前どこまでふざけたことを抜かすんだ!」
男は力いっぱいに剣に力を込めている。
くっ!これじゃあ話にならない。
僕は空中浮遊を使い
「じゃあ死んでもらうよ。
ダークハンド」
地面から無数の闇の手が。
すると
「お、おい。何をしているんだ!」
街の兵士がこちらに走ってきた。
それにミレイやマホ、アズサも。
「いや、こいつあのユウト・アルペンですよ!
何で街に」
筋肉男は兵士に向かって言う。
「聞け!こいつはあのニュースで見たユウト・アルペンとは別のユウト・アルペンだ。
それに俺もユウトに助けてもらったんだ」
兵士は街のみんなに向かって言う。
え?悪い人じゃないの?
見た目は同じなのに。
「あの、妹さんはどちらに?」
僕は優しく筋肉男に聞いた。
「家に居る。
連れてくるよ」
筋肉男はそう言い家まで走った。
そして数分後
ぐったりとしている妹さんを連れた筋肉男が来た。
「ここに置いて」
地面に置いてという。
「分かった」
筋肉男はゆっくりと妹を置いた。
「じゃあいくよ」
僕は妹さんの体に手を起き
「命の灯火よ、ここに目覚めよ!
再動!」
すると妹さんの下に魔法陣が現れそして体に付いた傷を癒やしそして魔法陣は消えた。