第三十話 ミレイの今後
僕たちは宿屋へと戻る。
アズサは宿屋のベッドですやすやと眠っていた。
それほど今回の敵は強かった。
僕の能力でも、これほど苦戦するなんて災厄の扉から出た魔物だろうか?
翌朝
目を覚まし、宿屋を出ようとしたとき声をかけられた。
振り向くとそれはミレイだった。
「あの、ユウト。
私、ユウトの事」
「言わないでくれ、僕が好きなのはアズサだけだ。
それに初恋相手は君じゃないから」
僕はそう答える。
「あの、ごめんなさい」
?!
ミレイが謝っただと?
「私、本当はユウトが抜けた後少し戦って分かったことがあるの。
ユウトにいつも助けてもらってるなって。
あの、本当にごめんなさい」
ミレイが頭を下げて謝った。
「ミレイはこの先どうするの?
僕は君たちのパーティに戻るつもりは無いけど」
僕はミレイに向かって聞く。
「私ね、楽しく冒険者が出来たらいいなって思って。
私もアレンと組んでておかしくなっていたと思うの。
だから、私はまた1から冒険者として過ごしたいの」
ミレイはそう答える。
「そっか、ちなみにだけどマホは自分の村でギルド職員として働くみたいだよ。
それよりも、アズマは?
居ないようだけど」
僕がアズマの所在を聞こうとする。
すると、
「あ、あのね。
アレンが殺したの」
?!殺し・た?
「意見が合わなかっただけで剣で殺したの」
ミレイは震える声で言う。
「そっか。
アレンは、そこまでのクズだったか。
ありがと教えてくれて」
僕はお礼を言う。
「ユウトはこの先どうするの?」
ミレイが聞いてきた。
「ダンジョンを回るつもりだよ。
この所魔物が異様に強いから、もしかしたら災厄の扉はもうすでに開いてるのかもしれない。
だから、僕はダンジョンを探索して災厄の扉を見つけ封印するつもりさ」
僕はそう答える。
「私も何かあれば駆けつけるよ。
魔法は得意だからね」
ミレイは笑顔で言った。
「うん、ありがとうミレイ」
僕はペコリと頭を下げる。
「行くんだよね」
「うん?」
「え?」
「外の空気を吸いに行こうと思っただけだよ」
僕はそう答える。
「え?・・・もう!」
ミレイは顔を赤らめて部屋へと戻っていった。
「ど、どうしたんだろう?」
僕はえっ?とした顔をする。