第ニ十一話 思いのぶつかり
私は、ユウトの足手まといなのかな。
アズサは心の中でそう思う。
ユウトは強くなっているのに私は何も強くなっていない。
いつも助けられて、私はユウトの隣に並んでいい存在では無いのかな。
「アズサ、どうしたの?暗い顔をして?」
僕がアズサに向かって聞く。
「ううん、何でもないよ。
そのペンダント綺麗だね」
アズサは僕が首からかける真実のペンダントを見て言う。
「そうだよね。
なんかさ、何も汚れないようなキレイな心って作れないもんね」
僕はアズサに向かって言う。
「そう、だね。
私さ、ユウトの隣には居ないほうが良いかもしれない」
?!
「アズサ?なんでそんなこと言うの?」
僕がアズサに向かって言う。
「だって、何も役に立ってない。
それに、私はユウトの足手まといだから」
アズサは泣きながら僕に言う。
「・・・、アズサ。
それ本気で言ってるの?」
僕は静かに聞いた。
「だってそうじゃん!
さっきの戦いだって私のせいで」
アズサは言う。
「アズサ、僕と戦おうか」
僕はアズサに向かって言う。
「え?なんで?」
アズサが聞いてきた。
「アズサが僕に負けたら、パーティから抜けていいよ。
でも、アズサが僕に勝ったら残ってね。
その代わり本気で行くから、アズサも生半可な行動だと死ぬかもしれないから本気で来るんだよ」
僕はそう言いアズサから少し距離を取る。
ユウトに勝てるわけ無いじゃん。
だって最強と呪いの力なのに。
「来ていいよ、アズサの本気見せてよ!」
?!
速い!?
アズサは一瞬でユウトの前に現れる!
剣で防ぐ。
くっ!!!
へへ、やればできるじゃん。
?!おっと!
やられてばかりはいられないな!
「ライト!!」
くっ!魔法攻撃!
ユウト、本気なのかな?
「続けてダークファイア!!!」
?! 避けなイテ!
まず、避けき!
「きゃあー!!!」
アズサが攻撃を直撃した。
あれ?やりすぎたかな?
これくらいじゃ倒れないはずなんだけど。
「くっ!はぁ、はぁ」
ユウトは強い、全然余裕の立ち姿勢。
「きなよ。
まだまだやれるよね?」
僕はアズサに向かって言う。
?!
「はあー!!!!」
くっ!この技はまさか!
「ぐわぁー!!」
ユウトはアズサが放った気合い砲で吹き飛ばされる。
「へへ、聞いたね。
そろそろ本気を出そうかな?
こい!闇の力よ!我が剣に宿れ!ダークブレイド」
すると剣にどこからともなく来た闇がすーと剣に吸い込まれ黒い光を放つ。
「な、何?!」
「これでどうだ!ダークブレイドスラッシュ!!!!」
僕が剣を振るとアズサの方に大きな斬撃が飛ぶ。
「ひぃ!避けなきゃ!!!」
アズサはなんとか間一髪攻撃を避ける。
斬撃が通った場所は地面がえぐれていた。
何よ!殺す気じゃん。
「な、なんでそんな強い技ばっか使うの!
当たったら死んじゃうじゃん!」
アズサは怒りを見せた。
顔は泣き顔だが。
「アズサ、これが僕の思いなんだ。
ずっと側にいてほしい」
?!
「どうして、私は」
「自分が足手まといなんて思っちゃだめだ。
いずれ自分の心を更に苦しませる事になる。
居てほしいんだ、アズサに、アズサと出会ったから今の僕があるんだよ。
他の誰でもない、君なんだ」
僕はアズサに向かって言う。