ep.12 もののけの家 c
「な…何を…。」
レナはまさかと思った。ギルメルの右手からビームが発射された。そのビームはナロンに当てられた。
「ウニャーーー!…グオオオオ!!」
ナロンは怪物にされてしまった。
「な…ちょっとギルメル!?」
「はーはははははは!!」
ギルメルは闇に消えていった。
「うっ、うっ…ライトニングシックリー!」
「うぇっく…ライトニングニードル!」
泣きながら攻撃するしかなかった。
「'お姉ちゃん、お姉ちゃん僕を倒して!,」
アンヌは首を振りながら
「出来ないよそんなこと!」
と言った。
「'お願い!僕を助けて!,」
ナロンの苦しそうな声に
「…分かったわ。ライトニングクロー!」
アンヌの攻撃はナロンの首に刺さった。
「グオオオオー!」
シュウウウウ…。
ナロンは魔法が解けその場で倒れた。
「ナロン!ナロン!」
アンヌはナロンを優しく抱き上げた。
「おねえ…ちゃん…。」
えっ?私たちにも聞こえる!
「僕幸せだった…よ…。」
ナロンは息を引き取った。
「うう…う…うわーーーーーー!ああーーーーーーーーー!えーんえんえんえんえーんえんえんえん……。」
ただ見つめることしか出来ないレナとアイミ。
「うっうっ…。」
アイミは下唇を上の歯で噛みながら泣いている。
「えぐ…。」
ひとしきり泣いた後、ナロンのお墓を作った。
「私たちだって生きています。希望はあったはずなのに…どうしてそんなに簡単に命を棄てられるのでしょうか…。」
アンヌがつぶやいた。その答えは返すことも出来なかった。そして彼女達はそれぞれの家に帰っていった。