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プロローグ レナの憂鬱な日 c
そしてルミとたっぷり遊んだレナは家へと帰ってきた。
「ただいまー。」
「お帰りなさい、楽しかった?」
母親のエリだ。
「あのね母さん…。」
レナは躊躇しながら母に言った。
「どうしたの?」
エリは料理をしながら話を聞いている。
「何か変な物が付いちゃって、どうすればいいのか…。」
レナは思い切って右手首を差し出して母に言った。
「えっ?どうして?そんな物見えないけど?」
エリにはレナについた玉が見えていないようだ。
「えっ…じゃあいいや、お風呂入ってくる。」
「変な子ね。」
レナは昔からミステリアスな部分があるようだ。エリは気にも止めてない。そして夕食後…レナは手についた球体を見ている。
「見える人と見えない人がいるのかな?そういえば全然生活に支障にはなってないんだよね。本当になんなんだろ。」
そしてレナは部屋の明かりを消して寝た。
『レナ…レナ…。』
『誰?』
『あなたは私が任命した勇者。今こそあなたの力を解き放ちなさい。』
『待って!あなたは誰?』
「は、夢?」
時計は7時を指していた。