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プロローグ レナの憂鬱な日 b
「はあ、仕方ないなぁ…。」
レナはカバンからハンカチを取り出し、隠すように巻いた。そして公園の広場にある時計塔につき、
「ルンルーン!」
レナが手を親友のルミに向かってあだ名を呼びながら振って合図した。
「ごめん!遅くなっちゃって…。」
「いいけど、その手どうしたの?」
ルミは心配そうに聞いた。
「ああ、ちょっと転んじゃって…。」
「またどじったの?相変わらずだねーレナは。」
「相変わらずは余計だよ。」
わいわい言いながら歩くレナ達、しかし物影に怪しい存在がいた。
「……。」
フッ
その存在は姿を消した。