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その7 マンドラゴラvs淡水クラーケン

 シャバババババババババ……


 巨大なワニの背に乗って、マンドラゴラはストレッチをしている。屈伸運動に始まって、足首、手首、首、と思わしき部分を回している。

 こうしている分には人間と変わらないが……違いはただ一つ見た目が圧倒的に人参ってことだろう。足、と思われる部分は股のように別れていて、手、と思われる部分はチョコンと小さな人参がくっついてるかのようだ。

 顔はない。のに、声は出てるし、どことなく人参のヒゲみたいなやつが眉毛見えなくも、ない。


「淡水クラーケンか。相手にとって不足はねえが、ちょいとこのままだとまずいかもしんねえな」

「マンドラゴラが弱気になるなんて珍しいワニぃ」

「ばっきゃろい! 弱気になんざ抜かれてこのかたなったことねえや!」


 巨大ワニとマンドラゴラはキャッキャと楽しそうに話しながら……ピタリと止まる


「……どうやら、見られてるワニ」

「ああ。この気配。半端じゃねえ。ただの淡水クラーケンじゃねえな」


 ビリビリと大気が震えているのを感じる。

 まだ見える範囲に淡水クラーケンはいない。それでもこのプレッシャーを放てるのかと、マンドラゴラは内心喝采していた。


「いいぜ。久々だ。骨のある戦いになりそうだ。ワニ公。しょっぱなから全開で行くぞ」

「ワニ!? まさか……」

「メタモルフォーゼだ」


 そう言うと、マンドラゴラがすうっと宙に浮く。

 そして体から光り輝くオーラを放ち……


「メタモルフォーゼ! マンドラゴラバトルフォーム!」


 控えめに言っても40センチぐらいしかなかったマンドラゴラの体がググググと巨大化していく。

 それが180センチを超えたあたりで、手足も伸び、赤髪のイケメンへと変身した。


「ふう……。今回は人型かよ。獣型のほうが得意なんだけどな」

「いつ見てもすごいワニぃ。でも人型の時は確か」

「ああ。武器の使用が可能だ。ワニ公、出せ」

「ワニぃ!」


 ワニが口をガチガチ震わすと、ブリンッ! っという威勢のいい音と共に、巨大な歯が弾け飛んでくる。

 それをマンドラゴラはキャッチして叫ぶ。


「万物を司る精霊よ、わが手に集いて敵を打つ槍となれ!」


 巨大な歯が、見る見るうちに一本の剣へと変わる。


「槍となれ、なのになぜ剣になるワニぃ?」

「知らん。それより、やっこさんの登場みたいだぜ」


 槍を求めて出来た剣を携えて、赤髪のマンドラゴラは淡水クラーケンを迎え撃つ。

 湖が割れる。そこから出てきたのは、巨大ワニより遥かに大きい、現代日本でいうところの東京ドームはある大きさの、イカの化け物が姿を現した。


「あああああ、ここはとおさないいいいい」

「黙れイカ野郎。生臭えんだよ」

「いいいいいいいい、イカじゃないいいいいいいいい!」


 クラーケンはイカと呼ばれるのが嫌いらしい。

 怒りに震えるクラーケンとの戦いが、今始まろうとしていた。


 一方その頃、湖のほとりで待ちぼうけを食らっている山川空はスクワットをしていた。


「ふいー。やっぱ、バトル展開になった時のために、一応ねー」


 筋トレしてすぐに筋力がつくとは思わないが、一応やらないよりマシだというポジティブシンキングで山川空は20回×3セットを終わらせていた。

まだ戦わなかった……

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