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その15 JKは挟まっている

 マンドラゴラが考えるのをやめている頃、監獄では山川空が挟まっていた。

 一体何に。

 そう、時の狭間に。


「ふいー、こりゃ困ったぞ」


 美術の教科書で見たような見てないような気がするクタァとなった時計がやまほどある空間で、目には見えない何かに挟まって山川空は動けなくなっていた。

 なぜこんなことになったのか。

 そもそもは、隣の牢屋に新人がやってきた時に遡る。

 隣にやってきた新人罪人、新罪人は時魔導士と呼ばれる変態だった。

 山川空の罪状はいまだにわからないままだが、時魔導士は至ってシンプル。己の魔法を使って2万枚ものパンツを盗んだのだ。男女問わずである。

 時魔導士曰く、パンツに罪はない。


「気持ち悪い、なんてやっぱり酷かったかなあ」


 つい面と向かって気持ち悪いと言ってしまったのだ。

 すると、時魔導士はなにやらムニャムニャ呟いた。呟いた、と思ったら山川空は時の狭間に飛ばされてしまったのだ。


「っていうか、逮捕したのなら魔法は使えないようにしといてくれないと困るなあ」


 ぶつぶつと文句を言いつつ、全く身動きが取れない山川空。


「……静かだなあ」


 時の狭間は静かだ。山川空は時の狭間だとわかってないし、クタァとした時計がいっぱいあるところに飛ばされたという認識である。

 ただ、この静けさが怖かった。


「これ、ずーっといたらさすがにどうにかなっちゃいそうだなあ」


 山川空の額にきらりと汗の雫。

 さすがに、このクタァ時計しかない空間に長時間いると精神が壊れてしまうことを本能的に察知したようだ。


「どうにか、身動きを、とれるように、ならねば……」


 身体をくねらせ、どうにか動けるようになろうとするが、見えない何かは強力に山川空を挟んでいる。

 必死にくねらせ、くねらせ、結果的になぜか下着姿になっただけで何も起きることはなかった。


「なんだこりゃ! あのドスケベやろうめ!」


 下着姿になったのは山川空のくねりのせいなのだが、時魔導士の怒りへと変換されていく。


「これ、とんでもない光景だろうなあ」


 ふと冷静になる。

 謎の空間で下着姿の女子高生が身動きが取れなくなっている。

 

「助けがこないと、無理かなあ。ヨシュアー、マンドラゴラ―、私はここだよー」


 声が届かないとわかっていながらも、仲間の名前を叫んでしまう。


「ポセイドン号ー! はあ……私、このまま死んじゃうのかな」


 諦めかけたその時だった。


バルルルルルルルルル……


 懐かしい音。

 この音は、ポセイドン号の、エンジンの音!?


 

むねあつてんかい

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