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第3話 普通が一番いい

この世界の住人は何故か頭がおかしい―――等というのは失礼なのだろう。

だが、目の前で変身する星斗の姿を見るまで学校の皆は彼がアカ何たらだと気付くことは無かった。

いや、誰がどう聞いても声で解ると思うんだが…


なんて野暮な事は言わないでおこう。


「それにしても聞いた? 隣のクラスの諸星君なんだけど! 妖怪に襲われて亡くなったんだって!」

「う、嘘!?」

「夜の街を歩いてて、突然襲われたらしいよ」

「私達も夜は気を付けないとね」


やはりこの世界の住人は頭がおかしい。

普通に考えて妖怪が住まうような街を、夜中に出歩こうと思う奴はいるんだろうか?

確かに夜中に普通にコンビニはあいているし、24時間制のモーテルも山ほどある。

ん~…こいつらの考えが解らん。


だが、解らないと言えばそれで俺の人生も終了だ。

―――だからこそ。


「お前らも夜は気を付けろよ。 危ないんだからな」

「何々? 私達の心配してくれてるの~やさし~! 九条君!」

「九条も気を付けなよ?」

「おうよ!」


こいつらと違う様な反応はしない。

そう、それが俺なのである!! どぅはははは!! 見たか!? この完全にクラスに溶け込んだ俺の姿を!!

どぅははははは!!


「にしてもさ? 九条君はさ? 先導さんと幼馴染なんだよね?」

「ん? あぁ、そうだな」

「朝までは一緒だったんでしょう? 何してるんだろ」

「さぁ~? またサボりだろ」

「えぇ~そうなの~?」


今頃光の巨人になって遠征でもしてるんじゃないか?

なんて事は口が滑っても言うわけにはいかない、何故ならそれを話してしまえば俺も同類になってしまうからだ。



―――――それからしばらくして。


「はぁ…はぁ… ご、ごめんなさいっす! 遅れたっす!」


3時限目に差しかかる頃に光の奴が慌てた様子で教室に入って来た。


「なんだ先導? またサボりか~? まぁいい、さっさと席に付け」

「は、はい~っす!」


担任の教師がそう告げると、頭をかきながら光はそう答えた。

近くにやって来たのを確認すると俺は光に対して一冊のノートを手渡す。


「あ! ありがとうっす! いやはや、いつも悪いっすね~真央! えへへへ」

「まぁ、忙しいんだし…気にすんな」

「……ありがとっす」


ふふふ、ふははははは!! どうだ! この普通である対応は!

我ながら素晴らしい対応能力だと自分でも思う。

そう―――残念ながら。


家族も、幼馴染達も――


そして―――この世に存在するどんな存在でさえも…俺と言う人物を知ることは無いのだ。

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