39話 クラス対抗戦⑱ ピンチ
*ユーリ*
ガッ! ガンッ! ガキンッ!
俺はアランに向かって模造刀を振りかざす。
アランは俺の剣撃を受けては下がりと、
常に後方へ距離を取って戦っている。
ロミオが言っていたように
アランの剣術はエミリほど卓越してはいないようだ。
俺はロミオとの作戦通り、
アランに剣撃を繰り出していく。
アランにテレポートを使わせないほど
速く鋭く
ガンッ! ガンッ! ガチンッ!
アランの剣を上方へ弾いた。
よし、一気に詰める!
俺はアランの腕章に向け模造刀を振った。
だが―
―シュン―
「くっ・・・」
アランが消えた。
俺は瞬時に、全意識を周囲へ集中させる。
そして―
「そこだ!」
俺は空間の歪み、魔力をとらえ
そこへ向かって斬りかかる。
ガキンッ!!!
姿を現したアランは、最初からわかっていたのか
模造刀を構えて姿を現した。
「さすがだユーリ君。 ここにきて少しずつ、テレポートを捉える精度が上がってきている。 だが、まだ完全ではないようだ」
アランはそう言うと
―シュン― ―シュン― ―シュン―
―シュン― ―シュン― ―シュン―
連続してテレポートをつかう。
「く、仕方ねえ!」
俺は構え、全神経を集中させる。
そして―
―シュン―
!!!
「雷轟一閃流 轟!!!」
アランが姿を現すと同時
俺は剣術を繰り出した。
「くっ―」
アランは模造刀で防ぐも
バキッ!!!
アランの模造刀は粉々に砕け
ザシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
衝撃で後方へ吹き飛んだ。
そして、俺が握っていた模造刀も
ボロボロと地面へ崩れ落ちた。
まだだ!
ダンッ!!!
俺は地面を蹴り、アランに向けて飛んだ。
きっとアランは、壁にぶつかる直前
テレポートで移動するはず!
この短時間ではあるが
アランとの距離が近ければ近いほど、
アランのテレポートに対応しやすいというのは理解した。
ここでアランと距離をとるのは得策じゃねえ!
もうこれ(鞘)しかねえが
剣撃を繰り出すしかねえ!
ダッ、ダンッ!!!
俺は再び地面を蹴り、アランに間合いを詰める。
そして目を閉じ、全神経を集中させる。
そして
―シュン―
アランはテレポートを使った。
やはり
だが―
ガキンッ!!!
「ここだッ!」
俺はアランに向けて鞘を振った。
―シュン―
そして、アランも俺と同じく鞘で
俺の剣撃を受けた。
「くっ、ここまでとは」
アランは苦笑いを見せてそう言った。
ギシシ、ギシ・・・
アランの両手が少し震えている。
おそらく、雷轟一閃流のダメージが残っているんだ。
なら、なおさら
攻め続けるしかねえ!
ガッ! ガンッ! ガキンッ! ガンッ! ガキンッ!
俺は続けて連撃を繰り出していく。
もっと、もっと速く!!!
ダンッ!
アランはつかさず後方へ距離を取るが
ザッ!!!
逃がさねえ!!!
俺は再び距離を詰め、剣撃を繰り出した。
*エミリ*
ガッ、ガッ、ガシンッ
―シュン―
タッ、タタッ!
「速い・・・速すぎる!」
私の目でも
2人を完全に追いきれない!
アラン会長は、ユーリが繰り出す剣撃の
数回に一度、テレポートを使いかわしているが
先程のダメージが残っているからか、
最初に見せたほどのキレはなくなってきている。
そして異次元なのはユーリだ。
最初から分かっていたことだが
速すぎる。
速いだけじゃない
剣撃の一つ一つが
鋭く、凄まじい。
ここから見るに
ユーリの圧倒的なスピードと剣術に
アラン会長はテレポートで
ギリギリ対応できている
そんな印象だ。
なんて壮絶な戦いだ。
凄いなんて、安直な言葉しか浮かんでこないが
凄すぎる!
そして、アラン会長の腕に印字されている魔法陣が
少しずつ減っている!
いいぞ、ユーリ!
そのまま攻め続けろ!
そのまま攻め続けていれば
いずれアラン会長の無敵のテレポートも
使えなくなる!
そうなったときが
勝負の分け目だ!
だが、私がそう考えていた
次の瞬間
―シュン―
アラン会長はユーリのはるか上空へテレポートした。
そしてアラン会長の背には
燦燦と輝く太陽があった。
ユーリは反射的に目を細めながら
アラン会長に向けて
ダンッ!!!
地面を強く蹴りこんだ。
私はその瞬間
あることが脳内へよぎった。
まずい、
「ユーリ! それは罠だ!」
だが無情にも私の声は間に合わない。
そして―
ブンッ!!!
アラン会長は姿を消し
ユーリの剣は空を斬った。
いくらユーリでも、
空中では素早く移動できない。
空中は地上と違い
蹴りこめる場所なんてない。
今この瞬間、アラン会長に攻められれば
ユーリに勝機はない!
ユーリ・・・
私は祈るようにユーリを見つめる。
すると次の瞬間
ユーリは宙に浮いたまま構えた。
そして―
「雷轟一閃流」
―シュン―
ユーリの背後にテレポートしたアラン会長は
ユーリの構えに瞬時に反応し
「旋雷!!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
ユーリの剣撃があたるギリギリのところで
姿を消した。
そして次の瞬間
ユーリが手に持っている鞘が
ユーリの手からボロボロと崩れ落ちた。
アラン会長はユーリとは反対に
地上近くに姿を現した。
ああ、そんな・・・
ユーリは武器をなくしてしまった。
あれでは、
ユーリは剣撃を繰り出せない。
そんな、
ここまでなのか
「くっ・・・」
私は唇をかみ、そう考えていると
「ユーリ! 受け取って!」
とロミオからユーリに向け、
もの凄い勢いで何かが飛来した。
ユーリはそれを
ガシッ!
と、受けとる。
そして私は
それを見て驚愕した。
「あ、あれは!」
何とユーリの手には
ロミオの氷結魔法で造られた
ロングソードがあった。




