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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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38話 クラス対抗戦⑰ マクルド・ザクラス


 *ロミオ*


 ギシ・・・ギシシ・・・


 マクルド君はそれぞれ片手で


 2体の土塊の拳を止めている。


 そして次の瞬間―


 ガシッ!


 と土塊の拳を掴んだ。


 そして―


 「火炎魔法 メガ・フレイム!!!」


 マクルド君がそう声を上げた。


 ゴオオオオオオオオオオオオオッ・・・!!!


 マクルド君の両手から凄まじい炎が放出され、


 目の前の土塊は瞬く間にドロドロに溶け


 地面になだれ落ちた。


 僕はそんなマクルド君の背後から


 呟くように口を開いた。


 「マクルド君・・・どうして・・・」


 マクルド君は数秒の間を開け


 「・・・知るかよ」


 と、そう口を開いた。


 「え?」


 「だから知らねえつってんだろ」


 「そ、そっか・・・ご、ごめん・・・」


 うう・・・


 謝罪されたとは言え


 やっぱりまだ、


 マクルド君に対して苦手意識が・・・


 などと考えていると


 「気づいたらよ・・・」


 マクルド君が呟くように口を開いた。


 「え?」


 よく聞きとれず僕は問いかける。


 すると、


 「気づいたら・・・体が勝手に動いてた。 ただ、それだけだ」


 と、マクルド君は少し恥ずかしそうに


 小声でそう呟いた。


 「え、あ・・・う、うん・・・」


 予想外の言葉に僕は戸惑いを隠せなかった。


 あのマクルド君から


 まさかそんな言葉が出てくるなんて・・・


 だけど・・・

 

 嬉しい。  


 「マクルド君・・・ありがとう」


 僕は気持ちをそのままマクルド君に伝えた。


 すると、


 チッという舌打ちが返ってきた。


 だけどなぜか


 今までの舌打ちとは少し違って聞こえた。


 「貴様は・・・以前、騒ぎを起こしていた問題児か」


 ベルガー副会長は眼鏡をカチッと触り、続ける。


 「貴様はあの一件で、アラン会長にどれだけ迷惑をかけたか理解できているのか? 貴様が今まで通り学生生活を送れているのは、アラン会長の言葉添えがあってのことだと言うのを理解しろ。 まあ、アラン会長にそう頼んでいたのは、ユーリ・アレクシスではあるがな」


 「チッ・・・そんなこと、言われなくてもわかってんだよ」


 マクルド君は吐き捨てるようにそう言った。


 「だから何だってんだ? ああ゛? おいおいまさか、副会長ともあろう人間が、その一件のお詫びに、ここは退けとでも言うんじゃねえだろうな?」


 マクルド君は挑発するように声を上げてそう言うと


 カチッ


 と、ベルガー副会長はメガネを外した。


 「口の利き方も知らないサルが・・・貴様なんぞ俺の相手ではない」


 バキッ!


 と怒りをあらわにして、眼鏡を握り潰した。


 「貴様は、俺が最も尊敬するアラン会長のお手を、自らの愚行で煩わせた。 その罪は、死罪に値する」


 その瞬間、周囲の空気が変わった。


 来る!


 マクルド君は、僕にしか聞こえない小声で話す。


 「ラングヴェイ、あの野郎は俺がひきつける」


 「え? で、でも―」


 「何か企んでんだろ? あの野郎と」


 マクルド君は全て察しているようだった。


 「正直、俺でもあの野郎を長くはひきつけていられねえ。 野郎が自分より上だってことは、俺も理解している」


 「マクルド君・・・」


 そうか、


 マクルド君は僕たちの為に時間を稼ごうとしてくれているんだ。


 副会長に勝てないことを承知の上で・・・


 「わかった・・・。 マクルド君、ありがとう!」


 僕はそう言ってマクルド君から後方へ距離を取り


 ‘‘準備‘‘に取りかかった。


 ベルガー副会長は


 「一瞬で終わらせる」


 そう口にすると、


 地面に手をつけ


 「ソイル・ドール」


 そう唱えた。


 そして地面から3体の土塊が姿を現すと


 ダンッ、ダダンッ!!!


 3体の土塊がこちらに向かって蹴りこみ


 瞬時にマクルド君の間合いに近づいた。


 「火炎魔法 メガ・フレイム・ウォール!」


 マクルド君は地面に両手をつけてそう言うと


 ゴオオオオオオオオオオオオッ!!!


 マクルド君の前方の地面から吹き出るように


 勢いよく炎が放出された。


 シュゴオオオオオオオオオッ!!!


 2体の土塊がドロドロに溶ける。


 だが、残り1体の土塊は


 ギリギリのところでかわし


 瞬時に後方へ移動した。


 そして、マクルド君の魔法が途切れると同時に


 ダンッ!


 と距離を詰める。


 「チッ」


 マクルド君は身を固めるように


 両手をクロスさせ構えた。


 そして


 ダッ、ダッ、ダダッ、ダッ、ダダッ!


 と土塊はマクルド君に殴りかかる。


 マクルド君はじっと耐えるように土塊の攻撃を受け続ける。


 「マクルド君!」


 僕は思わず声をあげる。


 「まだまだ・・・こんなもんじゃねえ!」


 マクルド君は声を上げ、


 ダッ!

 

 土塊の攻撃を弾き


 瞬時に殴りかかった。


 バコッ!!!

 

 シューーーーーーッ!


 土塊は後方へ勢いよく吹き飛んだ。


 だが―


 ダダンッ!


 ベルガー副会長が新たに生成した2体の土塊が

  

 マクルド君に襲いかかる。


 「チッ、次から次と」


 マクルド君は瞬時に構えるが―


 ボコッ、バキッ!!!


 「ぶはッ・・・!」


 土塊の拳がマクルド君の腹部、そして顔面を捉えた。


 マクルド君は何とかその場へとどまり


 瞬時に体勢を整え、ぐっと身を固める。


 ダッ、ダン、ダン、ダッ、ダン、ダッ、ダンッ!


 2体の土塊は連携のとれた動きでマクルド君を殴り続ける。


 マクルド君は血を吐きながら、じっとその場で耐えている。


 「タフなのは認めてやる。 だが、これで終いだ」


 そう言うとベルガー副会長は、さらに1体土塊を生成する。


 そして―


 ダンッ!


 新たに生成した土塊も、瞬時にマクルド君に間合いを詰めた。


 「終わりだ」


 3体目の土塊がマクルド君に殴りかかった。


 「マクルド君!」


 僕は思わず声を上げる。


 「メガ・・・」


 マクルド君はクロスさせた両手を広げ


 「フレイラ!」


 そう唱える。


 シュゴオオオオオオオオオオオオッ!!!


 マクルド君を中心に炎の渦が巻きおこる。


 3体の土塊はドロドロに溶け、崩れ落ちた。


 かなりの高火力だ。


 だけど、そんな高火力な火炎魔法を


 自分を中心に発生させるなんて


 マクルド君も無事では済まないはず。


 シュウウウ・・・


 マクルド君の魔法がきれた。


 マクルド君の服は所々、焼けた跡があり


 皮膚にも少し火傷を負っているようだ。


 皮膚からもジュウウ・・・と煙が上がっている。


 「マクルド君・・・どうして・・・」

 

 「まだまだ・・・足りねえんだよ・・・」


 「何だと・・・?」


 ベルガー副会長がそう口にすると


 マクルド君は顔を上げ、大きな声を上げた。


 「こんなもんじゃ・・・こんなもんじゃ、こいつに謝りたりねえんだよ!!!」


 マクルド君・・・


 「俺が今までしてきたことは・・・こんなもんじゃ許されねえ・・・こんなもんじゃ・・・こんなもんじゃあよ!!!」


 マクルド君はガシッと両拳を合わせて続ける。


 「こっから後ろには行かせねえ! 死んでもここで食い止めてやらあッ!!!」


 「マクルド君・・・」


 マクルド君の決死の言葉で


 僕の気持ちに整理がついた。


 そうだ、


 僕に出来ることは


 マクルド君を信じることだ。


 マクルド君がつくってくれた時間を


 絶対に無駄にしてはいけない。


 僕は


 僕に出来ることを


 全力でやるんだ!


 「さっきから何のことを言っているかは知らんが・・・そんなに死にたいのなら、望み通りにしてやる」


 ベルガー副会長はそう言って3体の土塊を生成すると


 ダンッ、ダダンッ!!!


 3体の土塊がマクルド君に向かって襲い掛かった。

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