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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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37話 クラス対抗戦⑯ 作戦


 タッ、タタッ!


 アランは冷気に触れぬよう


 瞬時に後方へ移動した。


 俺は後ろへ視線を移すと


 そこには


 「ロミオ!」


 両手を前に出し、魔法陣を展開しているロミオの姿があった。


 「アラン会長のテレポートには反応できないけど、狙うならここだと思ったから」


 そうか、

 

 ロミオはアランの行動を先読みして


 構えていたのか!


 一点だけを狙って


 「ありがとうロミオ! 助かったぜ!」


 俺の腕章も取られていない


 ロミオのおかげで助かった。


 アランは後方に距離を取りながら口を開く。


 「今のが氷結魔法か。 一瞬であのような凄まじい冷気を放てるとは、さすがだ。 だが―」


 「敵は僕一人じゃないよ」


 アランがそう言った瞬間


 ダダッ!


 と、左右2体、上方に1体と


 俺たちを囲むように


 人型の土塊が現れた。


 「これはッ! ベルガーの土塊!」


 土塊は物凄い速さで俺たちに間合いを詰め


 3体同時に殴りかかってきた。


 くっ、


 連携のとれた完璧な動きだ。


 左右2体の攻撃をかわすため、


 ロミオを抱え宙へ飛んだとしても、


 上空に一体、土塊が待ち構えている。


 つまり、3体全ての攻撃はかわせない!


 どうすれば・・・



 ・・・いや、


 考えてる暇はねえ!


 これしかねえじゃねえか!


 俺は模造刀の握りを変え、技を繰り出した。


 「雷轟一閃流 旋雷!!!」


 ドゴオオオオオオオオン!!!


 俺を中心に、雷が渦を巻き飛来する。


 「なに―」


 ベルガーが声を漏らすと同時


 ダッ、ダッ、ダッ


 と、俺たちを囲んでいた3体の土塊は


 一瞬にして吹き飛んだ。


 だが同時に


 俺が手にしている模造刀も


 ボロボロと崩れ、手からこぼれ落ちた。


 辺りは衝撃で土煙が舞う


 とうとう、


 最期の一振りを無くしてしまった。


 どうすれば・・・


 そう考えていると―


 「ユーリ、僕のを使って!」


 そう言って、ロミオは


 自身が腰に携えていた模造刀を外し


 俺に手渡してきた。


 「だがロミオ、これはお前の―」


 「大丈夫。 もともと僕が持っていても、あまり意味がないものだから」


 ロミオは少し苦笑いを浮かべてそう言った。


 「そうか・・・わかった! ありがたく使わせてもらうぜ!」


 「うん」


 ロミオは一度笑顔を浮かべると


 すぐに表情を戻し、「それよりもユーリ」と、小声で口を開く。


 「なんだ?」


 「このままいくと、いずれ僕たちは会長たちにやられてしまう。 アラン会長のテレポートは、想像以上に恐ろしく驚異的だった」


 「だな。 アランに同じようにテレポートを使われて、反応できる自信は今の俺にはねえ。 今のだって、ロミオがいなければやられていたからな」


 九死に一生というやつだぜ。


 ここまでヒヤヒヤする戦いは久しぶりだ。


 ロミオが口を開いた。


 「この試合が始まる前、エミリさんから聞いた話を覚えてる?」


 「エミリから聞いた話?」


 「うん。 おそらく、アラン会長の剣の腕は、エミリさんやカイさんには及ばないだろうって話」


 「ああ・・・そういえばエミリの奴、そんなことを言っていたな」


 実際にアランの剣の腕を見ていないので何とも言えないが


 考えてみれば、テレポートを使い


 俺の間合いに入ってきたときも


 アランは模造刀を抜いていなかった。


 「エミリさんの話通りだと、剣術とスピードはユーリの方が圧倒的にアラン会長よりも上だと思う。 だからユーリはそのスピードと剣術で、アラン会長と戦ってほしい。 それこそ、アラン会長がテレポートを使う余裕がないほど」


 なるほど。


 テレポートを使われた時の対応


 ではなく


 そもそもテレポートを使わせない


 と・・・


 そういう風に戦えってことだな。


 確かに、


 アランを相手にするには


 それしかないかもしれない。


 「わかったぜロミオ! アランの相手は俺が引き受ける!」


 まあ、そもそもそのつもりではあったんだが。


 だが―


 「ロミオ、他の連中、ベルガーの相手はどうする?」


 正直言うと


 アランを相手にしながら


 ベルガーの相手まで


 自信をもって出来るとは言えねえ。


 ベルガーの実力も相当なものだった。


 するとロミオは


 「ベルガー副会長は僕が相手をするよ!」


 「な、なに!? ベルガーをロミオ一人で?」


 俺が驚いてそう言うと


 「僕だってこの二週間、ユーリとメリーナと特訓してきたからね! だから大丈夫! ユーリは安心して、アラン会長に専念して」


 ロミオは背伸びをし、胸を張ってそう言った。


 俺が心配しないよう


 力強くそう言ってくれているんだな。


 俺に気づかれてないと思っているんだろうが


 手・・・


 震えてるじゃねえか。


 だが、


 そんなロミオの気持ちを


 無駄には出来ない!


 「わかった。 信じてるぜロミオ!」


 俺は声を上げると、ロミオに向け拳を出した。


 「うん!」


 ロミオも同じように握り拳をつくると


 ガシッ


 と、俺たちは互いに拳を合わせた。


 「それと、」とロミオは続ける。


 「‘‘例のアレ‘‘も隙を見てやってみるよ。 まあ、余裕があるかどうかはわからないけど」


 俺は瞬時に、ロミオが言っていることを理解した。


 もともと、


 俺からロミオに頼んだものだからな。


 「わかった。 だが無理はしないでくれ。 あくまで第一優先はベルガーだ」


 「うん! ユーリも、気をつけて」


 「ああ!」


 俺は視線を前に移し、


 深呼吸した。


 そして―


 「燃えてきたぞ!」


 俺は高ぶった感情を吐き出すように


 そう声を上げた。


 そして数秒後


 土煙が少し風に流れ、視界がわずかに開けた。


 俺はその瞬間


 先陣を切るように


 ダンッ!!!


 と、地面を蹴り


 アランの間合いに詰めた。


 そして―


 ガキンッ!!!


 アランは腰に携えていた模造刀を抜き


 俺たちは互いに剣を打ちあった。


 

 *ロミオ*


 ガキンッ!!!


 2人の模造刀から発せられた


 金属音が場内に鳴りひびく。


 そして、


 僕の視線の先には、


 いつものポーカーフェイスで


 真っすぐこちらを見つめている


 ベルガー副会長の姿があった。


 うん・・・


 ユーリにはああ言っちゃったけど


 本当に僕なんかに


 ベルガー副会長の相手が務まるのだろうか・・・


 って、ダメだダメだ。


 そんな弱気じゃ。


 僕は負のイメージを振り払うように


 ブンブンと頭を振った。

 

 やるしかないんだ。


 ユーリならきっと


 あのアラン会長にだって勝てる。


 だから僕も!


 この勝負に勝つ為に


 僕はこの人に勝つしかないんだ!


 僕がそう心の中で意気込んでいると―


 「俺は早々に、アラン会長のサポートに行かなくてはならない。 すまないが加減は出来んぞ!」


 ベルガー副会長がそう言うと


 瞬時に地面に右手をつけ


 「ソイル・ドール」


 そう唱えた。


 すると、先程同様に


 人型の土塊が3体、地面から姿を現した。


 きた!


 ベルガー副会長のあの魔法が!


 僕は両手を前に出し、すぐさま唱える。


 「氷結魔法 アイシ・クルス!」


 ヒューッ・・・


 ダダダダダダダダダダダダダ!!!


 と、僕が展開した魔法陣から


 いくつもの氷柱が


 ベルガー副会長の土塊に向かって飛来する。


 だが―


 タッ、ダダンッ!!!


 「なに―」


 ベルガー副会長の土塊は


 僕の魔法をかわし、上空へ飛んだ。


 そして、その土塊は


 僕にむけ構えていた。


 まずい―


 僕は両手を上に向け、つかさず唱える。


 「氷結魔法 アイス・グランデットローズ!」


 ピキキキ


 シューッ!!!


 巨大なバラの花の形をした氷塊が


 上空の土塊に向け、一直線に飛来する。


 そして―


 ガシンッ!!!

  

 「よし! 当たった!」


 僕はそう声を上げた。


 「見かけによらず、なかなかやるな」

  

 ベルガー副会長は「だが―」と続ける。


 「当たったのは一体だけだ」


 ベルガー副会長の言葉で


 僕はハッとした。


 2体の土塊が、僕が放った氷塊を蹴り


 もの凄い勢いで、僕の間合いに距離を詰めた。


 僕は瞬時に、両手を前に出すが


 ダメだ、間に合わない―


 僕は反射的に目を閉じた。


 だが―


 ・・・あれ?


 何とも・・・ない。


 どうして・・・


 僕はゆっくりと目を開けた。


 すると、そこには―


 「マ、マクルド君!」


 まるで僕を守るように


 土塊の攻撃を拳で受け止めている


 マクルド君の姿があった。

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