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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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30話 クラス対抗戦⑨ ベルガー・ノート


 「こいつら、いつの間に―」


 相手クラスの代表がそう声を漏らすと同時


 ザンッ!


 と、土塊は大きく腕をしならせ代表たちを振り払う。


 「うわッ―」


 代表三人はみな剣をはじかれ


 体勢を崩されながら、数メートル後方へ飛ばされた。

 

 「く―」


 生徒たちは何とか体勢をととのえ


 ザザッ


 地面へ着地した。


 そして代表三人は、冷や汗をかきながら各々が口を開く。


 「あの土塊、なんてパワーだよ」


 「俺たちを軽々と吹き飛ばしやがった」


 「くっ・・・副会長の腕章をもぎ取るには、あの土塊をどうにかしねえといけねえってことかッ」


 代表生徒が各々そう話していると


 土塊の後ろで腰を下ろしていたベルガーは立ち上がり


 そっと前へ右手を出した。


 すると右手の前に、光っている何かが見えた。


 あれは・・・何だ?


 俺はベルガーの手元を注視した。


 そして―


 「あ、あれは・・・魔法陣!」


 俺は思わず声を出した。


 ベルガーの右手の前には、手の平くらい大きさの、小さな魔法陣が展開されていた。


 そしてその魔法陣からは、キラキラと光る細い糸のようなものが複数出ており、


 その糸は、ベルガーが造りだした三体の土塊と繋がっていた。


 それを見て俺は


 「あの土塊・・・まさかベルガーが・・・」


 そう声を漏らした。


 そしてメリーが俺の疑問に答えるように話す。


 「はい。 あの魔法、ソイル・ドールは、人型の土塊を造りだし、それを自在に操る魔法です。 この魔法が難しいとされている所以は、土塊を造りだすところではなく、それを自在に操るところにあります」


 「操るところ・・・」


 俺は場内へ視線を戻した。


 ベルガーは右手の二本の指を、カチカチ、と動かすと


 指の動きに連動し、人型の土塊二体が、体勢を低く落とした。


 それを見た相手生徒は―


 「か、構えろ! 来るぞ!」


 と、慌てて身構える。


 そして―


 ダンッ!!!


 体勢を落としていた土塊二体は、地面をえぐるように蹴り


 ものすごい速さで、代表生徒‘‘二人‘‘の間合いに詰め


 そして―

 

 「な―」


 「速―」


 二人が声を漏らすと同時


 ドンッ!!!

 

 と、土塊に腹部を殴打された。


 「がはッ―」


 「ぐはッ―」


 ダアアアアアアアアアンッ!!!


 二人は殴打の衝撃で、そのまま後方の壁まで一瞬で吹き飛ばされた。


 「!!!」


 残った生徒は、ハッとしたような表情を向けると


 慌てて振り返り、二人の名を呼ぶ。


 だが―


 吹き飛ばされた生徒から返事が返ってくることはなく


 ガタン・・・


 壁に吹き飛ばされた二人は、そのまま地に倒れた。


 俺はその様子を見て


 「あの土塊・・・パワーだけじゃなく、あんなにも速えのか」


 とそう口にした。


 「・・・驚きました。 ただでさえ扱いが難しいとされる魔法を・・・土塊をあれほど自在に 操れるだなんて・・・」


 俺に続きメリーが、驚いた様子でそう話す。


 メリーのこの言いよう・・・


 おそらく、メリーが今まで見てきた中で


 土塊をあれほど速く、パワフルに操れる者は


 ベルガー以外いないのだろう。


 俺はベルガーに視線を戻す。


 アランといい、ベルガーといい・・・


 騎士生徒会の奴らはみな


 只者じゃねえな・・・


 と、そのようなことを考えていると―


 「く、くそッ・・・」


 残った相手生徒はベルガーを睨みつけてそう言った。


 それに対しベルガーは


 無表情のまま、左手で自身の眼鏡を触る。


 そして―


 「先程貴様がとった、アラン会長に対する無礼極まりない言動・・・たとえ会長が許したとしても・・・俺は決して許しはしない」


 そう言ってベルガーは眼鏡を外した。


 今まで眼鏡で隠れていたベルガーのその瞳は


 眼鏡の上からは想像もできないような


 とても鋭く尖った目つきをしていた。


 俺が言うのもなんだが・・・


 ベルガーの奴・・・


 かなり目つきが悪いんだな。


 眼鏡の上からじゃ全くわからなかった。


 などと考えていると―


 ザザッ


 と、ベルガーは勢いよく右手を前に出した。


 ベルガーの動きに反応し、相手生徒は身構える。


 そして―


 カチカチ、カチ


 ベルガーが指を動かし、土塊を操作すると―


 ダンッ!!!


 ベルガーの前に立っていた一体の土塊が


 相手生徒に向けてもの凄い勢いで走り出した。


 そして―


 「く、くそがあぁあああああああッ!」


 ガンッ!!!


 生徒は声を上げながら、土塊の殴打を模造刀で受けとめた。


 だが―


 カチ、カチカチ、カチッ


 ベルガーの指の動きに合わせ


 土塊はさらに速いスピードで、生徒に連続して殴りかかる。


 ガッ! ガンッ! ガタンッ!


 「うおおおおおおおおおおおおッ!」


 生徒は声を上げながら、土塊の猛攻を剣で受けていく。


 それを見たロミオが驚いた様子で口を開く。


 「凄い・・・あの速さの攻撃を、なんとか防いでる」


 エミリがロミオに続くように


 「だが・・・長くは持ちそうにないな」


 と、そう言った。


 そして―


 ガン、ガガンッ!


 「くッ―」


 エミリが言ったように、長くは持たず


 タラララン・・・


 土塊の攻撃により、生徒は剣を弾かれた。


 そして―


 ダン、ダンッ!


 土塊は生徒に向け二発、殴打を放った。


 「ぐッ―」


 殴打を食らう直前、生徒は体の前で両手をクロスさせ


 土塊の殴打を防ぐも


 衝撃で後方へ吹き飛ばされた。


 ザザッ、ザザザザザッ・・・


 生徒はなんとか体勢を崩さず、地面に着地した。


 だが―


 ダンッ!!!


 追い打ちをかけるように


 他二体の土塊が、一気に生徒に距離を詰める。


 そしてそれと同時に


 先程までその場から動いていなかったベルガーが突如走りだした。


 そして―


 カチカチ


 と、一体の土塊を操ると


 土塊は両手を重ねるように構えた。


 そしてベルガーは、その重ねた手に自身の足を乗せると


 ビュンッ!!!


 と、土塊はベルガーを上に押し上げるように


 もの凄い勢いで腕を振り上げた。


 それによりベルガーは、はるか上空へ飛んだ。


 「ベルガーの奴、一体何を」


 俺はそう声を漏らすと―


 「がはッ―」


 と、場内で生徒の声が聞こえた。


 そして―


 ダン、ダダンッ!!!


 二体の土塊の攻撃を食らい


 生徒は宙へ飛ばされた。


 そして―


 「な―」


 上空へ飛ばされた生徒の


 さらに上空に


 ベルガーの姿があった。


 そしてベルガーは生徒に向け、左手を前に出す。


 そして―


 「これで終わりだ」


 ベルガーがそう言うと


 左手の前に、緑色の魔法陣が瞬時に展開された。


 そして―


 「風撃魔法 ―デルラ・トルネード―」


 ベルガーがそう呟いた瞬間―


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!


 と、まるで竜巻のような凄まじい風が


 ベルガーの魔法陣を通し


 生徒に向けて飛来した。


 そして―


 「あああああああああああああああああああッ」


 と、まるで断末魔のような生徒の声が、闘技場内に響いた。

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