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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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29話 クラス対抗戦⑧ ソイル・ドール


 俺たちは次の試合を観るため、観客席に上がった。


 すると―


 「ユーリ様!」


 と、観客席にいたメリーがこちらに向かって走ってきた。


 俺の前にメリーが立つと


 メリーは俺の手を取り、心配そうな表情を向けていた。


 「ユーリ様お怪我はございませんか?」


 「ああ大丈夫だ。 どこにも怪我はねえよ」


 「そうですか・・・それを聞いて安心しました」


 と、メリーは安堵した様子でそう言った。


 メリーの奴・・・


 本心から俺を心配してくれていたんだな。


 俺はメリーに笑顔を向けた。


 「心配してくれてありがとな」


 「ユーリ様・・・」


 メリーは少し顔を赤くした。


 そして次に、満面の笑みで


 「・・・はい・・・」


 とそう口にした。



 その後、俺たちは試合を観戦するため、近くの空いている席に座った。


 そして、場内では―


 三回戦、第二試合


 3-A対3-Gの試合が始まろうとしていた。


 俺はアランの隣に立つベルガーに視線を向ける。


 アランの奴、あの副会長一人でこの試合に勝利すると言っていたが・・・


 相手も三年・・・


 さて、一体どういった戦いになるのか・・・。


 そうしている中―


 「それでは三回戦、第二試合・・・3-A対3-Gの試合を開始する」


 と、教官が試合開始の声を上げた。


 そして―


 「それでは・・・はじめ!」


 教官の合図とともに、アランはベルガーに向け口を開いた。


 「それじゃあベルガー君、あとは任せたよ」


 「承知しました」


 アランは爽やかな笑顔を見せると


 隣のクロに向け―


 「それじゃあクロ君、腕章を」


 そう口にした。


 「は、はい・・・」


 クロはそう言うと、腕につけている自身の腕章を取り外し、アランに渡した。


 「あれ? あの人・・・腕章取っちゃった」


 「あれを取っちまったらこの試合、退場しないといけないんじゃ・・・」


 と、観客席からそのような声が聞こえてきた。


 そして、クロに続くように


 アランも同様に自身の腕章を外し、手に取った。


 「ええ!?」


 「アラン会長まで腕章を・・・」


 「お、おい、どうしちまったんだよ、会長たちはよおぉおおお・・・」


 と、観客席から先程より大きな声が聞こえた。


 アランの奴・・・


 本当にベルガー1人で・・・


 アランはその手に持っている二つの腕章を


 相手クラスの代表に見えるように前に掲げた。


 そして次の瞬間―


 シュン


 と、アランが手に持っていた腕章が姿を消した。


 そして同時に―


 「わっ・・・」


 と、相手クラスの代表が声を漏らし、俺はすぐさま視線を移した。


 すると、声を漏らした生徒の手には


 アランが持っていた腕章があり


 その代表生徒も驚いた様子で、その腕章を見つめていた。


 アランのあの魔法・・・


 確か以前、中庭でマクルドたちに使ったものだ。


 手で触れたものを、


 意図したところへテレポートさせたのか?


 「さて、それじゃあ僕たちは退場するとしよう」


 「は、はい」


 アランとクロは振り返り、出口へ向かって歩きだした。


 それを見た相手クラスの代表一人が、大きな声を上げた。


 「お、おい会長さんよ! 随分なめた真似してくれるじゃねえか!」


 「バカ、よせ。 相手はあのアラン会長だぞ」


 他の代表生徒が、なだめるようにそう言った。


 だが―


 「俺たちには副会長一人で十分だってのか! 同い年のくせに・・・俺たちを随分とコケにしてくれるなあ!」


 「お、おい・・・」


 その代表生徒の言葉を聞いたアランは


 ゆっくりと振り返ると


 いつもの爽やかな表情を向けて口を開いた。


 「勘違いさせてしまって申し訳ない。 僕は決して、君たちをなめていたり、コケにするつもりは毛頭―」


 「ほらふいてんじゃねえ! この状況でそんな言葉・・・誰が信じるってんだ!」

 

 アランの言葉を切りながら、代表生徒は大声でそう言った。


 アランは顎に手をあて、うーん、と考えるように数秒黙る。


 そして―


 「わかった、正直に言おう」と言って続ける。


 「僕は決して、君たちを見くびっているわけじゃない、これは本当さ」


 「だからそう言うのは―」


 「だが」とアランはその生徒の言葉を切るように続ける。


 「僕たちと君たちの間に、大きな力の差があるのは歴然だ。 勝敗はすでに目に見えていると言っても過言ではない」


 「何だと・・・」


 「だから僕はあえて、こういった方法をとった。 まあ、だからといって、僕は自ら勝率を下げるようなことは絶対にしない。 様々なことを考慮した上でも、やはりベルガー君一人の力でこと足りると考えたから、このようなことになった、ただそれだけの話さ」


 と、アランは爽やかな表情でそう言った。


 アランの奴・・・


 爽やかな表情で口にしてはいるが


 言っていること、結構ひどくないか?


 そうしていると


 アランの言葉を聞いた代表生徒の顔は


 みるみる内に、怒りに満ちた形相に変わっていき


 その生徒の手は、強く拳を握っていた。


 「や、やろう・・・言わせておけば!」

 

 そう言って、代表生徒はアランに向け走りだした。


 だが走りだして数歩のところで


 「や、やめろ、落ち着け」


 他の代表生徒に止められた。


 「は、離せ・・・あの野郎を一発、ぶん殴らせろ!」


 怒りをあらわにした生徒を見つめながら


 アランは追い打ちをかけるように


 「僕を殴りたいのなら、まずはベルガー君を倒すことだね。 もし君たちに、ベルガー君を負かすことが出来れば、僕は喜んで君に殴られようじゃないか」


 と爽やかな表情でそう言った。


 「や、やろう・・・ふざけ―」


 「お、おい、やめろ! 会長の今の言葉聞いただろ! あの副会長を倒せば、会長は喜んでお前に殴られてやるって言ってるんだ。 それでいいじゃねえか?」


 「だ、だけど―」


 「それにあの副会長を倒せば、俺たちは準決勝へ勝ち進めるんだぞ? こっちは三人で、あっちは一人だ。 少し冷静になれ」


 その生徒の必死な説得により


 「ま、まあ・・・そうだな」


 と、怒り狂っていた生徒は落ち着きを取り戻した。


 「それじゃあ、仕切り直しといこう」


 アランが発したその言葉で、相手クラスの代表は身構えた。


 そしてアランは続ける。


 「ということだからベルガー君。 僕が殴られない為にも、頑張ってくれ」


 そう言って、アランとクロは後方へ下がった。


 「はい・・・アラン会長!」


 ベルガーはそう答えると


 タッ!


 と、腰を下ろし地面に手をつけた。


 すると瞬時に


 ベルガーの前方の地面に


 三つの魔法陣が展開された。


 そして―


 「土造魔法 ―ソイル・ドール―」


 ベルガーがそう呟くと


 地面に展開していた魔法陣から


 まるで人のような形をした、土の塊が三体現れた。


 「なんだあれは・・・まるで人間みたいだな・・・」


 俺がそう言葉を漏らすと


 「あの魔法は・・・まさか・・・」


 と、隣のロミオが驚いた様子で口を開いた。


 「あれは土系統の魔法の中で、とくに扱いが難しいとされている魔法ですね・・・」

 

 ロミオに続きメリーがそう言った。


 「扱いが難しい? 一体どういうことだ?」


 俺がそう問いかけると


 「そうですね・・・。 私が口で説明するより、ユーリ様に実際に見てもらったほうが理解が早いかもしれません」


 と、メリーがそう答えた。


 「実際に・・・見た方が・・・」


 メリーの言葉で俺は


 ベルガーが造りだした土塊に視線を戻した。


 「あの野郎に、ほえ面かかせてやる!」


 「相手は副会長一人だ! 同時にいくぞ!」


 「ああ!」


 と、相手の代表生徒たちはそう声を上げ


 ダダッ!


 と、みなが一斉にベルガーに向かって走り出した。


 そして、ベルガーの前に造られた土塊をかわすように、三人は宙へ飛んだ。


 そして―


 「これで決めるぜ!」


 上空から三人が同時に


 ベルガーに向け剣を振り下ろした。


 その瞬間―


 ドグッ!!!


 「な、なに―」


 ベルガーと相手生徒の間に


 人型の土塊三体が瞬く間に現れており


 その土塊はベルガーを守るように


 振り下ろされた三本の剣を


 その‘‘腕‘‘で受け止めていた。

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