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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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18話 氷結魔法


 「ユ、ユーリ・・・そんな、涙を流して言うほどでも・・・」


 「いや、そうなんだが・・・つい、嬉しくてな・・・」


 よく考えてみると俺は


 ロミオのことに関してはかなり涙もろい気がする。


 なぜだろうか?


 「ロミオさん・・・よろしければ、この氷を解いていただきたいのですが・・・冷たくて冷たくて」


 「ロミオ、私からもお願いしたいのだが」


 と、俺の隣で二人はブルブルと体を震わせながらそう言った。


 ロミオはまるで子どもに説教するかのように口を開いた。


 「それなら二人とも。 これからは自分のことだけじゃなくて、ちゃんとユーリのことも気遣って行動してね。 それが約束できるなら、これを解いてあげます」


 ロミオがそう言うと


 「約束いたします」


 「ああ、約束する」


 と、二人はそう言った。


 その返事を聞いたロミオは笑顔を向け「よろしい」と一言いうと、氷を解いた。


 カチカチに固まっていた氷が解け、俺の両腕に自由が戻る。


 俺は両腕をパタパタと振り、残っている冷気を振り払う。

 

 う・・・冷たい。


 長いこと放置されれば間違いなく凍傷になるなこれは。


 それにしても、ロミオのこの魔法・・・


 見るのは二回目だが、実際に受けてみると、俺が想像していた以上にこの氷は硬く、そして強力だ。


 ただ水を凍らせただけの一般的な氷とは全く別の代物で


 俺は腕を凍らされたのでよかったが、


 もし足や、地面をまるごと凍らされでもすれば


 容易に身動きを封じられそうだ。


 それほど強力だった。


 それに、氷のこの硬度・・・


 下手をすれば模造刀なんかよりも硬そうだ。


 などと考えていたその時


 俺はハッとあることが脳裏をよぎった。


 俺は顎に手を当て、数秒考える。


 そして


 「ロミオのこの魔法なら・・・俺の懸念も・・・」


 考えこむあまり、無意識のうちに声をもらしていると


 「ユーリ?」


 と、ロミオは不思議そうな表情で俺を見つめていた。


 「いける・・・いけるぞ!」


 俺は両手でロミオの手を取り続けた。


 「ロミオ! お前のおかげで何とかなりそうだ!」


 「え? 何とかって・・・一体何の―」


 「ありがとうロミオ、ありがとう!」


 「よ、よく状況がわからないんだけど・・・と、とりあえずよかった」


 「こうしちゃいられねえ、早いとこ訓練場に行って特訓だ!」


 俺はそう言ってロミオの手を引き、訓練場に向かって走り出した。


 「え? ユ、ユーリそんなに急がなくても」


 「ユーリ様、私もお供します!」

 

 メリーも続くように走りだした。


 「ッ・・・」


 俺は走りながら、一度後ろへ振り返った。


 すると視線の先には、どこか寂しそうな表情でこちらを見ているエミリの姿があった。


 俺は走りながら、大きな声でエミリの名を呼んだ。


 「!!!」


 するとエミリは、少し驚いたような表情を向けた。


 そして―


 「クラス対抗戦、お前と戦えるのを楽しみにしてるぜ! 絶対に負けねえからな!」


 俺は腕を上げそう言うと、


 エミリの表情はいつもの凛とした表情に変わっていき―


 「ああ・・・私もだ!」


 と、そう強く言葉を返した。


 俺はエミリの言葉を背に、魔法訓練場へ向かった。



 ―魔法訓練場―


 魔法訓練場にたどり着き、俺たちは中に入る。


 訓練場の中を見渡してみると


 剣術訓練場と内装に大きな違いはなく、大きさや構造もほぼ同じだった。


 ただ一つだけ違うとすれば


 この部屋は、入り口を除いた全ての壁面に、複数の結界魔法が施されているところだ。


 これは、学生が力を抑えることなく全力で魔法の訓練が行えるよう、教官が数人がかりで施しているものらしい。


 考えてみると、魔法の訓練というのは、炎やら何やらいろいろとぶっ放すものが多そうだし・・・

 

 剣術訓練と比にならないくらい危険で、周囲の被害も甚大そうだ・・・


 まあ、魔法が使えない俺にはわからないのだが・・・。


 と、そんなことよりも―


 「ロミオ、俺たちに使った魔法についてだが・・・詳しく教えてもらっていいか?」


 「うん、大丈夫だよ。 えっと、僕の魔法はね―」


 ロミオは魔法に疎い俺にも理解ができるよう


 ロミオの魔法―氷結魔法―についてわかりやすく説明してくれた。


 そして、氷結魔法にはある二つのことが可能だということが分かった。


 まず一つ目、それは


 魔力を帯びた冷気を対象にあて、凍結させること。


 これは実際に体験済みなので、理解が早かった。


 これは、凍結させる部位や場所によっては相手の動きを封じることができる、かなり強力なものだ。


 正直、クラス対抗戦、試合開始と同時にロミオが敵チームを全員まとめて凍らせてしまえば


 圧勝できるんじゃないか? 


 と考え、ロミオに言ってみたのだが・・・


 「それは難しいね」


 と、苦笑いで返ってきた。


 というのも、氷結魔法というのはかなりの魔力を消耗するらしく、むやみやたらに使うことは出来ないらしい。


 それに加え、ロミオから敵までの物理的な距離が遠ければ遠いほど、冷気を当てるのは難しく凍結させるのは困難。


 これに関しては、ロミオの魔法に限らず、全ての魔法に共通して言えることだろう。


 近距離であればあるほど、魔法の威力は強力になるし当てやすくもなるが


 反対に、距離が離れてしまえば、魔法を当てるのは難しくなり、威力だって落ちる。


 となると、ロミオの氷結魔法は近距離でなくては使えないのか?


 というところなのだが、それを補うのが二つ目だ。


 その二つ目というのは


 自身の手元で冷気を凝縮させ、瞬時に氷を造り出すことができるというもの。


 さらに造り出した氷は、ある程度ロミオの意志で動かすことができるらしい。


 これは造り出した氷のもとはロミオの魔力、冷気を凝縮したものだからという理由だ。


 なので、敵がこちらから距離を取っているときは、氷塊を飛ばして戦い


 近距離であれば、一気に敵を凍結させる。


 といった具合に、二つのことをそれぞれ使い分けて戦うことで、弱点を補い戦うことが出来る。


 以上が、ロミオから聞いた氷結魔法の話だった。


 この話を聞き、俺はあることに着目した。


 二つ目の・・・瞬時に氷を造り出すこと。


 この、ロミオが造る氷というのは、ロミオの意志で自在に形を造り出すことができるのか?


 それと、造り出した氷の硬度は俺がさっき受けたものよりも、より硬く強固にすることができるか?


 ここらへんについても、ロミオから詳しく話を聞いておきたい。


 と、俺がロミオに声をかけようとすると―


 「先程言いそびれたことなのですが・・・。 ロミオさんの氷結魔法・・・魔法歴学の書物を通じて、うっすらと知ってはいましたが・・・実際に使っている方を目の当たりにしたのはロミオさんが初めてです」


 と、俺より先にメリーが口を開いていた。

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