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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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15話 学校一の魔法使い


 「勝負だと?」


 俺がそう問い返すと、アランは表情を緩める。


 「ああそうさ。 正確には‘‘僕と‘‘ではなく‘‘僕たち‘‘だね」


 ・・・僕たち?


 「一体どういうことだ? いまいち状況がつかめないんだが・・・」


 俺がそう言うと、アランは両肘を机におき、俯く。


 「昨日も言ったことだけど・・・僕は君を、この騎士生徒会に入れたいと考えている。 だけど君には、昨日キッパリと断られてしまったからね。 だから僕は考えたのさ。 ユーリ君・・・」


 アランは顔を上げ、視線を合わせて続ける。


 「二週間後に行われるクラス対抗戦で、君の生徒会を賭けて、僕たちと勝負しようじゃないか!」


 アランは両手を広げてそう言った。


 「なんだと・・・」


 クラス対抗戦。

 

 そう言えば今日の朝、レイラ教官からそんな話があったな。


 そしてなぜか、俺は代表に選ばれてしまっていた。


 「君たちが勝てば、今後一切、僕はユーリ君を生徒会に勧誘しない。 騎士生徒会長の誇りにかけて誓おう。 ・・・だけどその代わり、僕たちが勝てば、ユーリ君には有無も言わさずこの生徒会に入ってもらう」


 そういうことか。


 クラス対抗戦


 負ければ生徒会へ強制入会。


 勝てば・・・


 勝てば?


 って、あれ?


 よく考えてみればこの勝負・・・


 勝ったところで、俺にメリットなんてあるのか?


 もともと、アランが勝手に俺を生徒会に入れようとしているだけだし・・・


 まあ、あえてツッコミはしないが・・・


 「僕たち生徒会は、校内のイベント管理も業務として担っている。 だから君たち二人が、クラスの代表に選ばれていることは知っていた」


 そういえば、俺はアランに一言も、クラス対抗戦に出るなんて言っていなかったが。


 なるほど・・・


 最初から俺たちが代表であることを知っていて、俺とロミオを呼んだというわけか。


 アランは続ける。


 「そして僕たち、騎士生徒会のメンバーはみな3年A組。 そして三人とも、クラス対抗戦の代表に選ばれている」


 それは・・・つまり・・・


 「僕たち3-Aは、言うなれば、騎士生徒会チームというわけさ」


 アランは笑顔でそう言った。


 なるほど・・・


 アランが‘‘僕たち‘‘と言っていた理由はそういうことか。


 つまり、構図としては・・・


 1-E(俺、ロミオ、マクルド)

 VS

 3-A(騎士生徒会メンバー)


 となるわけか。


 そうかそうか・・・


 なるほど・・・


 それは・・・かなり・・・


 「・・・」


 スゥーと、頭の理解が追いつくと同時に


 俺の体は、俺の意思とは関係なく震えだした。


 「ユ、ユーリ・・・大丈夫?」


 隣に座っているロミオが、心配そうにそう言った。


 違うぜロミオ・・・


 こ・・・


 これは!!!


 「お・・・」


 「・・・ユーリ?」


 俺は思わず立ち上がり、声を上げる。


 「お・・・おもしれえ!!!」


 俺は体の奥底から燃えがある想いを抑えられなかった。


 クラス対抗戦でこいつと・・・


 アランと戦える!


 やばいぜ、これは・・・

 

 考えただけで武者震いが止まらねえ!


 正直、クラス対抗戦には全く興味がなかったが


 この話を聞いて、一気にやる気が出たぜ!


 よし!


 俺は勢いよく口を開いた。


 「アラン! この勝負受けてたつぜ!」


 俺は握りこぶしをアランに向け、そう宣言した。


 それと同時に、隣のロミオは慌てた様子で口を開いた。


 「ユ、ユーリ・・・受けて大丈夫なの? 負けたらユーリは生徒会に―」


 「大丈夫だロミオ! 勝てばいいんだ! 勝てば!」


 俺は親指をグットと立てて、ロミオにそう言った。


 「そ、それは・・・そうなんだけど・・・」


 それでもロミオは、少し不安そうな表情をしていた。


 「ユーリ君なら、そう言ってくれると信じていたよ」 


 アランは笑顔でそう言うと


 次に、考えごとをするように俯いた。


 そんなアランの様子が気になり俺は声をかける。


 「アラン、どうかしたのか?」


 そう問うと、アランはゆっくりと顔を上げた。


 「それが、一つだけ懸念があってね」


 「懸念? 一体何にだ?」


 「それはね。 毎年、クラス対抗戦というのはトーナメント形式で行われる、いわゆる勝ち抜き戦なんだ。 そして対戦カードも、当日の朝に抽選をして割り振られる完全ランダム。 だから、僕たちがいくら勝負しようと意気込んでいても、僕と君たちのクラスが対戦できるかは、当日になってみないとわからないんだ。 まあ、お互い決勝まで勝ち進めば、話は別だけどね」


 アランは苦笑いしながらそう言った。


 なるほどな。


 勝ち抜き戦ということは、負ければそこで終わり。


 俺とアランのどちらかが、他のクラスに敗戦すれば


 俺たちの勝負は実現しないということか。


 だが―


 「そんなもん、深く考える必要ねえじゃねえか」


 「ユーリ君、何か策でもあるのかい?」


 アランは不思議そうな顔でそう問いかける。


 「いや、策なんてねえよ。 ただ答えはもうでてる。 お互い勝ち進めばいずれ対戦できるっていうなら・・・俺たちのやることはただ一つ」


 俺はアランに拳を掲げて続ける。


 「目の前の敵を全員ぶっ倒す! ただそれだけの話だ!」


 俺は声を上げそう言った。


 アランはやれやれと言わんばかりに、小さく両手を広げる。


 「そうなんだけど・・・そもそもそれが難しいって話なんだけどね」


 アランは苦笑いをしながらそう言った。


 「アラン、俺は相手が誰だろうと絶対に勝つぜ! 勝って、勝って、勝ち上がって、絶対にお前と勝負してやる! アラン・・・お前だって俺と同じ気持ちじゃねえのか?」


 俺は拳にグッと力を込める。


 アランは数秒の間を置き、凛とした表情で―


 「ああ、もちろんさ!」


 と、そう言った。


 「だが実際の話、僕はある二つのクラスに注目を置いていてね。 もし、君と対戦する前に、この二つのクラスのどちらかと対戦することになれば・・・僕は君たちとの勝負を保障できない」


 なんだと・・・


 「お前がそこまで言うほど、そいつらは強敵なのか?」


 「ああ、間違いなく今年の優勝候補だね」


 そうなのか・・・


 アランに限って、相手の実力を見誤ることなんてないはずだ。


 アランがそこまで言う奴らというのは一体・・・


 「アラン、そいつらは一体どこのクラスなんだ?」


 俺がそう問いかけると、アランは一呼吸おき口を開く。


 「まず一つは・・・2―Aだね」


 「ってことは2年か。 で、代表は一体・・・」


 アランは少し笑顔を見せる。


 「君もよく知る人たちさ。 現時点で、2年でありながら、上級騎士となっている者はこの二人のみだ」


 「2年の上級騎士・・・ってことは!」


 「学校一の剣術使いであるエミリ君、そしてカイ君だね」


 やはりそうか!


 すこし前にロミオから、2年の上級騎士はエミリとカイしかいないって話を聞いていたからな。


 すぐに分かったぜ!


 ・・・ていうか、エミリとカイは同じクラスだったのか。


 それに二人とも代表に選ばれていたなんてな・・・


 知らなかった。


 「だけど、2―Aの他に、最も警戒すべきもう一つクラスがある。 現時点では間違いなく、この学校で最大の火力を持つ生徒が在籍している・・・あるクラスが・・・」


 アランは真剣な表情でそう言った。


 最も警戒すべき・・・


 あるクラス・・・


 「それは一体・・・どのクラスなんだ?」


 俺は息をのみながらアランの次の言葉を待つ。


 そして―


 「魔法師生徒会長のユリネ・・・そして副会長のミアが在籍している・・・3-Bさ」


 アランは真剣な表情でそう言った。


 だが俺は―


 「魔法師・・・生徒会長・・・?」


 アランの言葉を聞いても、今一つピンと来なかった。


 ユリネ・・・?


 そんな人いたっけ?


 俺は必死に自身の記憶を探る。


 そして―


 「あ・・・ああ!」


 思い出した!


 確か・・・


 とても騒がしくて


 アランのストーカーで


 俺の手を治してくれた人か!


 あ、危ねえ。


 今の今まで、完全に記憶から抹消されていた。


 だが


 うーん。


 確かに、ただならぬ魔力は感じたが・・・


 アランがここまで言うほど、警戒すべき人なんだろうか?


 俺は思ったことをそのまま口にした。


 「あのストーカー、じゃなくて・・・あの生徒会長はそんなにも強いのか?」


 アランは少しだけ表情を緩めて口を開いた。


 「ああ、もちろんさ。 ユリネはああ見えて、この学校が誇る、最高にして最強の魔法師だ。 エミリ君が学校一の剣術使いと言われているように、ユリネは学校一の魔法使いと言われている。 正直、僕個人としては、2―Aと当たるよりも、圧倒的にユリネのクラスとは当たりたくないものだね」


 「そうなのか・・・」

 

 あのストー・・・


 ストー会長。


 アランがここまで言うほどの実力者だったとは。


 だがアランの話を聞いて、俺は少しだけ、ストー会長に興味が湧いた。


 よし!


 いろいろな強者の話を聞いて、


 俄然やる気が出てきた!


 俺は体の奥から押し寄せてくる武者震いを抑えながら


 「クラス対抗戦が待ち遠しいぜ!!!」


 両手を掲げ、高々にそう声を上げた。

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