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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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14話 戯れ


 声のした方へ振り返ると


 そこには、見覚えのある人物が立っていた。


 「あなたは騎士生徒会・・・ベルガー副会長」


 エミリがそう声を漏らした。


 ベルガー・・・


 以前マクルドとの一件の時に、アランと一緒にいた奴だ。


 ベルガーは、俺と同じくらいの背丈と肉付きで、髪色は黒だ。


 視力が悪いのか、メガネをかけており、そのメガネの奥の瞳までは見えない。


 だが印象としては、カイと同じく―冷静沈着-といった言葉がよく似合いそうな感じで


 あまり他人とベラベラと話をするタイプではなさそうだ。


 「俺はここにいるが・・・えっと、副会長が一体俺に何の用だ?」


 俺は立ち上がり、ベルガーにそう問いかけた。


 「用があるのは俺ではない」


 ベルガーはメガネを中指でおさえながら続ける。


 「アラン会長お呼びだ。 お前には今すぐ、騎士生徒会室へ来てもらう」


 「アランが俺に? 一体何の用だ・・・」


 「詳細は生徒会室で話す。 それと、ロミオ・ラングヴェイ」


 「は、はい」


 ロミオは慌てて立ち上がる。


 「アラン会長はお前もお呼びだ。 今から二人は、俺と来い」


 ロミオも?


 「アランはロミオにも用があるのか?」


 「ああ」


 アランの奴、俺だけでなくロミオにまで


 一体何の用があるというんだ?


 まあ、だが・・・


 アランに限って、何の意味もなく俺たちを生徒会室に呼ぶことはないだろう。


 ・・・仕方ないか。


 俺は振り返り、エミリとメリーに口を開く。


 「・・・ってことらしいから・・・俺たちはちょっくら生徒会室に行ってくる」


 メリーとエミリは二人して、不安そうな表情を向けていた。


 俺たちを心配してくれているのか?


 まあ、生徒会室に呼ばれるなんて、普通ではないのかもしれない


 ・・・わかんねえけど。


 「心配いらねえよ。 アランも別に俺たちをとって食ったりするわけじゃないしな。 まあすぐ終わらせて戻ってくるから・・・弁当残しておいてくれよ」


 その言葉を聞いた二人は、少し安心したような表情を見せ―


 「ああ」


 「はい、お待ちしております」


 そう言った。


 俺はロミオと顔を見合わせ、頷き、並んでベルガーの前に立つ。


 「では行くぞ」


 ベルガーはそう言って歩き出した。


 俺たちもベルガーの後ろに続き、騎士生徒会室に向かった。



 ―騎士生徒会室―


 俺とロミオはベルガーの案内のもと、騎士生徒会室の前までやってきた。


 「ここだ、入るぞ」


 ベルガーは生徒会室の扉を開け、俺たちは未知なる空間へと足を踏み入れた。


 俺は歩きながらキョロキョロと部屋の内部を見回す。


 ・・・綺麗な部屋だな。


 物も片付いていて、余計はもの置かれていないようだ。


 入口から入ってすぐの左手には、小さな机と、それを囲むように二つのソファーが置かれている。


 部屋の中央には、数人で打ち合わせが出来そうなくらい大きな机と椅子が置かれており


 その奥には、この部屋でひと際目立っている、とても高級そうな机が置かれていた。


 その机の端には―騎士生徒会長―と、金を彫って作られたようなものが置かれており


 その情報から、それはアランの机だということは容易に読み取れた。


 だが、アランの机は少し大きめのサイズではあるが


 その机の上には大量の紙の束がいくつも置かれており、スペースはあまり無さそうだった。


 何というか・・・


 あの大量の紙のせいで、少しごちゃついている印象が拭えない。


 周りに置かれている、高級そうなカーテンや、床一面に敷かれている絨毯などと比べ


 どこか絵があっていない気がする。


 まあ平民の俺としては、高級なもんでかためられたピカピカの部屋より


 少し物がちらかっている方が、親近感がわき安心して良いのだが。


 そのようなことを考えながら、俺たちは中央の机の前まで歩いた。


 そしてベルガーがアランの机へ向かい口を開いた。


 「アラン会長、連れて参りました」


 ・・・って、アランはいないんじゃないのか?


 紙の束が高く積み上げられていて、机の向こう側はよく見えない。


 すると―


 「ベルガー君、ご苦労だったね」


 と、大量に積み上げられた紙の向こう側からアランの声が聞こえた。


 ・・・い、いたのか。


 紙が多すぎて見えなかった。


 と、次の瞬間―


 シュン


 と、アランはいつものごとく、俺たちの目の前に瞬時に移動した。


 そして笑顔で口を開く。


 「やあユーリ君、それにロミオ君も。 ようこそ騎士生徒会室へ・・・と言っても、本当はもう少し僕の机が片付いているときに案内したかったんだけど・・・いろいろと生徒会業務が山積みでね。 あの有様なんだ」

 

 アランは苦笑いでそう言った。


 あの大量の紙は全て、生徒会の仕事なのか。


 「生徒会ってのは・・・想像の何倍も大変そうだな」


 「まあ、ほどほどにね。 それより君たち、紅茶は飲めるかい?」


 アランは棚からティーカップを取り出しながら俺たちにそう問いかける。


 「ああ、一応」


 「ぼ、僕も飲めます」


 俺とロミオがそう答えると、アランは笑顔を見せた。


 「それは良かった。 とびきりいい紅茶が手に入ったんだ。 二人とも、とりあえずそこに掛けていてくれ」


 アランに言われ、俺とロミオは中央の机の椅子に座った。


 そしてアランは、慣れた様子でポットからティーカップへあっという間に紅茶を注ぐ。


 「どうぞ召し上がれ」


 アランが俺たちの前に紅茶を置いた。


 そして、爽やかな笑顔で俺たちを見つめている。


 まるで「さあ、飲んでくれ」と言っているかのようだった。


 俺はアランの爽やかな笑顔に押され


 「い、いただくぜ」


 紅茶に口をつけた。


 そして―


 「う・・・」


 俺はあまりの衝撃に言葉を失った。


 「どうだい?」


 こ、これは・・・


 「う・・・美味い!!!」


 俺は声に出してそう言った。


 な、なんだ、この紅茶は・・・


 美味すぎる!


 口に入れた途端に広がる芳醇な甘みとコク・・・


 鼻からスッと抜ける香りもとてもよい・・・


 気がつけば俺は、再びカップに口をつけている。


 この紅茶は何の種類だろうか?


 アールグレイ・・・いや・・・ダージリンか?


 だがどちらにしても、こんなに美味い紅茶を飲んだのは生まれて初めてだ。


 俺はあっという間にアランがいれた紅茶を飲みほした。


 本来俺は、紅茶よりも圧倒的にコーヒー派だったのだが


 紅茶も悪くないな!


 いや・・・


 むしろ最高だ!


 と、俺は優雅な気分のまま、つかさずおかわりを要求した。


 「アラン、この紅茶もう一杯頼むぜ!」


 ティーカップを高々と掲げ、アランにそう言うと


 「口にあったみたいで良かった。 慌てずとも、おかわりはいくらでもあるよ」


 と、アランは機嫌よく俺のティーカップを受け取った。


 「ああ、ありがとう」


 と、そこまで言ったところで俺は


 ハッ!


 と、ここに来た理由を思い出し、我に返った。


 「・・・って・・・ちがあああああああああああああああああう!」


 椅子から颯爽と立ち上がり天を見上げて高々に声を上げた。


 「どうしたんだいユーリ君? おかわりはなしにするかい?」


 「いや、おかわりはもらおう。 ・・・ってそうじゃねえ!!!」


 俺は「ゴホン」と咳払いをし、アランに指を差し続ける。


 「アラン、お前は俺たちに何か用があって、ここに連れてきたんだろ? さっさと本題に入れよ!」


 俺がそう言うも、アランはキョトンとした表情を向け口を開く。


 「用かい? 別にないけど」


 「なんだその話か・・・て・・・え? 今なんて―」


 「別に用なんてないよ。 僕は君たちとお茶が飲みたくて、ベルガー君にここまで連れてきてもらっただけさ」


 「お、お茶が飲みたくて・・・だと?」


 「ああ、そうだよ」


 アランは表情を一切変えることなく、そう言った。


 「・・・」


 脳内が軽くパニックになりながらも、俺は必死に口を開いた。


 「よ、用がないなら帰るぜ! まったく、こっちは昼飯もまだ食べ終えてないってのに」


 俺がそこまで言うと、ベルガーが口を開いた。


 「アラン会長、戯れはこの辺でよろしいかと」


 ・・・戯れ?


 「そうだね、これぐらいにしておこう」


 「なに? どういうことだ?」 


 俺がそう声を漏らすと―


 「用がないというのは冗談さ。 からかってすまなかったね」


 と、アランは笑顔でそう言った。


 「な、なに? 冗談って、一体何の為に」


 「すまない、ほんの出来心だ。 ユーリ君が一体どんな反応をするのか興味が湧いてしまってね、つい・・・ハハハ」


 「つい、じゃねえよ! こっちは本気にしたじゃねえか!」


 と、呆れながらアランにそう言うも


 アランはとても機嫌が良さそうに笑っていた。


 そして数秒。


 アランはひとしきり笑い終えると、再び口を開いた。


 「よし、それじゃあ本題に入ろうか」


 アランはそう言って、俺たちの向かい側の椅子へ座った。


 俺も掛けていた椅子に、再び腰を下ろす。


 そして―


 「で、俺たちに一体何の用だ?」


 俺がそう問いかけると


 「単刀直入に言おう。 ユーリ君」


 そこまで言うと、アランの表情から徐々に笑顔が消えていき


 そして―


 「僕と勝負をしないかい?」


 アランは真剣な表情で俺にそう言った。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 70話まで読破 おもしろかったです [一言] 第二王女 メリーちゃん登場 お弁当の製作者ちゃんはお姫様だった 主人公の時代キター!!
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