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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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13話 目から水が・・・


 メリーは俺の手を握ったまま口を開く。


 「どうして、エミリさんにそのような指示をされなければいけないのでしょうか? 私とユーリ様がいつ、何をしていても、エミリさんには関係のないことだと思うのですが・・・」


 メリーは何食わぬ顔でエミリにそうかえした。


 「メ、メリー?」


 気のせいか


 メリーの声色から、エミリに対抗しているような印象を受けた。


 メリーは他人などに対し、反抗的な態度や、強い口調で物を言うようなタイプではないので、驚いた。


 エミリは「ぐぬぬ」と声をもらしながら、負けじと強い口調で答える。


 「だ、だがユーリをよく見ろ! こ、困っているではないか!」


 エミリは、俺に指を指してそう言った。


 い、いや


 突然手を握られ、驚きはしたが


 別に困っているというほどでもないんだが・・・


 「ユーリ様、ご迷惑でしたか?」


 メリーの表情は、さきほどと一変し、不安そうな表情で俺に問いかけた。


 「いや、別に迷惑ってほどじゃあ」


 俺は、思ったことをそのまま口にするも―


 「ああ迷惑だな、今後このようなことがないように気をつけろ!」


 と、エミリは俺とメリーの手を離しながらそう言った。


 メリーは「ムムム」と口を膨らませた。


 「エミリさんには聞いていません! 私はユーリ様に聞いているのです!」


 「フンッ! 何とでも言うがいい、私はユーリが思っていることを代弁しているだけだ」


  エミリは腕を組み、ドンと構えた様子でそう言った。


 「いつユーリ様がエミリさんにそのようなことを言ったというのですか! まさか、心が読めるとでも言うのですか!」


 「心が読めるわけではない」


 「でしたらどうして!」


 「聞かずともわかるのだ」


 「え?」


 エミリは間をおいて、続ける。


 「ユーリとはすでに・・・深い仲だからな」


 エミリは意味深にそんな言葉を口にした。


 「ふ、深い仲? 一体何を・・・あっ・・・なるほど。 そうですか、そうですか・・・エミリさんは根っからの負けず嫌いなんですね! だからそんな見え透いた嘘まで―」


 「嘘ではない。 私とユーリはすでに、同じ家で寝食を共にする仲だ! まあ、近頃の言い方では・・・同棲・・・と言うやつだな」


 ・・・同棲とは少し違うと思うのだが。


 それとロミオも一緒だぞ。


 メリーは「ど、同棲!?」と動揺しながら俺に向かって口を開く。


 「ほ、本当なの、ユー君!? ねえどうなの!」


 と、メリーは昔の呼び名で俺に問いかけた。


 メリー・・・


 お前、名前の呼び方について、さっき肩を並べてどうのこうのと


 なんかいい感じの話をしていたのに


 早くも、昔に戻ってるじゃねえか・・・


 まあ、ツッコミはしないが。


 「い、いろいろあって、ロミオとエミリと三人で、同じ家に住んでいるだけだ。 お前が思っているようなものでは決してない」


 「ほ、本当!? 嘘じゃないよね? ファイナルアンサーだよね?」


 「あ、ああ・・・ファイナルアンサーだ」


 「そ、そっか・・・良かった」


 メリーは一瞬ホッとした表情を見せ、次に笑みを浮かべて口を開いた。


 「フフフ、エミリさん見苦しいですね! そんな嘘までついてマウントを取りたがるなんて! フフフ・・・とても見苦しいです」


 「くっ・・・だが全てが嘘というわけではない! 深い仲というのは事実だ。 なぜなら私とユーリはすでに・・・」


 とても嫌な予感がする。


 エミリを止めたほうがよさそうだ。


 「エミリ、それ以上は―」


 だが、そんな俺の声を軽くかき消す音量で、エミリは続けた。


 「同じベッドで、一夜を共にした仲だからな!」


 ・・・な・・・な・・・な・・・


 とエミリは、中庭、そして渡り廊下を歩いている生徒にまで軽く届くほどの大声でそう言った。


 お、おい・・・エミリさんよ


 あんたは今朝のことを言っているのだろうが


 他にもっと、言い方があるだろう。


 今の言い方は、いろいろと誤解を招くぞ。


 するとメリーは、今にも泣きだしそうな表情で、俺の肩をゆさゆさと揺さぶりはじめた。


 「ユー君本当なの!? この女が言ってることは全て本当のことなの!? ねえ、どうなのユー君! ユー君!」


 「メ、メリー、落ち着け、とりあえず揺らさないでくれ・・・うっ・・・」


 ゆさゆさ揺さぶられて


 気持ちが悪い・・・


 少し気を抜けば、さっき食べた弁当の中身が、俺の胃から外の世界へリバースしそうだ。


 メリーはその手をピタッと止め、俯いた。


 「でもそうよね・・・ユー君も男の子・・・きっと一時の気の迷いだったのよ。 きっとそう・・・そうに違いない! 私はバラドールの王女・・・心を広く持たなくては。 将来・・・ユー君のお嫁さんになるのは・・・この私なんだから!」


 と、メリーは小声でブツブツと話していた。


 よく聞こえはしなかったが


 誤解が解けていないのは明らかだ。


 「メ、メリー聞いてくれ! 確かにエミリと同じ布団に入ったことは事実だが、それはちゃんとした理由があるんだ! 決してお前が考えているようなことは何も―」


 俺がそう言うと、エミリは少し悲しげな表情で口を開いた。


 「ユーリ・・・お前は誰とでも・・・同じベッドで寝るのか?」


 「ホワッツ!?」


 「ユーリ、僕が寝ている隣の部屋で・・・エミリさんと・・・そんなことを・・・」


 ロミオはまるで獣でも見るかのように、真っ青な顔で俺にそう言った。


 「ち、違うロミオ! 俺は無実だ! お、おいエミリ、誤解を招く言い方はやめろ!ちゃんと二人に、今朝あったことを包み隠さず説明してくれ!」


 「何を隠しているというのだ。 先ほどからそのまま話しているではないか。 私たちが昨夜・・・身を寄せ合い・・・一夜を共にしたと」


 「だからそれは―」


 「ユーリ様・・・」


 メリーは落ち着いた表情で俺の名を呼んだ。


 「メ、メリー・・・俺を信じてくれるよな?」


 「はい、もちろんです」


 「メ・・・メリー!」


 よかった。


 メリーならそう言ってくれると信じてたぜ。


 俺は目頭がグッと熱くなった。


 のだが―


 「ユーリ様も・・・男の子・・・ですものね」


 ・・・ん?


 いまなんて?


 「エミリさんは同じ女性として、正直自信を無くしてしまうほどスタイルも抜群で、お美しいですもの。 ユーリ様に気の迷いが生じるのは仕方のないことです。 ですがユーリ様、これからはそのようなことがないよう、今後は全て、この私がお相手いたします。 なので、これからはどうか、私を片時も離さず・・・ユーリ様のお傍においてください」


 と、メリーは頬を赤くし、照れた様子でそう言った。


 それと同時、周りから俺に対し、様々な声が聞こえてきた。


 「おいあいつ、王女様とエミリさんに二股かけてやがったのか?」


 「最低・・・ゴミ虫以下ね」


 「ただでさえ二人とも超絶美人なのによ・・・それを二人同時に・・・。 く~、うらやま・・・い、いや、ふざけやがって!」


 「死罪」


 などと、様々な鋭い言葉が聞こえてきた。


 ああ・・・どうしてこうなった。


 俺は・・・無実なのに・・・


 ああ、ちくしょう。


 目から水が・・・溢れてきやがるぜ。


 俺はこの世界に絶望し、地面に膝をついていると―


 「ユーリ・アレクシスはいるか?」


 と、俺たちの背後からある人物の声が聞こえてきた。


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