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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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10話 メリーナ・フォン・バラドール


 ガラララ・・・

 

 と、教室のドアが開く。


 「おい貴様ら席につけ。 少し早いがHRを始める」


 ロミオへの謝罪祭りが開かれている中、レイラ教官の一声で、あたりはみな一斉に静まり、各自席に着いた。


 レイラ教官、久々に会ったが相変わらずの威圧感だ。


 あれだけ賑やかだったこの教室も、一瞬で静かになった。


 さすが元火ノ隊、副隊長様だな。


 などと考えていると


 なぜかレイラ教官は俺に視線を移し―


 「ハァ~」


 っと、大きなため息をついた。


 なぜため息?


 俺・・・何かしただろうか?


 わ、わからねえ。


 俺は冷や汗をかきながら、レイラ教官の次の言葉を待つ。


 そして―


 「今日からこのクラスに新入生が入る。 みなも知っているとは思うが、くれぐれも、失礼のないようにしろ」


 レイラ教官がそう言うと


 「この時期にまた・・・新入生?」


 「失礼のないようにって・・・一体どういうことかしら」


 などと周りの連中は各々そんな言葉を発していた。


 レイラ教官の「それじゃあ入れ」という一言で


 教室の扉から、ある一人の人物が教室内へ足を踏み入れた。


 すると、その生徒を見た周りの連中が一斉に騒ぎ始めた。


 「え・・・」


 「お、おい、嘘だろ・・・」


 「あ、あのお方は!」


 そして生徒は教壇まで歩き、くるりと俺たちに体を向け、口を開いた。


 「みな様初めまして。 今日からこの学校で一緒に学ばせていただく メリーナ・フォン・バラドールでございます。 恥ずかしながら、学校というのは初めてで、至らない点も多くあると思いますが、少しずつ学習し、身につけていきたいと思っております。 どうかよろしくお願いいたします」


 そう言って、その生徒は深々と頭を下げた。


 メリーナ・フォン・・・バラドール?


 不思議なことに、その生徒の名前には、この国と同じ名前が入っている。


 ・・・どうしてだ?

  

 などと考えながらその生徒を見ていると


 その生徒は顔を上げ、俺に視線を合わせた。


 そして小さな声で―


 「ユーリ様・・・」


 そう、言葉を漏らした。


 いま、俺の名を呼んだか?


 いや、そもそもどうして俺の名を知っているんだ?


 どこかで会ったことでもあるのか?


 俺はよく目を凝らし、その女子生徒を見つめた。


 その生徒は160cmに満たないほどの背丈で、スタイルもよい。


 そしてスタイルだけでなく、歩き方やお辞儀、言葉使いもとても丁寧で


 貴族と縁がない俺であっても、きっと上流階級の貴族なのだと予想が出来る。


 そして少し幼さを残したような顔立ちだが、とても綺麗で、肌は白く透き通っている。


 髪は煌びやかな金色で、背中の辺りまで伸びており


 とくに特徴的なのは、大きな花柄の髪留めをつけているところだ。


 あの花柄の髪留め・・・


 どこか見覚えがあるような・・・


 「貴様らも知っているとは思うが、この方はこの国の第二王女・・・メリーナ様だ。 本来なら王族の者が、この学校に通う必要などありはしないのだが・・・まあ本人の強い希望の上、今日から貴様らと机を並べ、共に学ばれることとなった。 くれずれも失礼のないように」


 「「はい」」


 な、なるほど。


 この国の王女・・・


 だから名前にバラドールと入っていたのか・・・


 だが王女ともあろう方が、通わなくてもよい学校にわざわざ通うとは・・・


 王女様はよほど、騎士と魔法について関心があるんだな。


 「よし。 それではメリーナ、席は後ろの―」


 「レイラ教官」


 メリーナはレイラ教官の言葉を切り、口を挟む。


 「どうかしたか?」


 「もし、よろしければ、自身で席を選んではいけませんか?」


 「席はどこでもいいと思うが・・・どこか希望がおありで?」


 「はい・・・」


 メリーナは少し顔を赤らめそう答えた。


 レイラ教官は数秒黙り口を開いた。


 「まあいいか。 それでは希望の席に」


 「感謝いたします」


 メリーナは笑みを浮かべ、お礼の言葉を口にした。


 それと同時に教室から―


 「ど、どど、どうするよ。 俺の隣に王女様が・・・」


 「バカ言え、俺の隣だ!」


 「お美しい」


 などど、聞こえてきた。


 そしてメリーナは教壇からおり、トントンと歩きだす。


 そしてなぜか、メリーナはこちらに向かって歩み寄り、俺の前で足を止めた。


 俺はメリーナに視線を向けると、メリーナのその綺麗な瞳と視線があった。


 なぜかメリーナは顔を赤くしながら、俺に何か言いたそうに、口元を動かしていた。


 あ、ああ・・・そういうことか。


 まあ王女様の頼みなら仕方ねえ。


 レイラ教官に叱られるのも嫌だしな。


 俺は席を立ち、口を開いた。


 「すまねえ、すぐに気づかなかった。 俺は後ろに行くからここは使―」


 「ち、違います!」


 メリーナは俺の言葉を切り、強くそう言った。


 ・・・え? 


 じゃあ俺に何の用があるんだよ・・・


 そんなことを考えていると―


 「私を・・・覚えては・・・いませんか? ユー君・・・」


 メリーナは花柄の髪留めに触れながら、そう言った。


 ユー君・・・


 その呼び方に・・・確かに覚えがあった。


 だが―


 「すまないが、誰かと勘違いしているんじゃないか? 俺はお前と会ったことは―」


 「こ、この髪飾りにも! 見覚え・・・ありませんか?」


 そう言って、メリーナは髪にとめていた花柄の髪飾りを外し、俺に渡した。


 「この髪飾り・・・」


 俺はその髪飾りを見つめていると


 まるでビリリと電流が流れたかのように、数年前のある記憶を思い出した。


 俺は慌てて口を開く。


 「お、お前まさか・・・あの・・・メリーなのか?」


 そう言うと、メリーナの瞳から、一筋の涙がこぼれた。


 そして―


 「はい。 あなたに救ってもらった・・・メリーです」


 メリーナは満面の笑みを浮かべそう言った。

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