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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第2章 高位6魔人<ネグルス>編
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7話 俺の部屋


 ど、どうして・・・こうなった・・・


 な、なぜエミリが・・・


 俺の布団に・・・!



 ―昨夜の状況を整理すると―


 昨夜、話し合いが終わった後、エミリは自身の荷物を取りに一旦女子寮に戻った。


 そしてロミオは自室で休み、俺は風呂に入った。


 俺はもともと、風呂にゆっくり浸かることはないので、早々に風呂から出て、リビングでお茶を飲んでいたところ、エミリが大きな荷物を持って帰ってきた。


 速すぎるだろ、よくそんな大きな荷物をここまで運んできたなと、エミリにツッコミながら俺はエミリに空き部屋を案内した。


 そして俺は自室に戻り、時刻にして22:30分頃


 疲れていたのもあり、俺は普段より少し早めに眠りについた。


 もちろん一人で



 ―そして現在に至るのだった―



 まだ、朝の5時くらいだろうか。


 カーテン越しから外の様子も伺うが、まだ日は出ておらず部屋の中は薄暗い。


 うーん。


 なぜだ?


 なぜエミリが俺の目の前に・・・いや俺の布団に入っているんだ?


 ・・・・・・。


 いくら考えてもわからない。


 俺は一旦考えるのをやめ


 ゆっくりとエミリに視線を移した。


 エミリはその整った顔立ちを崩さず、幸せそうにスゥースゥーと寝息を立てている。


 いつも後ろで結んでいる髪を下ろしており、服はパジャマを着ている。


 ・・・ということはつまり


 エミリはおそらく自室で寝ていたのだろう。


 夜中に、トイレか水を飲みに降りたのかわからないが


 自室を一旦離れ、帰ってくる際、間違えて俺の部屋に入ってきた・・・ということか?


 ・・・そうとしか考えられない。


 俺は寝相はあまり悪くないほうだと自覚しているし、昨夜は疲れていて熟睡していた。


 まあそのせいで、エミリが俺の部屋に入ってきたことにも気づかなかったわけではあるが・・・


 とにかく俺は、エミリを起こさず・・・この場から脱出しないとな。


 エミリも意図して俺の布団に入ってきたわけではない。


 この状況をエミリに見られるわけにはいかない。


 エミリの名誉のため・・・そして俺の命の為!


 音を立てず、出来るだけ布団の摩擦を最小限にとどめ、ここから立ち去る!


 俺はエミリから距離をとるようにゆっくりと体を移動させようとすると―


 ガシッ・・・


 っと、エミリは寝ているまま俺の右腕を、まるで抱き枕のように全身で掴み、自身に引き寄せた。


 先ほどよりも至近距離にエミリの顔が目に入る。


 吐息を肌で感じてしまうほど近くに。


 エ、エミリさん・・・


 さっきよりも、近いんだが・・・


 そ、それに・・・む、胸が・・・俺の腕に当たって・・・


 って、そうじゃない!


 俺は頭をブンブンに左右に振り、邪念を捨てる。


 逃げられない!


 エミリはガッシリと俺の腕を全身で掴んでいる。


 俺は必死に掴まれた腕を引き抜こうとするが・・・


 だめだ、抜けねえ。


 それにこれ以上力を入れると、エミリを起こしてしまう。


 寝ているにも関わらず、なんて力だ。


 いや、ほんとに寝ているよな?


 「ハァ~・・・」


 朝っぱらから気がめいる。


 俺は心を静め・・・数秒考える。


 そして至った決断は―


 「うん・・・寝るか」


 無理なもんは無理だ。


 ここは諦めて、エミリが俺の腕を放してくれるまで寝よう。


 俺が朝飯担当だが、6時頃から準備しても余裕で間にあう。


 何も・・・問題は・・・ない・・・


 そして俺は再び眠りについた。



 ―1時間後―


 「・・・え? え・・・えええええええ!?」


 ん? 


 なんだ?


 なんか声が聞こえたような・・・


 「そんな・・・私の布団に・・・なぜユーリが」


 ・・・ん?


 呼んだか?


 「だがどうして・・・ユーリはそんなことを・・・」


 この声は・・・エミリか?


 だがどうしてエミリの声が・・・


 「ま、まさか! ユーリは私への想いが抑えられず・・・私に夜這いに」


 そこまで聞こえた所で、俺の脳は覚醒し、反射的にツッコミを入れた。


 「んなわけねえだろ!」


 俺が目を開けると、目の前には、これでもかというほど顔を真っ赤にしたエミリがいた。


 そして数秒、お互い黙りこんだ後、エミリが先制攻撃を仕掛けてきた。


 「き、貴様! な、なぜ私の部屋に―」


 「ちげえよ! 俺の部屋だよ!」


 俺がそう言うと、エミリは周りを見渡した。


 そしてベッドから下り、床に正座をした。


 「確かに・・・ここは私の部屋ではないようだ」


 「そうだろ、わかって―」


 「貴様、私が寝ている隙に・・・私を部屋に連れ込んだのか!?」


 ・・・。


 エミリは一点の曇りもない、真剣な眼でそう言った。


 うーん、どう返すべきか。


 エミリは本気で、俺がエミリを連れ込んだと思っている。


 まず自身を疑うという考えには至らないのだろうか?


 うーん。


 俺は数秒考え、そして―


 「身の潔白を証明するものはないが、これだけは信じてくれ。 俺は寝込みを襲うような、そんな卑怯な男じゃない」


 俺はこれまでにないくらい真剣な表情、曇りなき眼でそう言った。


 そう・・・エミリは騎士の道を重んじる女性だ。


 俺が真剣に誠意を込めれば


 エミリならきっと信じてくれるはずだ。


 エミリは数秒後、口を開いた。


 「わかった。 信じよう」 


 よかった、信じてくれたようだ。


 「だが不可解だ・・・私は昨夜一度も起きてはいないのだが・・・」


 エミリは考えるように顎に手を当てる。


 「何だと? 今までこんなことはなかったのか?」


  夜中、目を覚まさずに、俺の部屋に間違えて入ってくることなどあり得るのか?


 まさか・・・魔法の類か?


 まさか魔人が!


 そんなことを考えていると―


 「あっ、そういえば」


 エミリは何か心当たりがあるようにそう言った。


 「何かあるのか?」


 俺は真剣な表情のエミリを見つめた。


 そして―


 「女子寮での話だが・・・寮の部屋は二人部屋で、部屋の壁に接するようにある程度距離をおいて、ベッドが設置されているのだが・・・」


 「・・・だが?」


 俺は息をのんだ。


 「不可解なことにほぼ毎日・・・自身のベッドで寝たはずが、朝目が覚めてみると同室の女子生徒が寝ていたベッドで目が覚めるのだ」


 ・・・・・・。


 「あれは不思議だ。 同室の女子生徒はいつも眠たそうにしていた・・・まさかあれも・・・何者かの攻撃!」


 「いや絶対・・・犯人お前じゃねえかあああああああああああああああああ」


 早朝ではあったが俺は叫ばずにはいられなかった。

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