表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第1章 騎士・魔法師育成学校入学編
54/101

54話 アラン・ファルガレス

 ***


 PM-20:00

 ダルウィン家当主―書斎部屋


 ダルウィン家次期当主、リギル・ダルウィンは父親であり現当主であるルイズ・ダルウィンに叱責を受けていた。


 「この無能なクズが・・・貴様のせいで我々が計画していたものが全て台無しだ。 貴様はこの責任をどう取るつもりだ?」


 ルイズの前で、頭を下げ謝罪するリギル。


 「も、申し訳ありません父上。 で、ですがあの女・・・エミリ・レンガーデンは、ダルウィン家に嫁ぐには、少々不適応かと―」


 リギルがそう言った瞬間―


 バゴンッ!


 「ぶはっ・・・」


 ルイズがリギルの顔面を殴った。


 そして、怒りに満ちた形相で声を上げる。


 「黙れクズが! 貴様はあの方が選定した者を否定するのか!」


 そして続けて二発、リギルに殴打を加える。


 ダンッ・・・ダンッ・・・


 「ぶほっ・・・」


 口から血を吐きながらも、リギルは顔を上げ必死に謝罪する。


 「も・・・申し訳ありません・・・父上・・・申し訳ありません・・・」


 だが―


 「もう良い! この責任は・・・貴様の命で償ってもらう。 さっさと死ね・・・クズが」


 「ち、父上―」


 ガシッ!


 ルイズは、片手でリギルの首を絞め上げた。


 ニギィィィィ!


 「ぐ・・・ぐぐ・・・」


 リギルは必死に、ルイズが締め上げている手を振りほどこうともがくが、びくともしない。


 「お・・・お許し・・・下さい・・・どうか・・・ご慈悲を・・・」


 リギルは必死に許しをこうが―


 「さっさと死ね」


 「ち、父上―」


 ルイズが、リギルの首を握り潰そうとしたその時―


 シュウウウウウウウウウ!!!


 書斎部屋の入口が一気に開き、ルイズとリギルに向かって、突風が吹き荒れる。


 「何だ―」


 ルイズは反射的にリギルの首を離し、後方に下がった。


 「やれやれ・・・学校に退学届けが出されていたので、リギル君には考え直すようにと言いに・・・家を訪ねただけなんですが・・・」


 金色の髪をした一人の青年が、ルイズたちに向かって歩いてくる。


 「貴様、何者だ」


 ルイズが、その青年に向かって問いかけた。


 だがその青年は、一度キョトンとした表情を見せ―


 「何者って・・・以前お会いしたことがあるのですが・・・」


 青年は、ルイズの首元の模様を確認すると、納得したように頷いた。


 「なるほど・・・そういうことか・・・」


 青年は一呼吸おいて続ける。


 「では改めて。 僕はバラドールが創設している騎士・魔法師育成学校で、騎士生徒会長を務めているアラン・ファルガレスです。 以後お見知りおきを」


 アランはそう言って軽く一礼する。


 「ふん・・・あの学校の生徒か。 ・・・アラン・ファルガレス。 そうか・・・たしかに記憶にはある。 古い記憶であまり覚えてはいないが」


 「無理もありません・・・最後にお会いしたのは、五年ほど前になりますので」


 「それはそうと」とアランは続ける。


 「その首筋の模様・・・以前お会いしたときにはありませんでしたね。 それに、以前とは・・・顔つき、雰囲気もまるで別人のようだ・・・」


 アランは一呼吸おいて、続ける。


 「ずばり言い当てると・・・あなたが魔人というやつですね」


 アランは爽やかな顔でそう言った。


 だが魔人は―


 「これから死ぬ者に・・・答える必要はない―」


 ダンッ!!!


 魔人はアランに向かって殴りかかった。


 だが―


 ブンッ!


 魔人の拳は空をきった。


 「な、なに・・・消えた」


 魔人は辺りをキョロキョロと見回していると―


 「もう一つ分かったことがあるのですが・・・」


 後方から発せられたその声で、魔人はハッと振り向く。


 「あなたの姿、形、声・・・それら全てダルウィン卿そのものだ。 つまり、魔人というのは・・・人間の肉体を奪い生存している・・・という認識で良いみたいですね」


 「くッ・・・頭がキレるガキだ・・・」


 魔人はバツが悪そうにそう言った。


 「ですが一つだけ・・・疑問があるのですが・・・。 あなたがた魔人が奪った肉体・・・つまりダルウィン卿はまだ生きているのですか?」


 魔人は数秒の間を置き、答える。


 「ふん・・・この肉体は数年前に奪ったものだ。 奪ってすぐであれば別だが・・・この肉体の魂はすでに死んでいる」


 魔人がそう言うと


 「そうですか・・・」とアランが続ける。


 「つまりもう、ダルウィン卿は死んでいるということですか。 なるほど、なるほど・・・それでは―」


 次の瞬間、


 瞬く間に魔人の目の前にアランが現れ―


 「―あなたを殺しても、誰も悲しまないということですね」


 「なに―」


 アランは剣を抜き、魔人に斬りかかった。


 ザンッ!!!


 「ぐっ・・・」


 魔人はアランの攻撃を紙一重でかわし、壁に取り付けてある剣をとり応戦する。


 ガンッ! ガキンッ! ガチンッ!


 互いの剣がぶつかりあい、火花を散らす。


 「なかなか素早いですね・・・だけど目で追える。 なるほど・・・魔人というのは案外大したことがないようですね」


 アランは爽やかな笑顔を向けながらそう言った。


 「何だと・・・調子に乗るなよガキが!!!」


 ガキンッ!!!


 魔人はアランの剣を強く弾き、アランは後ろに下がる。


 「僕は事実を言っただけなんですが・・・まあ良いでしょう」


 アランは自身の剣を見つめながら続ける。


 「それはそうと・・・僕はある事件をおっていまして・・・これは個人的な質問ではあるのですが・・・」


 アランは顔を上げ、真剣な表情を向ける。


 「いまから一年半前・・・あるクエストに行ったきり、行方不明になっている生徒についてご存じありませんか? 名はエリオット・ラングヴェイ・・・僕の友人なのですが」


 「・・・」


 アランの問いかけに、魔人は口を開かない。


 アランはハァ~とため息をついた。


 「答えてはくれませんか・・・ギルドの運営を担っているあなたであれば、もしかしたらご存じかと思いましたが・・・わかりました・・・それでは―」


 「もうあなたに用はありません」


 「なんだと・・・」


 アランは手に持っている剣を収め、腰に携えているもう一つの剣を握った。


 「僕は無意味に戦いを長引かせるのは好きではないのですよ・・・なので・・・一撃で仕留めてあげます」


 そう言って、アランは剣を鞘から抜いた。


 すると―


 ピシャアアアアア!!!


 っと、アランの剣から眩い光が辺りを照らす。


 「な、何だ! この光は・・・」


 魔人は両腕で目を覆いながら、そう声を漏らした。


 そして数秒後―


 眩いほどに発せられていた光は落ち着き、


 魔人はアランが手にしている剣に視線を移した。


 すると―

 

 「な、何だと・・・それは」


 「神器―マーニ― 暗闇を照らす・・・月神の弓」


 なんと、剣を形どっていたそれは


 アランが鞘から抜いた途端


 形を変え弓となった。


 アランは、白と金色を基調とした弓を持っていた。


 「くっ、その魔力・・・貴様、神威使いか・・・」


 魔人はそう声を漏らした。


 そして、アランは矢を持つように構えた。


 すると―


 シュン


 とアランの手に、眩い光を放つ矢が現れた。


 「さて・・・これで終わりにしましょう」


 そう言って、アランはその手に持っている矢を弓で引き、構える。


 「くっ・・・神威使いだろうがなんだろうが、ぶっ殺して―」


 魔人がそう言った瞬間―


 ダダダンッ!!!


 アランの手から放たれた光の矢が、ブシュッっと魔人の顔をかすめる。


 そして―


 ガシャアアアン!!!


 魔人をかすめた矢は屋敷の壁を破壊し、眩い光を放ちながら遥か彼方に消えていった。


 「すみません・・・あまりこれの扱いに慣れていないもので・・・次は外しません」


 アランがそう言って、再び矢を引いた。


 すると、瞬く間に魔人の顔が青ざめていく。


 魔人は感じ取っていた。


 先ほどの一撃をまともに食らえば・・・


 確実に死ぬと。


 「ぐっ・・・」


 バリンッ!


 魔人はその場から逃げるように、部屋の窓ガラスを割り外に飛び出した。


 そして、全速力で屋敷を離れる。


 「くっ・・・あれを食らえば確実に死ぬ。 とにかく今はこの場を離れなければ」


 魔人はさらに速度を上げ逃げる。


 「くっ・・・アランとか言ったか・・・貴様の顔は覚えた。 人間風情が、神の真似事をしやがって・・・アラン、貴様は俺が必ず殺して―」


 魔人がそう言った次の瞬間―


 ブンッ!


 魔人の眼に映る景色が歪んだ。


 「!!!」


 魔人はハッと周りを見回した。


 「な、なぜだ・・・何がどうなっている・・・」


 なんと魔人は、まるでテレポートでもしたかのように、書斎部屋に戻されていた。


「ちょこまかと逃げないで下さい・・・上手く狙えないじゃないですか」


 魔人はその声で振り返る。


 すると―


 「き、貴様・・・その眼は・・・」


 アランの瞳は、金色に光輝いていた。


 「僕のこの眼は、空間と空間を繋いだり、切り離したりすることができるんですよ・・・なので、あなたを含めたあなたの周囲の空間と・・・僕の目の前の空間を繋いだんです」


 「な、なんだと・・・そんな馬鹿げたことが―」


 「もうすでに、僕のこの眼はあなたを捉えています。 つまり・・・僕から逃げるということは・・・不可能ということです」


 「くっ・・・くそが・・・」


 「さて・・・これで本当の幕引きとしますか」


 「死んで・・・たまるものか!」


 魔人は再び、窓を抜け、外に飛び出すが―


 ブンッ!


 っと同じところへ引き戻される。


 「くそが・・・くそがあああああああああああああああ」


 魔人が大声を上げる。


 そして―


 「月神の一矢 ―マラード・ライガ―」


 アランはそう言って、矢を放った。


 ダダダダダダダンッ!!!


 「アラン、、、ファルガレェエェエェーーーーーーーーーーーース!!!」


 眩い光を放つ大きな矢が、魔人を貫き、魔人と共にはるか彼方まで飛んでいった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ