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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第1章 騎士・魔法師育成学校入学編
40/101

40話 魔人戦①


 *エミリ*



 良かった。


 何とか作戦通り、ユーリをサラの所へ向かわせられた。


 ユーリ・・・頼んだぞ・・・


 私は、出来るだけ時間を稼ぐ。


 私は気を引き締めなおし、二階の書斎に向かった。


 書斎部屋の扉の前で、アイラはこちらへ振り返る。


 「旦那様はこちらです」


 「ああ」


 私がそう返答すると、アイラは扉を開けた。


 扉が開くと、そこには自身の机に肘をつき、椅子に腰かけているお父様の姿があった。


 私は部屋の中に足を踏み入れ、お父様に向かって口を開いた。


 「お父様、ただいま戻りまし―」


 「何をしに戻ってきたんだ?」


 私の言葉を切り、お父様がそう言った。


 怒りを帯びたような声色で・・・


 私はすぐさま、続ける。


 「何の連絡もよこさず、急な帰省・・・申し訳ありません。 実はご報告があって戻ってまいりました」


 「報告だと?」


 「はい、実は―」


 私は、ダルウィン家との結婚話が白紙になったこと・・・ここ数日の出来事を包み隠さずお父様に伝えた。


 だが―


 「そんな戯言を言う為に、わざわざ帰ってきたのか?」


 「え?」

 

 私は驚きを隠せず、声が漏れてしまった。


 戯言・・・お父様が私に向かってそんな言葉を使うなんて・・・。


 私はすぐに表情を戻し、続けた。


 「ざ、戯言ではありません! 全て本当のことです、お父様!」


 私は必死にそう言った。


 だが―


 「そんな子ども同士が決めた約束事など、何の意味も持たぬ!」


 お父様は怒りをあらわにしながらそう言った。


 だが、私も負けじと続ける。


 「ですがお父様! これらは全て私の許婚であり、ダルウィン家の次期当主であるリギル・ダルウィン本人との正式な決闘によって―」


 「何度も言わせるな! 決闘など知ったことか!!!」 


 お父様は机を叩き、立ち上がる。


 「お父様・・・」


 「貴様は何も言わず、ダルウィン家に嫁いでいればよいのだ!!!」


 お父様は大声でそう言い放った。



 私はこの瞬間・・・確信した。


 今、目の前に立っているのは、私の知っているお父様ではない。


 お父様は決して・・・私のことを、貴様などとは呼ばない。


 ユーリの言っていた通り・・・魔人に操られているのか?


 許せない・・・あんなにも優しいお父様を・・・


 私は沸々とこみあげてくる怒りを抑えられず、声を上げた。


 「貴様はお父様ではないな! 一体何者だ!」


 私がそう言うと―


 「・・・フフフ・・・フハハハハハハハハハハハハハハハハ」


 お父様は一変し、まるで緊張の糸が切れたかのように、笑いだした。


 本性を現したか。


 ・・・こんな下卑た笑みなど・・・お父様は決してしない!


 私は怒りをぶつけるように覇気を込め、口を開く。


 「一体何がおかしいんだ!!!」


 私は腰の剣を握りながら、そう言った。


 「ハハハハ・・・ハ~」


 ひとしきり笑い終えたお父様は、顔を上げ鋭い視線をこちらに向けた。


 「何を言っているんだ? 私は正真正銘・・・貴様の父親だ!!!」


 そう言った瞬間、お父様はこちらに向かって


 ガンッ!!!


 っと、書斎の机を蹴り飛ばした。


 もの凄い速さで机がこちらに向かって飛んでくる。


 私は反射的に宙へ飛び、それを避けた。


 だが、次の瞬間―


 「な―」


 まるで瞬間移動でもしたかのような速さで、跳躍中の私の目の前に、お父様が移動していた。


 そして、もの凄い速さで私の頭部めがけて横蹴りを入れた。


 ガッ!!!


 「ぐ―」


 ギリギリのところで、両手で蹴りを防ぐが―


 蹴りの衝撃で、私は右側の壁までものすごい勢いで飛ばされた。


 バアンッ!!!


 「ぐはっ・・・」


 受け身が取れなかった。


 背中が壁に打ちつけられ・・・痛い・・・。


 私は痛みを堪えながら、立ち上がる。


 今まで味わったことがないほどの蹴りだった。


 操られているとは言え、50を過ぎているお父様に・・・こんな力があるとは・・・とても思えない。


 それに、あのスピード・・・


 机を蹴ったと同時に、私の間合いまで、一瞬で距離を詰めてきた。


 一体、どうなっているんだ?


 そんなことを考えていると―


 ハッ!


 お父様は再び、私に向かってもの凄い速さで突っ込んできた。


 シュッ!


 私は紙一重で、お父様の攻撃を宙へ舞い、かわした。


 今はあれこれと考えている場合ではない!


 一瞬でも後れを取れば・・・やられる!


 私は地面に着地すると、お父様から距離をとった。


 お父様はゆっくりとこちらへ振り返り、口を開いた。


 「ちょこまかと動くんじゃない・・・出来るだけ貴様の体に傷をつけたくはないんだ」


 ・・・どういうことだ?


 なぜ、奴がそんなことを気にするんだ?


 私は疑問をそのまま口にした。


 「どういう意味だ?」


 だが―


 「貴様が知る必要は・・・ない!」


 そう言ってお父様は再び、私に距離を詰め


 蹴りや殴打の猛攻を繰り出してきた。


 バッ! バン! バシッ!


 私はそれを両手で受け流していくが、勢いに押され少しずつ後退させられていく。


 「くっ・・・」


 やはり速い!


 それにこのパワー・・・一体こんな力どこから・・・。


 だが、そんなことは言っていられない。


 相手が誰であろうが、どんなに強かろうが・・・勝つしか道はないんだ。


 勝たなければ・・・何も守ることができない。


 私は絶対に・・・サラを助ける!!!


 バンッ!


 私はお父様の殴打を上方へはじいた。


 「はああああああああっ!!!」


 そして、お父様に向けまっすぐ突き刺すように拳を放った。


 ガッ!!!


 だが、お父様にそれを両手で防がれた。


 「甘い・・・」


 お父様がそう呟く。


 だが―


 「まだだ!!!」


 私は両足に魔力を込め、床を強く蹴った。


 「水無月流 ―水流石穿脚―」


 「なに―」


 ダアアアアアンッ!!!


 お父様は後方の壁へ勢いよく飛んでいった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 40話まで読破 おもしろかったです [一言] 魔神戦に突入 相手の姿が見えない 能力がわからないってのはいいですね 緊迫感が伝わってきます そうそう、こんな感じがとってもいいです(^o^)…
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