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碧眼の神威使い ー奪われた幼馴染を救うため俺は魔人をぶった斬るー  作者: ARU/MERIA
第1章 騎士・魔法師育成学校入学編
28/101

28話 クエスト勝負①


 ―翌日― 

 AM―11:40


 俺はバックを背負い、ロミオとギルドへ向かった。

 ロミオから聞いた話だと、クエストは一日で終わるものもあれば、数日かかるものもあるらしい。

 それを聞いた俺は、着替えと少量の食料をバックに入れて持ってきていた。

 備えあれば何とやらって言うしな

 準備していて損はないだろう。

 そして、歩くこと10分……俺たちはギルドの前までやってきた。


 ギルドの外にはリギルの姿は見当たらない。

 もうすでに中で待っているのだろうか?

 まあ、入ってみればわかることか。


 「よし、行くか」


 「うん」


 そう言って、俺はギルドの扉のドアノブを握った。

 その瞬間―


 ビリッ!


 っと、体に電流が走った。

 俺は、反射的にドアノブから手を離す。

 俺はドアノブと自身の手を交互に見つめるが……

 特に異常はない。


 「何だ……?」


 俺は自然と声が漏れ出ていた。


 「ユーリ、どうかしたの?」


 隣のロミオは、不思議そうにこちらを見ていた。

 痛みや痺れなどもなく、特に体に異常があるわけではない。

 まあ、気にする必要はないか……


 「いや、何でもない。入るか」


 「うん」


 俺はロミオへ心配をかけないようにそう言った。

 そして再び、ドアノブを握る。

 よし、大丈夫だ。

 先ほどのように電流が走ったような感覚はない。

 俺はそのまま扉を開けた。

 扉を開け、ギルドの中に入ると、中央にはリギルが腕を組み、立っていた。

 相変わらずのニヤケ面でニタニタとこちらを見ている。


 そして、リギルから少し離れたところにエミリの姿もあった。

 エミリはもう来ていたのか。

 俺はエミリと一瞬目があったが、エミリは凛とした表情を崩すことはなく、その場へ立っていた。

 そして、周りには学校の生徒が40人ほど来ていた。

 みんな俺たちの方を見ているが、リギルの後ろに立っているわけではなく

 周りにバラバラと散らばっている所から、リギルの連れというわけではなさそうだ。

 今日の話を聞きつけて、見物に来たのだろうか?

 みんな暇なのか?

 まあ、どうでもいいか。

 俺たちはリギルに近づいた。

 リギルはニヤケ面で―


 「やあ平民君、逃げずにこれたんだね、感心だな~」


 と、俺を挑発するように嫌味たらしく口を開いた。


 「誰が逃げるかよ」


 「ふふふ……威勢がいいのは相変わらずのようだ」


 「御託はいいだろ。さっさと始めようぜ」


 「ふふふ……そうこなくては―」


 そう言って、リギルは一枚の紙きれを俺に投げた。

 俺はそれを手に取り広げる。

 そこには―


 ―A級クエスト―


 ブラックウルフの討伐 10頭 報酬―12万


 ―――――――――――――――――――――――


 と書かれていた。

 そして、リギルは続けて口を開く。


 「君は昨日、エミリ君とパーティーを組んだんだろ? だったら、A級クエストでも文句はないよな?」


 するとエミリが口を挟んだ。


 「おいリギル! 私とユーリがパーティーを組んだといっても、クエストに行くのはユーリ1人だけじゃないか! それはいくら何でも卑怯ではないか!」


 そんなエミリの言葉を無視して、リギルは俺に向かって続ける。


 「ふふふ……A級指定モンスターのブラックウルフの討伐なんて、下級騎士の君には荷が重かったかな?」


 リギルは挑発するようにそう言った。

 きっと俺ではブラックウルフの討伐は難しいと考えているのだろう。

 だが―


 「ああ、これでいいぜ」


 「ユーリ、こんなの受けてはダメだ! おいリギル! これのどこが勝負だというのだ! せめて、B級クエストに―」


 「エミリ、大丈夫だ! ブラックウルフなら今まで散々ぶった斬ってきたからな」


 俺はエミリの言葉を切ってそう言った。

 すると、周りの生徒が次々と口を開いた。


 「おい、あの下級騎士、A級指定モンスターを斬ったって言ったか?」


 「ははは、冗談だろ、上級騎士でも苦戦する相手だぞ、ないない」


 いろいろと言われているが

 俺は冗談なんて一言も言ってない。

 そもそも俺はブラックウルフがA級指定モンスターということすら知らなかった。

 すると、リギルはニタニタと笑いながら口を開いた。


 「ふふふ、見栄を張るのは自由だが、いま君、これでいいと言ったね?」


 「ああ」


 「ユーリ……」


 エミリは少し心配そうな表情で呟いた。


 「よし、決まりだ。それではルールを説明しよう」


 そう言って、リギルはA級クエストボードの前まで近づき、続ける。


 「まずお互いがそれぞれ別の場所で、ブラックウルフ討伐のクエストを受ける。同じ場所だと狩場を争うことになってはいけないからね。そして、より多くブラックウルフを討伐した方の勝ちだ……理解できたかな?」


 同じブラックウルフの討伐クエストでも場所によっていくつか分かれているんだな。

 まあ、外の世界では魔物は腐るほどいるからな。

 たかが10頭討伐したところで、全体をみればごくわずかなものだ。

 それに、同じ場所を避けるというのは、俺も賛成だ。

 奴が言ったように、狩場を争う羽目になりかねない。

 これはあくまでクエスト勝負だ。

 だが―


 「討伐したブラックウルフの数はどうやって計測するんだ? それに相手にはどうやって証明すればいい?」


 俺はリギルへ問いかけた。

 俺はクエストを受けたことがないので、いまいちこの辺りがわからない。

 仮に10体討伐といっても、それはどうやってギルドへ証明するのだろうか?

 リギルが俺の問いに答える。


 「成熟したブラックウルフは額に真紅の鉱石が1つ埋め込まれている。この鉱石は人工的に作れるものではないので、不正を働くことはできない。なので鉱石の数で計測と証明をしようじゃないか」


 1つの鉱石で1体の討伐とみなすってことか。


 「わかった」


 「よし、それではクエストを受けたまえ。ちなみに私はすでに受注を済ませている」


 「ああ」


 俺はリギルに促され、A級クエストボードに近づいた。

 ボードに貼られている、場所が違うブラックウルフの討伐クエストをいくつか眺めた。

 マルデリッツ山に……リガーリチル山……

 うん、よくわからん。

 俺は一度行った場所や、行き道で迷うことはないのだが

 そもそも山の名前なんて知らないからな。

 それにここら辺の土地鑑もないので、どちらの山がここから近いのか

 そういったことも全くわからない。

 「うーん」と頭を悩ませていると、エミリが俺の隣まで歩いてきた。

 そして、エミリは俺にだけ聞こえるような小声で話す。


 「ここからだと、マルデリッツ山の方が近いな。ここから走っていけば、2時間くらいで着けるはずだ。リガーリチル山に行くには半日はかかる」


 「そうなのか? それじゃあ、こっちにするか」


 「ああ、その方が、討伐に時間が使える」


 「だな」


 「ちなみに、奴が選んだ場所はここから最も近い場所だ。ユーリが選ぶ前に先に選んでいるとは……何とも卑怯な」


 エミリは怒りで震えていた。


 「まあ、いいだろう。討伐の時間が少なくても、奴より多くブラックウルフを討伐すればいいだけだ……だろ?」


 「ユーリ……ああ、そうだな! 私はお前を信じている! その……待っているからな……」


 エミリは少し顔を赤くしながらそう言った。


 「ああ!」


 そう言って俺はエミリへ笑顔を向けた。

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