過ぎ行く日常の一コマ
こんにちは。ご拝読ありがとうございます。天樹菜々です。昔書いていた作品を新たに書こうと思い立ち、投稿させていただきます。ゆっくりになるかもしれませんが、楽しんでいただけると幸いです。
『飽き性』――――飽きっぽい性質。続けることが苦手で、新しいことを始めるのはいいけれどすぐ飽きてしまう。
昔から、俺はこの言葉と縁のある人間だった。
小さいころから18の至るいままでで、1か月と続けれた『何か』は一つもなかった。
例えばスポーツ。青春の代表の一つ。サッカー、野球、バレー、ハンドボールetc。思いつくスポーツは軽い気持ちで様々手を出してみたがけれど、やはり続かない。少しやれば、人並み以上にはできるようになるのだが、だからと言ってそれ以上上手になりたいと思わない。
例えば恋愛。青春の代表のもう一つ。決して男性が好きというわけではないのだけれど、女性を好きになったことがない。かわいいと思ったり、きれいだと思ったりすることはある。しかし、それが好きにつながることはなかった。
今あげた例は一部で、他にも武術、音楽、絵画、筋トレなどなどたくさん。どれも人並み以上にこなすことはできるが、それ以上を求めたいと思うことはなかった。
高校三年生となった俺、結局熱中できる何かに出会うことはなく卒業を迎えようとしていた。のだが、18年生きていて初めて女の子に手紙で校舎裏に呼び出されてしまった!青春の定番ともいえるこのイベント!もしかしたらこのイベントが『何か』に出会わせてくれるかもしれない!
と、淡い期待を抱きながら俺は校舎裏に足早に向かっていた。手紙をくれたのは同じクラスの高木天里さん。クラスの中でも明るくてかわいらしい顔をした小さな女の子だ。
さあ!校舎裏に到着だっ…!
そこにいたのは確かに高木さん。確かに高木さんなんだけど、何か…違う?
「雅さん。来てくれてありがとうございます」
ここで自己紹介。俺の名前は御門 雅。飽き性です。
「いや、いいんだよ。で、何?」
抱いていた期待はいまだ健在。果たしてどうなるか。
「いえ、大したことではないんですけど…」
大したことではないのか…期待は外れてしまったか。
「私と世界を救ってくれませんか?」
彼女がそういうと同時に、彼女の後ろに青く光るゲートのようなものが出現した。
「おっふ」
これは面白くなりそうだ。
ご拝読ありがとうございました!
次回は雅がとうとう異世界へ!お楽しみにお待ちください。