プロローグその9
火の玉が飛んできたときは驚きましたが、思っていた以上に体が動いてくれたおかげでなんとか対応できました。
しかし火の玉を飛ばしてくるような相手までいるのは予想外です。今後も初見殺しのような敵が出てくる可能性があるので、より慎重に進むことにしましょう。
あれからしばらく探索を続けましたが、その後もこちらを襲ってくるのは小鬼、狗人、火鼠だけです。
しかも幸いなことに出てくるのは1体ずつで、2体同時に出てくることはありません。
わたしは小鬼と狗人は倒すと心臓にある小石を取り出して食べ、火鼠はその肉も食べて進み続けます。
実を言えば、もう一種類、遭遇した化け物がいます。
それはなにやらどろりとした水あめのような生き物でしたので、粘体と呼んでいます。動きはあまり早くなく、こちらから攻撃しなければ襲ってくることもありません。
どうやら洞窟内で倒された生き物を餌にしているようなので、粘体については無視して進んでいます。
また気配を探る方法についても、あれから何度か試すうちに、能動的に先を探ろうとすると相手に気づかれる可能性が高くなることが分かりました。
同時に相手から気配を探る様子が来た場合も、ざわりとした感触で気づけることができます。
そこで能動的に探る場合でも、一気に先を探ろうとするのではなく、ゆっくりと探っていくように何度か試したところ、相手に気づかれずに気配を探ることができるようになりました。
これにより洞窟探索が捗ったのは言うまでもありません。