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召還編その8

 レーリーです。


 思い切って召喚陣を覗いてみたら、人の子供がいっぱいいました。

 というか、本当に人でしょうか。中には耳がとがった方とか、動物の耳が頭についた方とか、蜥蜴に似た顔の方もいます。


 ただ皆さん、きちんとした服を着ているのでとりあえず皆さん人ということで問題ないのでしょう。

 おそらく魔法というものがある時点でわたしのいた場所とは常識も異なるでしょうから、そのあたりも気にしないことにします。


 で、特にわたしに敵意を向けてくる方もおらず大丈夫そうだったので、召喚陣からそっと抜け出たら、目の前にいた女の子から飛んできた魔法がわたしに隷属を求めるものでした。

 突然だったので、思わず拒否してしまったところ、なぜか彼女がわたしに隷属してしまったようです。


 さすがにわたしの奴隷になるのは可哀想なので、従者ということにしました。


 ですが、それがまずかったようで、その女の子と二人で別室へと連れていかれてしまいました。


 その子はメイリンというそうです。


 不思議なことにメイリンの言葉はわかりますが、ほかの人が話す言葉はまだよくわかりません。


 ただメイリンと話しているうちに、だんだんと他の人の言葉も少しずつ分かってきました。


 これでも異国の言葉を習得するのは得意なのです。しかも今回はメイリンの補佐もあるので、この分なら1週間程度もあれば他の人の話す言葉もだいたい理解できそうです。




 どうやらわたしとメイリンの契約を変更することは簡単ではないようで、公にはわたしはメイリンの従魔という立ち位置で過ごすことになりました。


 なんとか当初の目的通り、人間のそばで生活できそうでほっとしています。


「レーリーは何を食べるの?」


“ダンジョン内では、ほかの魔物の体の中にあった小さな石のようなものを食べていました。ダンジョンを出てからは、そういえば何も食べていませんね。たぶん、人の食べ物は普通に食べられるとは思います”


 メイリンからの質問に答えます。

 いま、わたしはメイリンの肩に載っているのですが、どうもこの辺りは今は秋のようで、少し寒く感じます。


“メイリン、首に巻き付いてもいい?”


 そうすれば互いにすこしでも暖が取れるでしょう。


「え、もちろんいいよ」


 なにがもちろんなのかはわかりませんが、了解を得たのでメイリンの首にちょうど襟巻のように巻き付いてみます。

 おお、これはいい感じに暖かいですね。


「うん、このほうがあったかくていいね」


 メイリンも気に入ってくれたようです。冬の間はここをわたしの居場所としましょう。




 どうも、メイリンです。


 レーリーはわたしより年上で、しかも公にはしないけどわたしの主人ということになる。

 しかも結構強いらしい上に、頭もよさそうである。

 本人はあまり気にしないタイプのようだけど、万が一怒らせてしまうとどうなるかわからない。


 取りあえずしばらくはレーリーの性格や能力を把握するよう努めることにした。


 さてここに来る際は、レーリーはわたしの後ろを歩いて付いてきてくれたが、体の大きさの違いから、結構ついてくるのが大変そうだった。


「レーリー、部屋に戻るけど、わたしが抱えていったほうがいい?」


 どうもあまり畏まるとレーリーも困惑するようなので、友人に対するように話してみる。


“うーん、抱えられるよりも、もしもよければ肩に乗ってもいいでしょうか?”


 わたしの肩に乗りますか。


 良ければといっているけど、基本的にわたしに否定する選択肢はない。


 いや、もちろん嫌なら嫌と言うことはできるけど、契約魔法の影響でもしも命令されたなら拒否できないのである。

 できれば抱えてそのモフモフを堪能したかったけど、次のチャンスを待つことにしよう。


 しかし雑談しながらの帰り道、思わぬチャンスが到来した。


“メイリン、首に巻き付いてもいい?”


 なんのご褒美?


「え、もちろんいいよ」


 そう答えると、レーリーは襟巻のようにわたしの首に巻き付いてきた。


 ふぉおおおおおおお、まるで高級襟巻のような肌触り!高級襟巻を触ったことはないけど。


「うん、このほうがあったかくていいね」


“それでは、冬の間はこうやって移動しましょうか”


 わたしに拒否する選択肢はないのだ。むしろわたしからお願いしたい。


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