召還編その7 ※マダラン視点
マダラン局長視点
まったく、ちょっとした要件で魔法学園に来ただけなのに、こんな面白くて厄介な事案にでくわすとは。
「マダラン局長、実際のところ、今の話をどこまで信用できると思われますか」
ルース学園長が聞いてくる。
「そうですね。一応、彼女たちに対しては信用している態度を示してよいとは思います」
「その言い方は信用していないといっているのと同義ですよ」
「前例がありませんからね。確かに召喚士と従魔は通じ合い、ある程度の意志を通わせることはできますが、あくまでも召喚士の命令を従魔が理解でき、また従魔の感情を召喚士はある程度把握できるという程度です。
レーリー君は明らかにこちらの言葉を理解しているようでしたし、メイリン君の言葉を信じるなら、召喚士と会話ができているということになります。
レーリー君がそれなりの強さと高度な知能を持っているなら、人間にとってかなりの脅威となるわけですから、ある程度の警戒は必要でしょう。
もしかしたら、わたしの看過を掻い潜るようなスキルを持っている可能性もあるわけですからね」
「確かにその可能性もありますか」
「とはいえ、もしも何かを企んでいたとしてもレーリー君一人ではそれほど大それたことはできないでしょう。
最悪、この学園の教師陣総出でかかれば、押さえられるでしょう」
「万が一そうなったときの被害は考えたくありませんな」
苦い顔をしてルース学園長がそういうので、わたしは思わず笑ってしまった。
「おそらくその心配はないと思いますよ。そもそもあなたもレーリー君が持つかもしれない異世界の知識に興味があるのでしょう」
「当然です。レーリー君の世界は魔法がないようなので、こちらとはまた違った文化が発展していた可能性があるのですよ。
その中には、わたしたちには魔法があるゆえに発想できないようなものも含まれているかもしれず、それらによってわたしたちの知識の底上げができるかもしれないのですからね」
なるほど、さすがは学園長。面白い発想だ。
「できればある程度この世界に慣れてからのほうが良いだろうね。レーリー君がわたしたちを信頼したと確信できてからのほうが、詳しい内容が聞けるだろう」
「もちろんだとも」
わたしたちはその後も2,3の懸案事項を話し合ってから、退出した。




