召還編その2
そして今日も召喚魔法を実践する日が来た。
本当はもっと頻繁に行いたいのだけど、術の成否は相手の状況が関係する。
先生から週1回くらいのペースで試すよう言われたので、カイル先生の授業のときに行っているのである。
クラスメイトが見守る中、わたしが召喚魔法を唱えると、いつもと違いスムーズに陣が起動した。
「お、今回は成功したようだね。いよいよ君の召喚獣が呼び出されるよ」
そういわれて、わたしも心臓が高鳴った。
散々待たせたのである。できればそれなりに高位の魔獣が召喚されてほしかった。
しかし、召喚陣は現れたが、なかなか召喚獣が現れない。
「……うーん、もしかしたら人の向こう側で魔獣が召喚に抵抗しているのかもしれないね」
カイル先生がそう言った。
「先生、そんなことがあるんですか?」
クラスメイトからの質問に、カイル先生がさらに答える。
「やはり滅多にないことだけど、召喚者よりも強い高位の魔獣の場合は召喚に抵抗することがある。その場合は召喚陣を維持し続けて、相手に自分の力を示し続ける必要がある。
だからメイリン君、大変だろうが召喚陣はそのまま維持し続けなさい」
そういわれれば、がぜんやる気も出る。
わたしは改めて召喚陣の維持に努めた。
すると召喚陣から何か小さなものが顔を出した。
あたりを見回してわたしと目が合うと、そろそろと召喚陣から出てきた。
なにそのお邪魔しますとでも言いそうな出て来方は。かわいいじゃないか。
しかも顔のあたりと足の先が黒いほかは真っ白である。
え、なにこのかわいい生き物は。本当に高位の魔獣なの?
カイル先生も唖然としていたが、すぐにわたしに声をかけた。
「メイリン君、従魔契約を」
そうだ。召喚陣を通った魔獣とは仮契約状態だが、出てきたところで改めて正式に従魔契約を行い、人間に危害を加えられないようにする必要がある。
「我メイリンが命じる。われと契約し我が従魔となれ」
そう従魔契約魔法を唱えると、一瞬何か抵抗されたような感触があったが、それでも従魔契約は完了した。
しかしかわいいけど見たこともない魔獣である。
「先生、この魔獣はなんていう名前ですか」
わたしが尋ねる前にクラスメイトがそう先生に聞いた。
「いえ、わたしも見たことのない魔獣ですね。メイリン君、従魔契約が完了したなら、その魔獣のステータスが確認できるでしょう」
そうだ。ステータス確認をすればいいんだ。
白い従魔に向けてステータス魔法を唱えて……なにこれ?
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種族:シロテン
名前:***
魔力:***
スキル:***
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「すみません、種族はシロテンというようですが、それ以外がマスクされて読めません」
それを聞いてカイル先生も首をかしげている。
「うーん、確かに自分より強い魔獣のステータスは確認できないけど、従魔契約されているなら、読めるはずだがなあ。君自身のステータス上ではどう表示されている?」
そうだ。従魔契約に成功しているなら、わたしのステータスにシロテンのことが追記されるはず。
わたしはすぐに自分にステータス魔法を唱える。
そして目が点になった。
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種族:人間
名前:メイリン
魔力:123
スキル:全魔法適性
状態:***(シロテン)の従者
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「……なぜかわたしがシロテンの従者ということになっています」
その言葉に、先生もクラスメイトも絶句した。
どうしてこうなった。




