プロローグその22
それではわたしはこのダンジョンとやらから出ることはできないということでしょうか。
「本当はそうだね。できれば君のように強い魔物には、ぜひうちのダンジョンのフロアボスを担当してほしいところだよ。
現在、うちは10層のダンジョンだけど、まだ人間に見つかっていないしそろそろ20層のダンジョンに拡張できそうだからね」
人間がいるのですか。
「うん、ここは山の中だから滅多なことでは近づいてこないけど、人里近くにできたダンジョンは人が入ってきて、中の魔物を倒して持ち出していくから、なかなか成長できないらしいね」
わたしもかなり倒しましたけど。
「君は一応僕の配下だからね。それに倒した魔物を持ち出すこともなかったし、ダンジョンの魔力収支でいえば問題ないというか、むしろ君がかなり魔力を生成してくれたおかげでダンジョンを拡張できるまでになったわけだし」
できれば人間の様子を見てみたいのですが。
「まあ、元が人間だったのならそう思うのも無理はないけど、あまりお勧めはしないよ。特に君の毛皮はとても美しいから、毛皮目当てに狙われそうだ」
……否定できないけど、ではせめてダンジョンから出してはもらえないでしょうか。
「先ほども言ったように、君は僕の配下だから、ダンジョンを出ることはできない。本来なら君のような優秀な個体は手放したくないけど、僕は寛大だからね。特別に外に出ることを許可してもいい。
一つ言っておくけど、このダンジョン内であれば、僕が健在である限りは、君が人にやられても復活できる。
ダンジョンを出るということは僕の配下ではなくなるということだから、そういうメリットもなくなる。
それでも構わないかい?」
それでも結構です。




