プロローグその15
もうどれくらい戦い続けているかよくわかりません。
1日なのか、10日なのか、1か月なのか。
どうやらこの部屋は、他の場所とは異なり壁が暗くなる時間がないようなので、その点でも判断ができません。
わたしはひたすら大豚人の攻撃を躱しながら、隙を見ては攻撃しました。
しかし非力なわたしの攻撃では、かろうじて皮膚を切り裂き、食いちぎる程度のことしかできません。
しかもなんと、大豚人はその程度の傷ならわずかな間に治してしまうほどの回復力をもっていました。
さらに予想外だったのは、雷を使った攻撃をしてくることです。
最初の一回目はあやうく直撃をくらうところでした。
わたしが距離をとった時に今まで以上に強い気配の強まりを感じ、しかもそれがわたしの頭上に移動してきたので、直感ですぐに逃げたところ、元居たところに雷が落ちました。
その後も、距離をとった時には同じような強い気配を感じた後にそれがわたしのいる場所へ移動してきて雷が落ちるので、距離をとっても油断することはできません。
とはいえ、相手もそこまで頻繁に雷を落とすことはできないようで、短時間に連続して落としてくることはありませんし、1度落とした後はしばらく使ってきませんので、強い気配にさえ注意していれば、対処のしようがあるのは救いでしょうか。
一度、隙を見て背中側に齧り付いてみましたが、自分の手が届かないとなると後ろに倒れてきて押しつぶされそうになりました。
慌てて頭の上に移動しましたが、待ち構えていたように手が捕まえに動いてきたのでそれ以上の攻撃はできないまま逃げ出しました。
結局は一撃を加えてから距離をとり、雷攻撃に気をつけながら接近する隙を伺う、という行為を繰り返すしかないようです。
はっきり言います。不毛です。