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幕間その13 魔法とスキル

間が空いてすみません。

前話より引き続きナナコ視点


「そういえば俺の魔法スキルは土魔法だけだったんだけど、これってどうなんだろう?」


 魔王の話を逸らそうとしたのか、ムラバヤシがそんなことを聞いてきた。


「普通じゃない。わたしは水魔法だし、レーリーは火魔法よ。そういえばドロテアは何が使えるの?」


「わたしは闇魔法ね」


 げ、いかにも悪そう。


「一人一つしか魔法スキルは持てないのか?」


「そうでもないみたい。メイリンは全魔法適正とか言っていたし」


「それってすごいんじゃないのか?」


 おお、ムラバヤシが食いついてきた。ふつうはそう思うわよね。


「珍しくはあるけど使える魔法が多いほど使える魔法の最大ランクが低くなるらしいから、微妙みたいね」


 わたしがそう答えると、ドロテアが首を傾げた。


「あら、こちらの世界では魔法適正が多いと使える魔法ランクが下がるのね」


「正確には『無詠唱で使えるランクが下がる』ですね」


 え、レーリーの話は初耳なんだけど。


「実を言えば魔法適正がない属性の魔法でも、起動術式を覚えて詠唱するなら使うことはできるそうです。ただ、例えばランク1のボール系の術式でも詠唱に30秒ほどかかる上に必要な魔力もスキルを持っている場合より増える傾向にあるので、実戦向きではないということであまり推奨はされていないようですね」


 あれ、だけど使えないより使えた方がいろいろ便利な気がするんだけど。

 わたしがそういうと、ドロテアも頷いた。


「わたしの国ではみんな水魔法や火魔法は詠唱を覚えていたわね。水や火種を余分に持ち歩かずにすみますから」


 やっぱりそうだよね。


「こちらでも昔はそうだったようですが、今はいろいろ安い魔道具が普及したり、水道が整備されてきたりでそこまで必要ではなくなったようですね」


 あー、丁度マッチやライターがあれば火打石は必要なくなるみたいな感じか。しっかしレーリーはどこでそういう知識を仕入れているの?


「メイリンが持っている本からですね。あとは図書室でしょうか。『魔法学辞典』や『魔法大全』といった本に記載がありましたよ」


 あー、わたしはそういう難しい本は読まないし。


「実際のところ先ほども話に出た『魔王』こと初代皇帝はすべての魔法適正がなかったそうです。ですが努力して四属性魔法についてはランク7まで詠唱できるようになったそうです」


 あれ? 魔法のランクは最大で5じゃなかったっけ?


「え? 魔法スキルを持ってきても使えるのはランク5までと聞いたと思うんですが?」


 ムラバヤシがわたしと同じ疑問を口にした。


「スキルを所持していても無詠唱で使えるのはランク5までです。実際のところそこまで利用できればほぼ困ることはないこともあって、普通の人はそれ以上のランクの魔法を使うことがなくなりましたので、一般的にはランク5が最大となっているそうです」


 つまりスキルを持っててもランク6以上は詠唱が必要なんだ。


「そういうことになります。で、初代皇帝はその詠唱を極めた結果、魔法スキルを持っていなかったにもかかわらずランク3までは短縮詠唱ができた上に、ランク7までの魔法を自在に使えたようですね」


 そう考えると今でも自分の持っていない属性の魔法の詠唱を覚えることは悪くないように思うけど、なんで今はそういう訓練はほとんどしていないんだろう?


「効率の問題ですね。例えば火魔法のスキルを持って詠唱が必要ないといっても、訓練していなければ発動させるまでに数十秒かかる人もいます。あと、同じファイヤーボールでも訓練していない人と訓練している人では必要になるワリーシュに差が出ます」


 そういえばわたしも最初は水魔法を使うのに一分以上かかっていたっけ。


「そうね。実際わたしの世界でもまずは自分が持つ属性を自在に扱う訓練から初めて、他の属性はその後で生活に役立つ程度の最低限の詠唱を覚える程度だったわね」


 ドロテアの世界でも自分の属性から訓練するのが普通だったのね。


「ちなみにそういう自分の持つスキルの属性魔法の発動に時間がかかる人が、スキルにない属性の魔法を詠唱して使おうとしても、ほぼ発動に失敗するようです。ですからまずは自分が使える属性魔法の訓練をすることで、魔力の使い方を覚える必要があるということでしょう」


「そのうえ、生活に役立つ程度の魔法ならすでに魔道具で代用できるわけだから、あえて他の属性魔法の訓練なんかしないというわけだね」


 ムラバヤシが訳知り顔でそういうのがなんかムカつく。


「ええ、少なくとも学生のうちはそのようですね。傭兵の方の中には必要を感じて覚える方もいるようですが、軍に進むとより分業化が進むのでよほど興味がない限りはわざわざ覚えることもないのでしょう」


 レーリーは火魔法以外の魔法には興味ないのかな?


「使えるなら戦闘時の戦術が広がりますから興味はあります。ですが詠唱に時間を取られる分、実戦での使いどころが難しいのも事実ですから、結局宝の持ち腐れになる可能性が高いですね」


 うん、レーリーが実戦主義なのはよくわかったよ。


次は本編に戻るはず……

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